“第3のビール”の公式サイト訪問者数を調査!圧倒的な強さを見せたのは「金麦(サントリー)」

“第3のビール”の公式サイト訪問者数を調査!圧倒的な強さを見せたのは「金麦(サントリー)」

気温も高まり、アルコール飲料がより美味しく感じられる季節になってきました。新型コロナの影響もあり、巣ごもり消費でビール業界にも変化があったのではないでしょうか?そこで、今回は第3のビール(新ジャンル)に絞って、公式サイト のユーザー動向や属性などについて掘り下げてみたいと思います。


「金麦(サントリー)」が4倍以上の差をつけてサイト訪問者数トップに

まずは、直近1年間の公式サイト訪問者数を見てみたところ、トップは「金麦(サントリー)」で他商品に4倍以上の 差をつけてトップとなりました。続いて「クリアアサヒ 贅沢ゼロ/アサヒオフ(アサヒ)」「ザ・リッチ(アサヒ)」「本麒麟(キリン)」という結果でした。

TOP5の内、アサヒの商品が3つランクインしていることから、アサヒの人気の高さがうかがえました。

また、「ザ・リッチ(アサヒ)」は2020年3月17日に発売と後発ながら、「本麒麟(キリン)」を抜き4位にランクインしていることから、こちらもユーザーの興味関心が高いことがわかりました。

公式サイト訪問者数

公式サイト訪問者数

デバイス:PC+スマートフォン
集計期間:2019年7月~2020年6月

キャンペーンをフックに巧みに集客

次に、トップの「金麦(サントリー)」のサイト訪問者数がなぜ多いのかを探ってみましょう。過去2年間のサイト訪問者数推移を見てみると、2019年、2020年と3月からアクセス数が伸び始め、7月頃にピークを迎えていることがわかります。

季節要因も大きく関係していると思いますが、それ以外にどんな手段で集客しているのでしょうか?

「金麦(サントリー)」のユーザー数推移

公式サイト「金麦(サントリー)」のユーザー数推移

デバイス:PC+スマートフォン
集計期間:2018年7月2020年6月

まず最初に、アクセス数が伸び始めた2019年3月の「金麦(サントリー)」のコンテンツランキングを見てみましょう。『絶対もらえる。あいあい皿2019』のキャンペーンページが多くを占めていますが、ユーザー数もまだそこまで多くない上に”金麦”のトップページが1位となっています。

流入元も“自然検索”が多いことから、恐らく、CMでキャンペーンの告知をしたことでサイトにユーザーが訪れていることが考えられます。

「金麦(サントリー)」の2019年3月のコンテンツランキング

「金麦(サントリー)」の2019年3月のコンテンツランキング

デバイス:PC
集計期間:2019年3月

『絶対もらえる。あいあい皿2019』の応募期間が2019年4月15日~ということもあり、2019年4月の「金麦(サントリー)」のコンテンツランキングは、キャンペーンページが上位を占めていることがわかります。

「金麦(サントリー)」の2019年4月のコンテンツランキング

「金麦(サントリー)」の2019年4月のコンテンツランキング

デバイス:PC
集計期間:2019年4月

また、訪問者数が急増している「金麦(サントリー)」の2019年7月のコンテンツランキングを見てもわかるように、『金麦 特等席 ご招待』や『絶対もらえる!金麦の夏皿』にアクセスが集中しておりキャンペーンの人気の高さがうかがえました。

「金麦(サントリー)」の2019年7月のコンテンツランキング

「金麦(サントリー)」の2019年7月のコンテンツランキング

デバイス:PC
集計期間:2019年7月

さらに、訪問者数が多い2020年4月のコンテンツランキングを見てみましたが、『絶対もらえる!あいあい皿2020』がトップとなっていました。やはり、ユーザーのキャンペーンへの興味関心度合いが高いと言っていいでしょう。

「金麦(サントリー)」はキャンペーンをフックにユーザーをサイトへ誘導していることがわかりました。

「金麦(サントリー)」の2020年4月のコンテンツランキング

「金麦(サントリー)」の2020年4月のコンテンツランキング

デバイス:PC
集計期間:2020年4月

「絶対もらえる!あいあい皿2020」キャンペーンページ

「絶対もらえる!あいあい皿2020」キャンペーンページ

※現在、キャンペーン期間は終了

一方で、訪問者数が落ち込んだ2019年6月に対して、2020年6月は直近2年間の中で最も訪問者数が多い結果となりました。『絶対もらえる!あいあいカレー皿』の他に『おうちで金麦花火大会』のキャンペーンが訪問者数を伸ばした要因となっていました。

「金麦(サントリー)」の2020年6月のコンテンツランキング

「金麦(サントリー)」の2020年6月のコンテンツランキング

デバイス:PC
集計期間:2020年6月

『おうちで金麦花火大会』キャンペーンは、新型コロナの影響で“中止になってしまった全国の花火大会を、今年の夏はご自宅で、金麦を片手にお楽しみください。”というコンテンツのようです 。

「おうちで金麦花火大会」キャンペーンページ

「おうちで金麦花火大会」キャンペーンページ

「金麦(サントリー)」は年間を通してみると、4月と7月にプロモーションを打っているようですが、2020年は新型コロナの影響で6月にも施策を実施したことで6月にもピークを作っていることがわかりました。

ただ、7月は年間を通じて最もアクセス数が伸びるようなので、2020年はどこまで訪問者数が伸びるか楽しみです。

「金麦(サントリー)」は女性、「本麒麟(キリン)」は若年層が支持

続いて、サイト訪問者の属性をみてみましょう。性別では、全体的に男性が多い結果となりました。その中でも、「ザ・リッチ(アサヒ)」は男性比率が7割と高くなっていました。

また、男性比率が高い中でも「金麦(サントリー)」は女性比率が約53%と男性を若干上回っており、他の商品の属性(性別)との違いが見うけられました

ユーザー属性:性別

ユーザー属性:性別

デバイス:PC+スマートフォン
集計期間:2019年7月~2020年6月

次に年代別で見てみると、40代以上の年齢層が多いことがわかりました。特に50代・60代以上で半数を占めている結果となっていました。

ただ、その中でも「本麒麟(キリン)」は20代・30代が約4割と、若年層にも支持されているようです。

ユーザー属性:年代別

ユーザー属性:年代別

デバイス:PC+スマートフォン
集計期間:2019年7月~2020年6月

「金麦(サントリー)」はキャンペーンに関連するワードが人気

最後に、『金麦』を含む検索をしているユーザーが併せて検索しているワードを見てみたところ、『キャンペーン』や『あいあい皿』などのワードが上位となっていました。

検索ワードから考察しても、金麦サイトに訪れるユーザーはキャンペーンに非常に興味をもっていることがわかりました。

『金麦』を含む検索ワード

『金麦』を含む検索ワード

デバイス:PC
集計期間:2018年7月~2020年6月

『金麦』を含む検索ユーザーの推移は下図のようになっています。キャンペーンのタイミングでユーザー数が伸びていました。

『金麦』を含む検索ユーザー数推移

『金麦』を含む検索ユーザー数推移

デバイス:PC
集計期間:2018年7月~2020年6月

まとめ

今回は第3のビール(新ジャンル)の公式サイトについて調査しました。サイト訪問者数を見ても、「金麦(サントリー)」が強く一人勝ちの様相を呈しています。

その背景にはキャンペーンとCMの両輪でユーザーを巧みにサイトに誘導していたり、需要が高まる時期に施策を実施するなどして、ユーザーの購買意欲を上手に高めていることがわかりました。

今後、各社がどのような施策でユーザーを獲得していくか注目したいところです。

分析概要

ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービスeMark+を使用し、2018年7月~2020年月6のネット行動ログデータを分析しました。
※2019年7月~2020年6月の累計のサイト訪問者数上位5商品(下図)を分析。

第3のビール(新ジャンル)のサイト訪問者数上位5商品

本調査は国内Webサイト・アプリの利用実態が簡単に分析できるSaaS型ツール「eMark+(イーマークプラス)」を用いて行いました。eMark+の一部の機能は無料でご利用いただけます。下記より無料登録ができますので、ご興味のある方はぜひどうぞ。

eMark+ 無料で競合調査ができる! 無料登録はこちら

関連記事

新型コロナでお酒の購買行動はどう変わったか?大手ECサイト「カクヤス」のデータから考察

https://manamina.valuesccg.com/articles/897

新型コロナウイルスの流行に伴い、お酒の個人消費が増えていると見られています。実際にどれほど進んでいるのでしょうか。本記事では市場分析サービス「<a href="https://www.valuesccg.com/service/emarkplus/" target="_blank">eMark+(イーマークプラス)</a>」を用いて、お酒の大手ECサイト「カクヤス」の利用状況を調査し、消費マインド変化の考察を試みます。

三越伊勢丹やメルカリからオウンドメディアの集客方法を学ぶ。ステイホーム需要をすくい取ったヒットコンテンツとは

https://manamina.valuesccg.com/articles/943

本稿では、新型コロナに大きく影響されたこの期間に、訪問者数が伸びたオウンドメディアを調査。動きが顕著だった4メディア「FOODIE(三越伊勢丹)」「メルカリマガジン(メルカリ)」「Hayakawa Books & Magazines(β)(早川書房) 」「SMART MAGAZINE(ジェイトリップ)」のヒットの背景を分析します。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

“第2次”アサイーブームは続くのか? 検索者属性や検索ニーズからカテゴリ浸透の未来を考察

近年再び話題になっている「アサイー」。若い女性を中心に人気を集めているようです。他にはどのような特徴を持つ人がアサイーに関心を持っているのか、アサイー検索者がアサイーのどんなことに興味を持っているのかについて、Web行動ログデータから分析・考察します。そして、アサイーブームのこれからを考えます。


自分を癒す、潤す、小さなご褒美!プチ贅沢調査【スイーツ編】ホワイトペーパー

自分を癒す、潤す、小さなご褒美!プチ贅沢調査【スイーツ編】ホワイトペーパー

日本生活協同組合連合会の「節約と値上げ」の意識についてのアンケート調査結果によると、回答者全体の93.3%の人が節約を意識しているという今、何かとメディアで取り上げられているのが「プチ贅沢」。本レポートでは、どのようにして「プチ贅沢」が生活に取り入れられているのか、日常生活における小さな幸せの追求が、どのようにして個人の生活の質を向上させているかという視点で、中でも手軽に取り入れられる「スイーツのプチ贅沢」にフォーカスを当て、考察しました。<br>※調査レポートは記事末尾のフォームより無料でダウンロードいただけます。商品企画やマーケティングをご担当の方はぜひご確認ください。


中国市場における健康訴求お菓子の販売状況を調査

中国市場における健康訴求お菓子の販売状況を調査

中国市場では近年、健康を訴求するお菓子に注目が集まっています。特に、中国医学の医食同源に基づいたヘルシーな食材を使用する中国伝統菓子は、爆発的な人気を得ています。本レポートでは、中国の生活者が利用する主要ECの販売データをもとに、商品特徴ごとの販売実態や、生活者の購買傾向を詳しく解説します。(ページ数:39ページ)


ふるさと納税はどんな人が検討している?セグメントごとの特徴を調査

ふるさと納税はどんな人が検討している?セグメントごとの特徴を調査

年末が近づくにつれて注目度が高まるふるさと納税。そのユーザー像はどのようなものなのでしょうか。検討の度合いから検討者を5つのセグメントに分類し、実態を調査しました。


2023年はハロウィンの楽しみ方が自由化!?「ハロウィン」の検索キーワードから振り返る

2023年はハロウィンの楽しみ方が自由化!?「ハロウィン」の検索キーワードから振り返る

食品メーカーのマーケターや新しいもの好きな人、ヘルスコンシャスな人に向けて、食品のトレンドを分析します。今回のテーマは日本ではここ20年ほどで急激にイベントが開催されるようになった「ハロウィン」。「ハロウィン」について検索している方は何を知りたいと思っているのでしょうか。市場を調査します。


最新の投稿


博報堂研究デザインセンター、生活者発想技研からメタバース生活者たちと共にメタバースの未来を考える 「メタバース生活者ラボ™」を設立

博報堂研究デザインセンター、生活者発想技研からメタバース生活者たちと共にメタバースの未来を考える 「メタバース生活者ラボ™」を設立

株式会社博報堂は、メタバース空間における新しい生活者価値の創出と、イノベーションを生み出すことを目指し、研究員全員がメタバース生活者当事者によって構成されたコミュニティ型プロジェクト「メタバース生活者ラボ™」を設立したことを発表しました。


【2024年12月2日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2024年12月2日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


SEOの失敗から学んだ教訓、「技術的な最適化の重要性」「キーワード選定の重要性」「コンテンツの質が検索順位に与える影響」が上位に【eclore調査】

SEOの失敗から学んだ教訓、「技術的な最適化の重要性」「キーワード選定の重要性」「コンテンツの質が検索順位に与える影響」が上位に【eclore調査】

株式会社ecloreは同社が運営する「ランクエスト」にて、SEO対策で実際に失敗を経験した担当者に対し、その原因や対策についてアンケートを実施し、結果を公開しました。


ゴンドラ、CXデザイン・カスタマーサクセスの最新トレンドと顧客エンゲージメントに関する調査結果を発表

ゴンドラ、CXデザイン・カスタマーサクセスの最新トレンドと顧客エンゲージメントに関する調査結果を発表

株式会社ゴンドラは、カスタマーサクセス、CRM、CXデザイン業務経験者を対象に、顧客エンゲージメントに関するアンケート調査を実施しました。


SEOにおける動画コンテンツの活用目的は検索順位・ブランド認知度向上!約8割がSEO効果を実感している結果に【eclore調査】

SEOにおける動画コンテンツの活用目的は検索順位・ブランド認知度向上!約8割がSEO効果を実感している結果に【eclore調査】

株式会社ecloreは同社が提供する「ランクエスト」にて、動画コンテンツ活用者を対象に、SEO対策としての動画の有効性について調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ