市場調査とマーケティングリサーチ、両者の違いや調査方法を解説

市場調査とマーケティングリサーチ、両者の違いや調査方法を解説

商品やサービスの企画・開発にあたり、マーケティング施策立案の材料になるのが市場調査とマーケティングリサーチ。混同しがちですが、両者はベクトルが異なっています。市場調査は過去、マーケティングリサーチは未来にベクトルが向いています。このように性格が異なる両者の違い、そして主な調査方法などを解説します。


市場調査とは?

市場調査は一般に「絶対数や割合で現在の市場を把握し、数値データをもとに戦略や対策を立てること」を指します。過去から現在までの情報収集を行い、現在の市場動向などをデータ化して把握します。

市場調査にて得られた結果は、おもに新商品やサービスの開発に利用されます。

市場調査の基礎知識まとめ

https://manamina.valuesccg.com/articles/731

商品やサービスの企画・開発にあたり、マーケティング施策立案に欠かせない「市場調査」。アンケートなど市場調査の方法から、調査結果をもとにしたレポートの書き方、実際の市場調査報告書までまとめました。

マーケティングリサーチとは?

マーケティングリサーチは「顧客の心理を探った上で、今後のニーズを把握すること」を指します。顧客の心理を探るために顧客の意見を収集し、現在の市場の動向や未来の市場の動きを予測します。

マーケティングリサーチで得られた結果は、既存商品やサービスをどのようなマーケティング施策で売り出すかの検討材料にします。

市場調査とマーケティングリサーチの違い

新商品・サービスの開発のために使われる市場調査に対し、マーケティングリサーチはすでにある商品・サービスをどう販促したり改良したりするかに使われます。

過去のデータから現状を整理する市場調査と、未来目線のマーケティングリサーチという違いがあります。

市場調査・マーケティングリサーチで用いる2つの調査方法

市場調査とマーケティングリサーチ、それぞれベクトルは異なりますが、調査方法は「定量調査」「定性調査」で共通しています。傾向としては、市場調査では定量調査、マーケティングリサーチでは定性調査の割合が大きくなります。

定量調査の内容

定量調査は、数字や割合で結果を明確な数値データとして表せる対象の調査になります。調査方法としては、アンケート調査がメインとなります。アンケートを集める方法には、インターネット調査、電話調査、郵送調査、街頭調査、訪問調査があり、目的によって使い分けます。

アンケートの種類には、属性などの基本調査、認知度調査、競合調査、消費者意識調査などがあります。

市場調査の基本!アンケートを使う調査方法

https://manamina.valuesccg.com/articles/628

市場調査には様々な手法がありますが、定量調査でよく使われるのがアンケートです。アンケートにも回収方法が色々あり、違いや使い分けを理解することで目的に合った調査が可能になります。アンケートの主な回収方法にはインターネット調査、電話調査、郵送調査、街頭調査、訪問調査があります。

市場調査にネットリサーチを活用!メリット・デメリットと進め方

https://manamina.valuesccg.com/articles/666

商品・サービスを企画する段階で重要な市場調査ですが、アンケートを行う場合、近年はネットリサーチが有力な手段となっています。大規模なアンケート調査を安価で短期間にできる点がネットリサーチの特徴です。

定性調査の内容

数値や割合で表せる「定量調査」に対して、数値化できない意識や行動を調査する手法として「定性調査」があります。調査方法としておもにインタビューを利用します。

インタビューの手法には、5~6人の対象者を集め、座談会形式で行う「グループインタビュー」とインタビュアーと対象者が1対1で行う「デプスインタビュー」があり、目的に応じて使い分けます。

グループとデプスの使い分けは?市場調査にインタビューを活用する方法

https://manamina.valuesccg.com/articles/629

インタビューは市場調査でよく使われる調査手法です。インタビューは感情や行動など、数値化できない部分を深堀りするのに適した定性調査に分類されます。座談会方式のグループインタビューと、一対一のデプスインタビューがあり、調査の目的によって使い分けます。

Dockpit(ドックピット)を用いて無料で調査する方法も

データ収集のための調査は定量・定性ともに時間、コストともにそれなりにかかってしまいます。まだ具体的に調査内容が固まっていない、これから市場調査、マーケティングに取りかかってみようという場合は、オンラインの分析ツール「Dockpit(ドックピット)」の無料版「Dockpit Free」での調査をおすすめします。

Dockpit Freeでは、「キーワード分析」「競合分析」「業界分析」のメニューが用意されています。定量調査に必要なデータの調査にお役立てください。

市場調査を無料でできる?マーケターのためのリサーチエンジン「Dockpit」の無料版を使ってみた

https://manamina.valuesccg.com/articles/1205

Webサイト改善、SEO対策、コンテンツマーケティング、メディアプランニングなど、デジタルマーケティングに欠かせない市場調査や競合調査、検索キーワード分析。これらが1つのツールで簡単に把握できる「Dockpit(ドックピット)」から、一部機能を無料で使える無料版がリリースされました。無料でどんなことができるのか、マナミナ編集部で早速試してみることに。本稿で詳しくレポートします。

市場調査の重要なポイント

市場調査に限らず、あらゆる調査では目的を明確にし、必要なデータが得られる適切な調査方法を選択することが大事です。

調査方法によって集められるデータの種類・信頼度はもちろん、費用や時間も変わってきます。「事前に立てた仮説が正しいかを確認する」「アウトプットを経営判断に活かす」という視点があれば、定量・定性、どのような調査方法にするかを決めやすくなり、最適なデータ収集が可能になります。

たとえば、近年伸びているネットリサーチには、大量の回答を短期に集められるメリットがあります。デメリットには、ネットを使わない層が対象外となる「代表性」や、謝礼目当てに虚偽回答してくる層を省く必要性などの課題があり、世論調査では代表性の要件を満たす電話調査が使われています。

市場調査の代表的な方法4つとその進め方(アンケート・電話調査・会場調査・インタビュー・ネットリサーチ)

https://manamina.valuesccg.com/articles/605

マーケティング施策立案のため行われる市場調査ですが、代表的な手法としてアンケート調査、電話調査、会場調査、インタビュー調査、ネットリサーチを取り上げます。調査目的や回答数の規模、予算などからどの手法を選択するか決定しますが、本記事ではそれぞれの手法の特徴と進め方について説明します。

マーケティングリサーチの重要なポイント

マーケティングリサーチは商品やサービスについて、現在を起点にして行うものなので、まずは商品やサービスが達成しようとしている目標を明らかにします。ほかには、現状のポジション、目標との差がどれほどかを確認します。

こうしたステップを経て、マーケティングリサーチの目的を決めます。基本的には市場調査と同様、仮説が正しいかを確認するのが目的にはなりますが、これまでにない仮説を得るためにマーケティングリサーチを行う場合もあります。

マーケティングリサーチは、調査手法が多いため、その「目的」をつねに意識するのが有効なリサーチに結びつけるポイントです。

集めたデータを市場調査・マーケティングリサーチに反映させるためには?

各調査でのデータ収集は、市場調査・マーケティングリサーチの第一歩に過ぎません。調査の目的を明確にし、本番であるマーケティングに活かすためには、収集したデータのまとめが必要です。

そのために「報告書」にまとめます。報告書作成にあたっては、以下の調査における「5W2H」を意識します。

Why(目的・ねらい)
What(課題)
Where(どこ・対象範囲)
How(実現手法)
When(実現時期)
Who(実現体制)
How much(必要費用または価格)

その上で、表やグラフを積極的に用い、誰が見ても調査結果が一目瞭然になるようすれば、的確な意思の疎通、スムーズな意思決定につなげられます。

市場調査の「レポート・報告書」の項目や書き方を知る

https://manamina.valuesccg.com/articles/627

市場調査の実施後は、関係者にレポートや報告書で集計結果や分析内容を共有することになります。説得力ある内容にするために、報告のベースとなる市場調査報告書の項目や書き方の注意点、参考となる報告書のサンプルをまとめました。

まとめ

市場調査は“過去”、マーケティングは“未来”と、それぞれ向かうベクトルが異なっているのが両者の違いです。調査の方法は定量調査・定性調査という2つの調査方法を用いるのが一般的です。

どちらの調査方法もコストや時間がかかるので、調査の目的や結果の活用方法をあらかじめきちんと計画しておくことが重要になります。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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