市場調査の「レポート・報告書」の項目や書き方を知る

市場調査の「レポート・報告書」の項目や書き方を知る

市場調査の実施後は、関係者にレポートや報告書で集計結果や分析内容を共有することになります。説得力ある内容にするために、報告のベースとなる市場調査報告書の項目や書き方の注意点、参考となる報告書のサンプルをまとめました。


市場調査とは?マーケティングのどの場面で使う?

報告書の作成法をお伝えする前に、まず基本となる「市場調査とは何か」について触れておきましょう。

マーケティングの専門書によれば、市場調査とは「数字や数値で現在の市場を把握し、マーケティング施策を立てること」と言われています。

「マーケティング施策」を平たく言うと、「数値化されたデータを基に対策を立てる」ということになります。

例えば、マンションの建築を検討している方へ施策を提案する中で、市場調査を行う場合、どのような取り組みをしていけば良いのでしょうか。例として、以下のような項目を調査するでしょう。

◎周辺マーケットリサーチ
◎適正プランの分析
◎賃貸市場の需給動向の把握
◎周辺環境の調査

これらの項目を調査することで、最適な施策を組み立てていきます。

また、「市場調査」と「マーケティングリサーチ」はどちらもマーケティングにおいて重要な取り組みです。

両者はコンセプトが似ており、混同されることもあります。では、混同されがちな「マーケティングリサーチ」との違いはどのような所にあるのでしょう。

1つ目の違いは調査のベクトルです。市場調査が持つ方向性が過去に向いているのに対し、マーケティングリサーチは未来に向いています。

2つ目の違いは、市場調査で得たデータは主に製品開発や新サービスの企画創出のために役立てられますが、マーケティングリサーチの調査結果はすでにある商品やサービスを、どのようなマーケティング施策で売り出すか検討するために役立てられます。

上記の違いからもわかるように、市場調査はデータや数値で現在の市場動向を知るのに対し、マーケティングリサーチでは、未来の市場動向に対しても予測や分析、考察を行うことを意味しているのです。

市場調査報告書(レポート)の項目や書き方

では、市場調査報告書(レポート)の書き方に進みましょう。報告書は単に集めたデータの羅列ではなく、ロジックによってストーリーが組み立てられ、そのストーリーに沿って全体が貫かれている必要があります。また課題に対する解が明快で、全体像を理解しやすい構成が必要です。

◎表紙/もくじ
報告書の資料として「もくじ」は必須です。

◎調査概要
調査概要は、結果解釈のための情報が網羅されるよう記述します。

◎調査結果サマリー
全体像を把握でき、調査課題への答えが明快にわかるように、結果の要約を構造的に整理します。

◎調査結果
報告書全体のストーリーを意識し、各調査項目にグラフ・表とコメントを記述します。

◎資料
調査票、提示資料、インタビューフロー等、調査に使った資料を添付します。

作成された市場調査報告書は企業や個人が課題を解決するために用いられ、「現状把握」「解決案の仮説構築」「解決案の仮説検証」「問題解決(後)」の4つの場面で必要とされます。

また、市場調査報告書は市場調査の目的である、経営の方向性に関する指針になりうるデータの集約であり、今後の戦略を最適化するために活用されます。

市場調査の報告書(レポート)を書く時の注意点

次に、市場調査の報告書を書く時の注意点を見ていきましょう。

◎市場調査5W2Hを押さえる
調査報告書を作成するにあたり、押さえておきたいのが5W2Hです。5W2Hに沿って、シンプルなストーリーで抜け漏れのない7つの論点から思考を整理することで、明快な報告書へと仕上がります。

・Why(目的・ねらい)
・What(課題)
・Where(どこ・対象範囲)
・How(実現手法)
・When(実現時期)
・Who(実現体制)
・How much(必要費用または価格)

◎表やグラフを積極的に用いる
収集したデータを可視化するためには、表やグラフを用います。グラフ化は、一目でデータの傾向をつかむのに有効な手段です。

また表やグラフは、調査結果データを用いて他社にプレゼンを行ったり、説明をする際に、わかりやすさを向上させ説得力を高めるという効果があります。

◎意見ではなく事実を述べる
市場調査報告書は、所見や所感を述べるレポートとは異なります。報告書に記載する事項は、「事実」を報告するようにしましょう。

市場調査の報告書(レポート)のサンプル

◎SNSのインスタとTwitterを使用する2つのユーザー層を、アンケート調査や実際のネット行動ログを基に、わかりやすい市場調査報告書を作成しています。

【2019年版】「インスタ女子とTwitter女子のユーザープロファイリング」レポート

https://manamina.valuesccg.com/articles/420

マナミナを運営する株式会社VALUESのメルマガで、人気No.1の調査レポートを最新版データに更新!普段よく買い物をする場所や、楽天市場・Amazonでの閲覧カテゴリ比較の調査も加えました。(ページ数|24p)

◎安定した人気を集めているゲームアプリPokémon GO(ポケGO)、Fate/Grand Order(FGO)、LINE:ディズニー ツムツム(ツムツム)、パズル&ドラゴンズ(パズドラ)について、アンケート調査とスマホアプリのログデータを用いてユーザー特徴を分析しています。レポートではデモグラフィック属性が図示化されています。

ポケGO、FGO、ツムツム、パズドラ…4大人気ゲームアプリで徹底比較!「ゲームアプリ利用者のユーザープロファイル」レポート

https://manamina.valuesccg.com/articles/543

利用者が多い4大人気ゲームアプリ、ポケGO、FGO、ツムツム、パズドラについて、アンケート調査とスマホアプリのログデータを用いてユーザー像を徹底比較。それぞれのユーザー特徴が明らかになりました。(ページ数|25p)

◎「株式会社ぐるなび」と「キリンビール大学」がビアガーデンをテーマにそれぞれインターネット調査した報告書です。設問の相違からそれぞれの企業が求める市場調査の方向性があらわれています。

2018年 ビアガーデンに関する調査レポート|株式会社ぐるなび

https://corporate.gnavi.co.jp/release/2018/20180427-018521.html

株式会社ぐるなびの「2018年 ビアガーデンに関する調査レポート」をご紹介します。

「キリンビール大学」レポート“夏の風物詩”「ビアガーデン」に関する調査について

https://www.kirin.co.jp/company/news/2018/0425_02.html

キリンビール株式会社(社長 布施孝之)では、インターネット上の仮想大学「キリンビール大学」を運営しています。

◎世界におけるタピオカドリンク産業の現状に関する専門的かつ詳細な調査です。有料のレポートですが、市場状況についての統計情報と、この産業に関心を持つ企業や個人向けに重要な指針となる情報が提供されており、項目立ての参考になります。

◎プロ野球ファンの勢力図や、ファン層がデータを用いてわかりやすく解説されています。概要の書き方の参考になります。

まとめ

市場調査報告書は文字を羅列させるのではなく、表やグラフ等を挿入することで途中で離脱されずに最後まで呼んでもらえるレポートへと仕上がります。独学でイチから調査報告書を書くためには、色々な調査レポートに目を通しておくこともお勧めします。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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