国交省、東京モーターショー、モンストのキャンペーン……。10月の急上昇サイトを調査しました

国交省、東京モーターショー、モンストのキャンペーン……。10月の急上昇サイトを調査しました

2019年10月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? 市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトをランキング化し、10月の急上昇サイトを調査しました。


10月の急上昇サイトは?

まず、訪問ユーザー数の前月比が高い順にWebサイトをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「eMark+」画面より)

1位には国土交通省。上位には公的機関サイトが並ぶ

それでは早速、ランキングの1位から3位までを詳しく見ていきましょう。

1位:国土交通省 関東地方整備局

 1位は国土交通省 関東地方整備局のサイトでした。

前月よりこれほどUU数が増加したのは、10月に関東地方に上陸した台風19号の影響と思われます。念のため、どのようなコンテンツに注目が集まったのか、eMark+でランキングを確認してみましょう。

国土交通省 関東地方整備局のコンテンツランキング(対象はPC、「eMark+」画面より)

1位は京浜河川事務所の「ライブカメラ」、2位は荒川下流河川事務所の「水位・雨量・ライブ映像」のページとなっていました。

京浜河川事務所のライブカメラは多摩川の水位を確認するために確認されていたと思われます。京浜の方では前月比で約3200%、荒川では前月比約11300%ものユーザーが訪れ、改めて台風の影響の大きさがうかがえるでしょう。

2位:東京モーターショー

前回を大幅に超える130万人の来場者数を記録した東京モーターショーが10月の急上昇ランキングの2位にランクインしました。

では、サイト訪問者はどのような経路で閲覧しに来たのでしょうか。流入元を見てみましょう。

「東京モーターショー」のセッション数流入元(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

グラフより、自然検索による流入が最も多いことがわかります。テレビCMを連日放送したり、今回から高校生以下の入場料を無料にするなどして話題を作ったことが、自然検索の増加につながったと思われます。

では、ユーザーはどんなキーワードで東京モーターショーのページに流入していたのでしょうか。

東京モーターショーの自然検索キーワード(対象はPC、「eMark+」画面より)

流入につながった検索キーワードを見てみると、そのほとんどが「東京モーターショー」と当該イベントの名前になっていました。

このことから、既に別チャネルで東京モーターショーのことを認知しており、興味を持ったユーザーがサイトを訪れて情報を得ていたと言えるでしょう。

3位:全国概況

10月の急上昇サイト3位は、国土交通省が運営する川の防災情報ページでした。こちらのサイトのUU数が増加した理由も台風19号の影響によるものと思われます。

1位のサイト「国土交通省 関東地方整備局」が関東地方の河川情報を取り扱っているサイトである一方、こちらのサイトは全国の河川情報を発表しています。複数のサイトを訪れ、状況の理解に努めていたユーザー像が想定できるでしょう。

6周年感謝キャンペーンでモンスターストライクに注目が集まる

ここからは4位以下でUU数増加の原因に特徴があったものをいくつかピックアップします。

まずは4位「モンスターストライク」です。10月10日から31日にかけて外食産業5社と手を組み、超肉祭というキャンペーンを行っていました。

コンテンツランキングを見てみると、やはりこの「超肉祭」キャンペーンがユーザーを集めていたことが分かります。

「モンスターストライク」コンテンツランキング(対象はPC、「eMark+」画面より)

1位は超肉祭キャンペーンのURLとなっていました。

今年6周年を迎えたモンスターストライクは様々なキャンペーンをおこなっており、10月は特に外食産業5社(吉野家、松屋、ガスト、モスバーガー、ケンタッキー)と協力して、これら5社でつかえるクーポンを配布していました。この施策が功を奏し、急上昇ランキング4位になったと考えられます。

即位礼正殿の儀に伴う交通規制で警視庁がランクイン

10月の訪問ユーザー数急上昇ランキング、7位には警視庁のWebサイトがランクインしました。

なぜ警視庁のサイトで10月の訪問者数が急上昇したのでしょうか。

コンテンツランキングを見てみましょう。

警視庁コンテンツランキング(対象はPC、「eMark+」画面より)

1位は「即位の礼」期間中の交通規制情報ページとなっていました。

即位礼正殿の儀に伴って外国要人が来日し、その影響で都内各地に交通規制がかかるため、警視庁ページにアクセスして規制情報を得ていたと考えられます。

まとめ

最後に10月の急上昇サイトと、その増加要因をまとめます。

10月は観測史上最大級の台風19号が各地に多大な被害を及ぼした月でした。その影響により、防災情報関連のサイトが急激にアクセスを集めたことが特徴だったと言えるでしょう。

また、即位礼正殿の儀に際しての交通規制情報を得るために、警視庁のWebサイトに多くのユーザーが訪れたことも特筆すべき点です。そのほかにも東京モーターショーといったイベントや、広告キャンペーンではモンスターストライクが注目を集めるなど、多くの出来事が起こった月となりました。

マナミナでは毎月の急上昇サイトを定点観測しています。世の中の流れをチェックするためにぜひご活用ください。過去のレポートはこちらからどうぞ。

過去の急上昇サイトレポート記事

ハウス食品がハロウィーンキャンペーンでサイトUU数を大きく伸ばす。8月の急上昇サイト調査

https://manamina.valuesccg.com/articles/594

8月はハウス食品のハロウィーンキャンペーンサイトや、Yahoo!道路交通情報サイトがランクイン

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


【急上昇サイト】学生・社会人に人気の居酒屋チェーン、店舗需要増に伴いサイト集客が急増|2023年6月

【急上昇サイト】学生・社会人に人気の居酒屋チェーン、店舗需要増に伴いサイト集客が急増|2023年6月

2023年6月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは?SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


【急上昇サイト】多様化する食のニーズを捉えたECサイト・D2Cの集客成功の要因とは|2023年5月

【急上昇サイト】多様化する食のニーズを捉えたECサイト・D2Cの集客成功の要因とは|2023年5月

2023年5月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは?SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


【急上昇サイト】旅行ニーズの多様化に応えるアクティビティ予約サイトの集客成功の要因とは|2023年4月

【急上昇サイト】旅行ニーズの多様化に応えるアクティビティ予約サイトの集客成功の要因とは|2023年4月

2023年4月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは?SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


【急上昇サイト】「歯列矯正マウスピース」ブランドや「発想えほん」新刊発売など、子育てユーザーの注目度がランキングに影響|2023年3月

【急上昇サイト】「歯列矯正マウスピース」ブランドや「発想えほん」新刊発売など、子育てユーザーの注目度がランキングに影響|2023年3月

2023年3月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


【急上昇サイト】シーズナリー需要を掴む集客施策でギフトサービスのサイト流入が急上昇!|2023年2月

【急上昇サイト】シーズナリー需要を掴む集客施策でギフトサービスのサイト流入が急上昇!|2023年2月

2023年2月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


最新の投稿


BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、全国のマーケティングコンサルタントを対象に、「BtoBマーケターが始めた方が良いこと」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


デビットカードは日本でも覇権を握るのか? 検索者の実態をクレジットカードと比較調査

デビットカードは日本でも覇権を握るのか? 検索者の実態をクレジットカードと比較調査

即時払いで決済を行うデビットカード。キャッシュレス決済全体に占める割合はまだまだ低いものの、利用者や利用場面は着実に増加しており、成長の兆しを見せています。本稿では、そんなデビットカードの検討状況について、キャッシュレス決済カテゴリのマーケットリーダーであるクレジットカードと比較し、今後の市場動向を占います。


博報堂DYMP、日本経済新聞社・東北新社と企業ブランディングのためのドキュメンタリー動画広告企画を開発

博報堂DYMP、日本経済新聞社・東北新社と企業ブランディングのためのドキュメンタリー動画広告企画を開発

株式会社博報堂DYメディアパートナーズは、株式会社日本経済新聞社、株式会社東北新社とともに、ドキュメンタリー動画を制作・提供する広告企画「日経ブランドドキュメント」を開発したことを発表しました。


2024年人気アニメを振り返る!ヒットを生む「勝ちパターン」とは?

2024年人気アニメを振り返る!ヒットを生む「勝ちパターン」とは?

コンテンツには事欠かない現代ですが、話題を呼ぶ人気作には、どのような「勝ちパターン」が存在するのでしょうか。2024年に放送された新規アニメ「薬屋のひとりごと」「逃げ上手の若君」「怪獣8号」「ダンジョン飯」に、11月に劇場版が公開された「進撃の巨人」を加えて、消費者の関心を調査しました。


2024年トレンド総決算!6つのテーマのマーケティング調査で振り返る

2024年トレンド総決算!6つのテーマのマーケティング調査で振り返る

マナミナでは、国内最大規模の消費者オンライン行動データを活用して、世の中のトレンドを調査しています。2024年もさまざまなトレンドを記事として取り上げてきました。今回は調査記事の総集編として、2024年のトレンドを振り返ります。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ