3C分析とは?事業からプライベートまで応用できる分析手法
Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの頭文字Cを取った「3C分析」。マーケティングをするには、自社だけでなく、外部の環境も調査することが欠かせません。さまざまな角度から分析を行い、改善できる策を練ることで、より良いマーケティングにつなげます。
■3C分析を構成する顧客・競合・自社とは
3C分析の元になるフレームワークについて解説します。
■Customer(市場・顧客)
顧客にどれほど購買意思があるのか、また能力などを分析していきます。
市場の大きさや成長性、購買に至る過程などがあります。
■Company(自社)
自社の経営状況や、商品・サービスの強みについて調べます。
市場が変化にするにつれて、変化に対応することや、自社の比較を行います。
■Competitor(競合)
競合他社について、また競争の状況を調べます。
自社のオリジナリティを探していくのに必要なポイントです。
■マッチングアプリでわかりやすく3C分析を解説
3C分析は、プライベートにも利用できます。
例えば、マッチングアプリで素敵な異性と出会うために、個人がどのような戦略を取れば良いかが分かります。以下では、男性を主体としたケースの戦略を考えます。
■Customer(市場・顧客)
市場はアプリです。「20代中盤のユーザーが多い」「婚活メインのユーザーが多い」など、そのアプリをどういった女性層が利用しているかで決まります。恋愛をしたいのに婚活メインのアプリ(市場)にいても、希望の女性とマッチングできません。
顧客は、女性です。「アウトドアなタイプ」「金銭感覚の合うタイプ」など、どのような女性を選びたいのか、またその女性はどういう男性を求めているかを分析します。
■Company(自社)
市場や顧客を踏まえ、自分の状況や強みを考えます。年齢や年収、性格、趣味などを客観的に見て、どのようなアピールができるか考えましょう。「多趣味でアウトドアを楽しませるのに自信がある」なら、そこを女性にアピールします。
■Competitor(競合)
競合は、他の男性ユーザーです。アプリの男性層を調べ、彼らのスペックを踏まえた差別化戦略を考えます。例えば20代前半の男性ユーザーが多いなら、年上の安心感を感じさせる訴求ができるかもしれません。
まとめると、以下のようになります。
■Customer(市場・顧客)
・市場は20代がメイン
・「20代前半のアウトドア好き」の女性と付き合いたい
■Company(自社)
・28歳男性で年収は人並み
・多趣味でアウトドアが得意
■Competitor(競合)
・20代前半で、高収入の男性が人気
■今後の戦略
・アウトドアを楽しませる、頼りがいのある年上男性をアピール
今後の戦略は一つとは限りません。分析結果を元に、効果があると考えられる戦略をいくつも検討することが大切です。
マーケティングにおける3C分析の目的と必要性
3C分析の目的は、3つの視点から分析することで、成功要因を見つけることです。どれか一つでも欠けると、戦略に失敗しかねません。
もし市場・顧客、自社のみの分析なら、顧客に気に入ってもらえる商品やサービスを考えられたとしても、実は競合も既に同じ商品やサービスを展開していて差別化できない可能性もあります。
また、競合と自社の視点のみであれば、差別化する商品・サービスについては十分に研究できても、実は顧客のニーズからは程遠いかもしれません。お客様から評価されなければ商売が成り立ちません。
このように3つの角度から分析し、成功要因を見つけ、競争優位性があるか確認することが大切です。なんらかの分析をするためには、多くのデータが求められ、複雑になりがちです。しかし、3C分析などのフレームワークを使うと、漏れなく効率的に成功要因を見つけやすくなります。
■マーケティングにおける3C分析の位置づけ
3C分析は、マーケティング戦略決定の一つです。実は3C分析を実施する前には、以下を行うとより精度の高い分析、戦略決定ができるようになります。
・政治、経済、社会、技術などのマクロな分析から機会や課題を見つける「PEST分析」
・新規参入・代替品の脅威や、売り手・買い手の交渉力など、業界の構造を把握する「5F分析」
3C分析を進める方法
どのように3C分析を進めていくのか解説します。
■市場・顧客を分析する
まず、対象となる市場や顧客を分析します。自社を評価していく基準となるので、市場と顧客の分析は欠かせません。
政治、経済、社会、技術などの側面(PEST分析)から、自社の良い機会とできるのかを判断します。予想される今後の動向に合わせて、また変化するニーズに自社の戦略を合わせることができるのか分析します。
これらはマクロ的な要素とされており、自社ではコントロールできません。社会的な変化を分析します。
また、ミクロな視点でも分析してください。これは、新規参入や業界内での強さのバランス、買い手や売り手の交渉力などを分析します(5F分析)。バランスを分析し、自社の周りにはどれほどの脅威となる存在がいるのかを判断し、戦略を立てるのに活用しましょう。
■競合を分析する
競合の分析では、競合他社の売り上げや市場シェアなどを分析していきます。この際に、どこが競合ブランドやメーカーになるのかを明確に判断することも大切です。
直接、競合となる会社だけでなく、間接的に競合となる企業も見つける必要があるでしょう。同じ商品やサービスではなくても、提供するものが同じ価値になると、競合になる可能性が高くなります。
競合を判断することができたら、さらに競合の特色を分析します。価値の提供方法やプロモーションなども分析しましょう。
競合会社がどのような結果を出しており、結果を生み出したリソースにも注目します。どれほどの売り上げがあるのか、また営業利益などは参考になるデータです。他にも、広告などの必要なコストも着目します。
結果を出すための方法も、分析の材料となります。製品を開発し、製造、物流までの流れだけでなく、マーケティングの手法も探してください。
競合会社が変化する市場にどのように対応しているのかを分析していくと、参考になるデータを集めることができるでしょう。
■自社を分析する
最後に自社を分析します。これまでの分析を元に、戦略を練っていきます。
市場の変化や、それ対する競合の対応は、自社との良い比較材料です。着目できるのは、経営資源、市場でのシェア、販路など複数のポイントです。ここから自社の強みや弱みを導き出します。
自社の特色を分析し、さらに魅力をつけ足すところを判断し、差別化を図ってください。
3C分析を進めるポイント
3C分析のポイントは、「情報収集」です。
3C分析は、できるだけ多くの情報を集めることで、密度の濃い分析を行えます。情報が少なければ、浅い分析となり、的確な戦略を打ち出せないかもしれません。
また、そのデータの正確性も重要です。誤ったデータを元に分析すれば、誤った分析結果となるでしょう。データを取捨選択することも必要です。
3C分析をするには、正確な情報収集が欠かせません。
しかし、忙しい業務の合間をぬって、必要なデータを集められないかもしれません。効率よくデータを集めるには、ツールを活用することも可能です。情報収集を効率化する「Dockpit」を利用してみてください。
【事例集】3C分析を具体的に解説!テンプレートよりも簡単なやり方 | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン
https://manamina.valuesccg.com/articles/16113C分析とは、市場・顧客、自社、競合の3つの視点から対象を分析し、マーケティング戦略を考える手法の一つです。しかし、「具体的に分析をイメージできない」、「テンプレートで上手く進められない」方もいるかもしれません。 本記事では、3C分析の目的やメリット、具体的な事例集、テンプレートより簡単なやり方を解説します。とくにWebサイトの分析にお困りの方は、最後までお読みください。
3C分析とSWOT分析の関係
3C分析で分析した結果をもとに、SWOT分析で改めて自社の状況を確認することで、より強い戦略目標を立てることができます。
3C分析は、顧客(Customer)、競合会社(Competitor)、自社(Company)の3つの角度からバランス良く自社の価値を見出すことを目的としています。一方SWOT分析は、「内部環境か外部環境か」と「事業にとってプラス要因かマイナス要因か」の2×2軸で4つに分類することで、自社の事業を取り巻く要因を整理することを目的としています。
必要に応じてSWOT分析を行いながら、改めて3C分析を加筆修正していくのも一つです。SWOT分析については、競合調査の代表的フレームワーク3種(3C分析・4P分析・SWOT分析)の記事もご参考ください。
競合調査の代表的フレームワーク3種(3C分析・4P分析・SWOT分析) | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン
https://manamina.valuesccg.com/articles/589市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握するために行う「競合調査」。ビジネスの競合調査でよく使わているフレームワークが3C分析・4P分析・SWOT分析です。本稿では、各フレームワークの概要と分析方法、使い分けをご紹介します。
3C分析の無料テンプレート
3C分析を実際に行う際に利用するテンプレートをご紹介します。テンプレートを使い、顧客、競合会社、自社の順に分析していくと成功要因を発見しやすいため、是非活用してみてください。
3C分析の事例:スターバックスとドトール
3C分析の事例で分かりやすいのが、スターバックスとドトールです。どちらのカフェも知名度が高く、人気がありますが、それぞれのブランドイメージは全く異なります。それぞれの3C分析を見ていきましょう。
■顧客(Customer)
スターバックス
1996年日本に参入したスターバックスは、ファッションに敏感な若い女性層をターゲットにしました。当時日本のコーヒーを飲む場所の主流は喫茶店で、女性が一人では行きづらいものでした。そこでスターバックスは、「おしゃれなお店に行きたい」「美味しいコーヒーやラテが飲みたい」という女性のニーズを取り込むことを目指しました。
ドトール
1980年に展開されたセルフ式コーヒーショップの先駆けであるドトールは、当初のコーヒーの価格はなんと1杯150円。立地は都心の駅チカをメインに展開しました。リーズナブルに、手軽に、効率的に美味しいコーヒーや休息を求めるビジネスマン層をターゲットにしました。
競合会社(Competitor)
スターバックス、ドトールがそれぞれの競合会社ですが、他にコーヒーチェーンでのメインの競合会社は次の2社です。
・エクセシオール
・タリーズ
2社ともスターバックスと同じ、お洒落でファッショナブルなイメージの戦略です。
また、コーヒーチェーン以外にも、間接的競合として、コンビニ、ファーストフード店も挙げられます。
自社(Company)
スターバックス
・良質の深煎コーヒー。女性向けにラテや季節に合わせた新しいメニューを展開。
・「第三の空間」(Third Place)。センスの良いインテリアと心地より音楽。
・日常のちょっとした贅沢。
・総合的に「お洒落で高級感のある」イメージ。
ドトール
・ドリップコーヒー中心。
・内装もコーヒーカップもシンプル。
・総合的に「庶民的」なイメージ。
スターバックスもドトールもそれぞれ3C分析にもとづいた戦略を練り、競争優位性を発揮してきました。顧客のニーズを開拓し、他社との差別化に成功するためにも3C分析の重要性がわかります。
3C分析の注意点:グロービスによる3C分析方法の解説例
次に、グロービスのオンライン教材「3C分析で読み解く -家庭教師派遣会社の営業リーダー・島根の悩み 」の中で紹介されている3C分析方法をご紹介します。
ここでは、家庭教師派遣事業のチャレンジ社における営業リーダーの事例をもとに、3C分析を行ううえでの注意点が紹介されています。営業リーダーは他県への事業進出を提案するために、3C分析を行い、提案資料を上手に作成しました。
ただし、3C分析は重要な論点をもれなく押さえられ、概念的に分かりやすく綺麗にまとめることが出来るメリットがあるものの、戦略を「深く理解できていなくてもそれらしく」説明でき、受け手側も理解できた気になってしまうデメリットがあると注意喚起されています。
「それらしく理解し戦略を立てたものの、実行に移してみたら穴だらけだった」ということはよくある話です。3C分析の初期案には穴がある前提で、次の点に注意して分析できるかがマーケティング戦略の差となってきます。
■マクロ/ミクロ両面から検証する
3Cそれぞれマクロ/ミクロの違いを理解しながら検証することが重要です。
顧客(Customer)
マクロ:市場 / ミクロ:顧客
ポイントは、マクロでは市場細分化をいかに行っていくか、ミクロではいかに具体的に顧客像を設定するかです。
競合会社(Competitor)
マクロ:業界 / ミクロ:競合会社
ポイントは、マクロでは細分化した市場に対してどのような戦略を行っているかの把握、ミクロでは市場、業界を理解し重要ポイントを設定したうえで競合会社のことを分析することです。
自社(Company)
マクロ/ミクロ:自社
ポイントは、競合会社(Competitor)のミクロ同様、市場、業界を理解し重要ポイントを設定したうえで自社を分析することです。
■現場の問題意識に基づいた初期仮説立案
まずは現場の肌感覚での仮説立てが重要です。そのために、現場の生の情報を集めましょう。
■3C分析のみならず「今後を見据えた検証のアクション」を盛り込む
現時点わかっていないことを明らかにし、次のアクションを明確にすることが大切です。3C分析は進化させてこそ意味があることを念頭に、「今後を見据えた検証のアクション」を考えましょう。
3C分析で効果的にマーケティングしよう!
3C分析などのフレームワークを活用すると、漏れなく効率的にマーケティング戦略を立案でき、自社の強みを把握し顧客のニーズに合わせた商品やサービスを提供できます。
本サイト「マナミナ」を運営しているヴァリューズでは、マーケティングの3C分析に役立つ市場調査ツール「Dockpit」を提供しています。一般的なアクセスログ解析と異なり、他社サイトの動向を調べたり、消費者のインサイトを知るのに役立つサービスです。競合分析の事例は、以下の記事でご確認ください。
競合調査の代表的フレームワーク3種(3C分析・4P分析・SWOT分析) | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン
https://manamina.valuesccg.com/articles/589市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握するために行う「競合調査」。ビジネスの競合調査でよく使わているフレームワークが3C分析・4P分析・SWOT分析です。本稿では、各フレームワークの概要と分析方法、使い分けをご紹介します。
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基礎から学ぶ代表的なマーケティング理論(3C・4P・カスタマージャーニー・AIDMA/AISAS・パーセプションフロー)
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SEO対策のために、競合サイトをツールで分析する「競合調査」が一般的になりつつあります。Googleの検索ロジックが複雑化する中、競合調査では検索上位のサイトには評価される要素があるとみなして自社サイトと比較し、差分を埋めていきます。複数のツールで競合調査すれば流入キーワードや被リンク、ドメインの強さなど競合サイトのかなりのことがわかります。
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