ソニー×電通の強みを結集したフロンテッジのデジタル戦略立案  ~ データ可視化が提案推進の機動力に

ソニー×電通の強みを結集したフロンテッジのデジタル戦略立案 ~ データ可視化が提案推進の機動力に

ソニーのコンテンツ・テクノロジーと電通のマーケティング・コミュニケーション力を融合させ、新しいブランディングプロフェッショナルファームを目指し設立された、株式会社フロンテッジ。同社のソリューションクリエイティブディビジョン・デジタルマーケティンググループにて戦略立案や効果検証に携わる、渡邉 寛文さんに、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のデジタルデータをどのように有効活用しているのか、マナミナ編集部が取材しました。


ソニー×電通の強みを活かして設立。そのミッションとは?

―― まず、御社の事業概要や強みをお聞かせ頂けますか?

渡邉 寛文さん(以下、渡邉 ):株式会社フロンテッジは、クリエイティブエンタテインメントカンパニーであるソニーと、広告代理店である電通の資本からなる、「コミュニケーションエンタテインメントカンパニー」です。
ソニーのコンテンツ・テクノロジーと電通のマーケティング・コミュニケーション力を融合させた、全く新しい「ブランディングプロフェッショナルファーム」を目指して設立されました。

ソニーグループの一員ということでソニー関連の仕事も多くありますが、グループ以外の企業の案件支援も行っています。支援内容は、ブランディング、デジタルマーケティングなど多岐にわたります。

様々な案件を請け負う我々の強みとしては、世界的にも稀有なコングロマリットプレミアム型企業と称され、国内最大規模の事業主企業であるソニーの特性と、国内最大の広告代理店であり、インテグレートグロースパートナーとして進化を続けている電通の特徴も生かした、独自のソリューションを提供できるという点でしょうか。

具体的には、ソニーの持つ事業主視点での戦略立案、プランニング、コンサルティングといったものから、電通の持つアセットなどのリソースを活用しながらコミュニケーションを定着させるといったソリューションの提供により、多くのお客様からコミュニケーションパートナーとして高く評価頂いていると感じています。

株式会社フロンテッジ 渡邉 寛文(わたなべ・ひろふみ)さん
ソリューションクリエイティブディビジョン デジタルマーケティンググループ デジタルストラテジスト
デジタルマーケティングをソリューションの中核に置いた組織で、デジタル起点での戦略立案や効果検証プランニングなどを担当。

ディレクトリ分析も可能な「Dockpit」に期待値が上昇

―― デジタルマーケティングの戦略立案に、Web行動ログツール「Dockpit」を活用しているとのこと。「Dockpit」導入の背景を教えてください。

渡邉 :導入の決め手は「きめ細やかさ」と「キーワード分析」の2点です。

実は、以前はVALUESさんにとって競合となる分析ツールを導入していました。フロンテッジは、多くのナショナルクライアント様とお取引頂いています。そのナショナルクライアント様自身や競合企業のオウンドメディアは、ドメイン自体は企業単位で持っているが、手がけているブランドはディレクトリ単位で管理されているというケースが相当数存在します。

そのようなケースにおいては、ディレクトリ毎の分析が必要ですが、以前のツールだとドメイン単位での分析により大元のデータしか拾えず、ブランドごとの分析など、よりきめ細やかに競合分析をするうえで課題を抱えていました。

また、フロンテッジはブランディングファームという特性上、クリエイターが多数在籍しており、フロンテッジのソリューションの質を高めていくためには、クリエイティブプランニングの提案プロセスにおけるデータ活用は不可欠で、データに基づいたインサイト分析や、ユーザーニーズの発掘は強化していくべき領域です。その点、検索ワードから潜在ニーズを確認できる「キーワード分析」は、サイト流入後の限られた顕在ニーズからインサイトを逆算するのではなく、サイト流入前の膨大な潜在ニーズからインサイトを発掘することができ、よりクリエイティビティが発揮できるプランニングプロセスだと捉えております。「Dockpit」は、ディレクトリ単位での分析も可能ですし、キーワード分析では潜在顧客のユーザーニーズも探索できます。我々が考えるインサイト分析にも活用出来ると判断し、本格導入に至りました。

―― 「Dockpit」について、第一印象はどのようなものだったのでしょうか?

渡邉 :私は前職で「Dockpit」と同じくVALUESさんが提供する「eMark+」を利用していたのですが、全てのツールをフルに活用していたわけではありませんでした。ただ、競合分析に加えて、キーワード分析が出来るのがとても良かったと記憶しています。

フロンテッジに来てからご紹介を受けたのが「Dockpit」です。その無料版を見た印象は、まず、どのデータもとても見やすくなっていたということ。そして、先にもお話しした通り、ディレクトリ分析が可能だったり、さらにキーワード分析にも長けているといった機能的にも進化している点に期待値も上がりました。スクロールすれば簡単にサマリが掴めるというUIも、非常に使いやすくて良いと思いました。

Dockpitの「キーワードサマリー」のダッシュボードイメージ。検索ユーザー数の推移をはじめ、検索者の性別・年代・居住地域などの属性、検索キーワード、掛け合わせワード、関心ワード、類似ワード、季節比較、流入サイト、流入ページなどが一画面で手早く確認できる。

「データで可視化できる説得力」が提案の強みになる

―― 現在どのように「Dockpit」を利用されているのでしょうか?

渡邉 :大手食品会社さんの案件で、女性向け健康食品の競合提案の機会を頂き、トライアルで「Dockpit」を活用した時の事例をお話しします。

課題は「ある健康食品の購買離脱層の再獲得」を目標にした案件でした。
ターゲットは40代女性。その人たちの興味関心を「Dockpit」を用いて調査したものを
メディアプランニングに活用しました。

主に利用したのは、直近2ヶ月間の当該商品利用者の閲覧メディア分析です。ターゲットユーザーがどういうメディアを見ているのかを分析したところ、当該商品は健康食品であるにもかかわらず、健康系サイトではなく、美容系サイトが多数閲覧されていることが分かりました。

また、当該商品の購入・検索をしているユーザーが、他にどんなキーワード検索をしているかという掛け合わせ検索の分析を試みたところ、ある美容系商品が浮上しました。

そこで、その美容系商品の購買データを別途収集し、浮き彫りとなったユーザー層も潜在顧客層として取り込み、新規顧客獲得最大化といった案を提示しました。

このデジタルマーケティングの部分はクライアントからもかなり好評を頂き、次の商談にもつながりました。

―― 「Dockpit」を導入し、今までと大きく変わったところはありますか?

渡邉「こういうことに興味があるのではないか?」という予測の話に、より説得力が増したことでしょうか。

例えば、具体的に検索している人数のボリュームまで見えるのは、データとして大きな裏付けとなります。これにより、自信を持って根拠のある提示が出来るようになったのは大きいです。

また、データで示せる資料も増え、そういったデータで可視化できる説得力を持っていることも提案の大きな強みとなり、案件を前に進める機動力になると思います。

―― 実際に利用されてみて、「Dockpit」の機能やサポートはいかがでしょうか。

渡邉:ワークショップを開催して貰い、他の社員にも機能などについて説明いただきましたが、「Dockpit」の「Amazonからの流入詳細が見られる機能はとても良いね」という言葉を多く耳にしました。また、サポートに関しても、過去に提供を受けていた企業と比べると手厚いと感じています。ツールの使い方、データの見方などの勉強会的なものが定期的にあると、活用再活性化につながる機会にもなるので嬉しいです。

ツールのアップデートも約3ヶ月に1度あるというのは多い方だと思いますね。またレベル感としても、「かゆいところに手が届く」的な機能拡充が毎回実施されていると感じています。

フロンテッジ流、社内データ活用の推進策とは?

―― 社内でデータ分析の活用はどのように推進されていますか?

渡邉:私たちに限らず、今、広告業界はまさに過渡期であり、業界全体がDXを模索しています。当社についても、DXは大きな課題であり、様々な取り組みをはじめています。データ活用における具体例でいうと、全社的には営業を含めた全メンバーが使えるデータ分析ツールの導入にトライしたり、デジタルマーケティンググループにおいては、データ分析に精通しているメンバーを中心に、月に数回の情報共有会でデータ分析におけるTipsや相談会などを開催し、データ活用の推進を図っています

データを集めるための創意工夫が重要

―― 最後に、今後のデータ活用展望をお聞かせください。

渡邉 : データの活用については、事業主・支援会社の各社が最適解を模索しています。データ自体にも色々な法規制が進んでいることで、これまで活用してきたサードパーティデータの価値や利用法が苦しくなってきているのも事実で、ゼロパーティーデータを含めたファーストパーティデータの重要性がより高まっていく現実があると思います。

そういった重要かつ良質なデータを集積するには、「いかに積極的にユーザーがデータを預けたくなるような仕組みを作れるか」ということが重要視されていくのではないでしょうか。

私個人は、「何か体験をさせることで、データを集めやすくなったりしないか」などと考えたりもするのですが、要はユーザーが「このデータを預けるとどんな良いことがあるのか」と考える場面、そこには独自の企画力だったりクリエイティビティが必要だと思うのです。

闇雲にデータを集めて、エグゼキューションのため、ターゲティングのためにどう活用するかという話ではなく、今後はデータを集積するための創意工夫の重要性が増していくと思っています。その場面においても、当社が得意としているクリエイティビティやブランディング戦略などを積極的に組み込み、データマーケティングにおけるマネジメントを図っていくことができれば理想的ではないかと考えています。

そして最終的には、しっかりと法規制に則った上で、どうデータを使うのかを的確に模索しつつ、プランニングという面では、我々が得意としているクリエイティビティでユーザーの心を動かしていきたいと思っています。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました!

取材協力:株式会社フロンテッジ

取材協力:株式会社フロンテッジ
https://www.frontage.jp/

参考|「Dockpit」で出来ること

Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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この記事のライター

マナミナ 編集部 編集兼ライター。
金融・通信・メディア業界を経て現職。
趣味は食と旅行。

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