後発プレイヤーが勝つためのデジマ戦略設計|デジタルマーケターズサミット2021セミナーレポート

後発プレイヤーが勝つためのデジマ戦略設計|デジタルマーケターズサミット2021セミナーレポート

コロナ禍で急速に市場のオンライン化が進み、これからオンライン領域に参入し、マーケティング戦略設計をする企業も多いのではないでしょうか。2021年2月24日に開催されたインプレス、Web担当者Forum主催「デジタルマーケターズサミット2021」では、データ分析企業のヴァリューズが、後発プレイヤーが勝つためのデジタルマーケティング戦略設計手法を解説。WEB行動ログを活用し、市場規模の把握から自社&競合データ分析をすることで、自社ユーザーの拡張に加え、他社ユーザーをも獲得していく“ニッチャー戦略”をお伝えしました。(※セミナー資料は記事末尾のフォームから無料ダウンロードできます)


後発プレイヤーが勝つためのデジマ戦略設計 自社×競合のインターネット行動ログデータ分析で見えてくる新戦略とは

本日のagenda

⚫︎デジタルマーケティングを取り巻く環境について
⚫︎今求められているデジタルコミュニケーション戦略とは
⚫︎まとめ

スピーカー紹介

図:スピーカー紹介

図:スピーカー紹介

デジタルマーケティングを取り巻く環境について

株式会社ヴァリューズ データマーケティング局 マネジャー 岩村大輝(以下、岩村):「YouTubeやツイッター、インスタグラムなどのSNS、グーグルの検索など、人々が簡単に情報を得ることができるようになった現代において、商品の購入やサービスの契約をするにあたり、オンラインでの情報収集の重要性は増加しています。
そんな環境の中で、後発プレイヤーは、どのように限られた資産を活かしコミュニケーションのプランニングを行っていくべきかを、考えていきたいと思います。」

図:現代のデジタルマーケティングおけるコミュニケーション戦略立案について

図:現代のデジタルマーケティングおけるコミュニケーション戦略立案について

岩村:「まず、現代の消費行動モデルを構成する2つのキーワードをご紹介します。
1つ目は「パルス型消費」。そして、2つ目は「バタフライ・サーキット」です。
この2つ目の「バタフライ・サーキット」が、Google社とヴァリューズの共同で研究した領域となります。」

図:現代の消費行動モデルを構成する2つのキーワード

図:現代の消費行動モデルを構成する2つのキーワード

岩村:「まず「パルス型消費」をご説明します。
マーケティング理論を学ぶときにまず最初に学ぶのが「AIDMA理論」だと思います。段階を踏んで、最後のアクション(購買)に繋がるといった考え方です。
しかし、ネット行動が盛んになり検索行動が増えた現代には、従来の消費行動モデルは通用しなくなってきているのではないかという研究がなされ、この「パルス型消費」という概念が生まれました。

「パルス型消費」は波を打つようにして、検索行動を繰り返し、ある時点で購買行動につながる直感センサーに繋がり、パルスが起きて突然購買行動が起こるという考え方です。

「パルス型消費」において考えられる、6つの直感センサーをまとめてみます。」

⚫︎Safety(セーフティ) 「より安全なもの」
⚫︎For me(フォー・ミー) 「自分にぴったりなもの」
⚫︎Cost save(コストセーブ) 「お得なもの」
⚫︎Follow(フォロー) 「売れているもの・第三者が推奨するもの」
⚫︎Adventure(アドベンチャー) 「知らなかったもの・興味をそそるもの」
⚫︎Power save(パワーセーブ) 「楽できるもの・労力を減らせるもの」

図:「パルス型消費」6つの直感センサー

図:「パルス型消費」6つの直感センサー

岩村:「続いて、「バタフライ・サーキット」についてご説明します。
これは何を明らかにしたのかというと「パルス型消費」の波打つ部分です。
この波打つ部分に、人はどのようなモチベーションを持っているのかということ。これが明らかにできると、波打つ部分でどうコミュニケーション設計ができるか、どうパルスを起こすかという、2つの議論ができると考えます。

従来の情報検索行動を「A(認知)I(興味)C(比較検討)I(購入意向)P(購入行動)」モデルとすると、「バタフライ・サーキット」では、そのように段階を踏むことなく、他人の情報や、ネット行動、思いつき、などで、情報検討行動が行ったり来たりするということが分かってきました。

この行動のもととなる動機が行ったり来たりする様を、蝶がサークルを描いてサーキットを飛ぶ様子に見立てて、「バタフライ・サーキット」と名付けられています。

こういった無秩序な情報探索行動に、人々を掻き立てる理由とも言える 8 つの潜在的な動機があリます。それら8つの動機をまとめてみます。」

⚫︎気晴らしさせて (情報収集自体を楽しみたい)
⚫︎学ばせて (知らないことに対して知識を蓄積したい)
⚫︎みんなの教えて (世間や周りの人の動向を把握したい)
⚫︎にんまりさせて (知る人ぞ知るような情報を知りたい)
⚫︎納得させて (自分の考えの裏付けを取りたい)
⚫︎解決させて (分からないことに対して役立つ情報を手に入れたい)
⚫︎心づもりさせて (後々落胆しないために期待値を下げたい)
⚫︎答え合わせさせて (自分の選択が正しいと確認したい)

図:「バタフライ・サーキット」情報を掻き立てる8つの動機

図:「バタフライ・サーキット」情報を掻き立てる8つの動機

岩村:「では、この「パルス型消費」と「バタフライ・サーキット」の2つをもとに、どのようにコミュニケーション設計をしていくのか考えていきたいと思います。」

いま求められているデジタルコミュニケーション戦略とは

岩村:「今日お話したいのは、後発プレーヤーとしてどのようにマーケットを攻めていくのかという点です。前述のモデルを使って、色々な会社様とのお取組みを経て分かったことが2つあります。
1つ目は、後発品や後発プレイヤーにとってチャンスが広がっているということ。
2つ目は、「パルス」は“起こせる”ということです。

図:バタフライ・サーキット前提の消費行動モデル

図:バタフライ・サーキット前提の消費行動モデル

岩村:「この「パルス型消費」と「バタフライ・サーキット」で構成される新しい消費者購買モデルは、後発プレイヤーやニッチャーにこそ、大きな武器となると考えます。

例えば、大掛かりなCMを打たなくとも、「バタフライ・サーキット」の無秩序な情報検索行動の8つの動機を見ればわかるように、タッチポイントの余地は無数に存在していると言えるわけです。
この「バタフライ・サーキット」の網に乗り、「パルス型消費」の直感センサーにちゃんと触れることができれば、競合環境が激しい中でもしっかりと結果を獲得できると考えます。

消費者が「パルス」を起こすために、まずは自社のストロングポイントを整理することが重要です。その上で、「バタフライ・サーキット」の8つのモチベーションを参考に、コミュニケーションプランを設計する。この2つをしっかりと行うことで、トッププレーヤーと同等の膨大なコストをかけずとも、大きな成果を生むことが出来るのではないかと考えています。」

図:パルス型消費とバタフライ・サーキットから得られる示唆

図:パルス型消費とバタフライ・サーキットから得られる示唆

岩村:「では、具体的にどのようにするのが良いか、一例をお話ししたいと思います。
1つ目、「パルス型消費」の6つの直感センサーを意識する場合。これは「何を(What)」の整理に使えます。
6つの直感センサーのうち、自社の商品やサービスがどの直感センサーに対して親和性が高いのか、それぞれの直感センサーに合わせてどのような訴求をしていくと良いか、という点について整理すると良いでしょう。」

図:6つの直感センサーを意識した訴求ポイント(What)の整理

図:6つの直感センサーを意識した訴求ポイント(What)の整理

岩村:「続いて、「バタフライ・サーキット」の8つのモチベーションを意識する場合。
こちらは主にコミュニケーションプランの設計に関連すると考えます。
この場合だと、情報を伝える側の「誰が(Who)」を指します。
情報探索行動を促進させる8つの動機を生み出すには、「誰が(Who)」伝えるかも大事になってきます。したがって、様々なモチベーションに対して最適な発信者を選ぶことも重要だと言えるでしょう。」

図:8つのモチベーションを意識した発信者(Who)の検討

図:8つのモチベーションを意識した発信者(Who)の検討

岩村:「このように、6つの直感センサーと8つのモチベーションを掛け合わせ、整理して、デジタルマーケティング戦略を考えることが重要だと言えます。」

図:現代の消費行動モデルに即したデジタルマーケティング戦略の立案

図:現代の消費行動モデルに即したデジタルマーケティング戦略の立案

まとめ

岩村:「本日は「バタフライ・サーキット」前提の消費者消費行動モデルとして、「バタフライ・サーキット」と「パルス型消費」の2つをご紹介いたしました。

デジタルメディアの接点が急増している現在。オフラインだけでなくて、オンラインでもしっかりとコミュニケーション設計していくことが重要と言えます。

したがって、実際にこれからのコミュニケーション戦略を考える際には、「バタフライ・サーキット」の8つのモチベーションと、「パルス型消費」の6つの直感センサー、これら2つの消費者の行動を起点としたマーケティングやフレームワークを行い、これらに沿った戦略を引き出していくと、より大きな成果に結びつくのでははないでしょうか。」

図:本日のまとめ

図:本日のまとめ

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この記事のライター

マナミナ 編集部 ライター。
金融・通信・メディア業界を経てリサーチ業界へ。
趣味は食と旅行。

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