2017年観光関連サイト閲覧者数ランキング

2017年観光関連サイト閲覧者数ランキング

観光情報にもデバイスシフトの波。コンテンツ力とSNS活用が鍵。


公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:山口 範雄)は、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)と協同で、2017年の観光関連WEBサイトの年間閲覧者数を調査しました。

分析概要

ネット行動ログとユーザー属性情報を用いた分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのWEBサイトおよび各都道府県公式観光情報サイトについて2017年の年間閲覧者数を集計。さらに「観光」を含む検索からの流入人数をサイトごとに集計し、2016年との比較分析を行った。

※ ランキング表内の「カテゴリ」「サブカテゴリ」はヴァリューズが独自に定義。
※ サイト閲覧者数や検索者数はPCおよびスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズが保有するモニタ内での出現率を基に、国内ネット人口に則して20歳以上の動向を推測。

考察サマリ

◆上位サイトはスマートフォンからの閲覧が増加。デバイス間の使い分けも。
◆都道府県公式観光情報サイトではコンテンツ力、SNS活用が閲覧者数の差に。
◆「観光」検索流入者数1位のサイトは“トリップアドバイザー”。前年比68%増。

上位サイトはスマートフォンからの閲覧が増加。デバイス間の使い分けも。

ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのサイトにおいて、2017年の1年間に閲覧した人数を集計したところ[図1] [図2]、PCの上位サイトは前年と比べ閲覧者数の減少しているサイトが多く、スマートフォンの上位サイトは増加しているサイトが多い様子が見られました。観光分野におけるネット行動のデバイスシフトが進んだ結果と考えられます。その中でも“トリップアドバイザー”“Booking.com”“エクスペディア”等の海外発サイトはPCからの閲覧者数も軒並み増加していました。サービスとして国内に浸透してきている様子がうかがえます。

スマートフォンの上位サイトを見ると、PCと比較して“RETRIP”“いこーよ”“icotto”等の予約機能を持たない情報サイトが上位にランクインしており、PCでは予約、スマートフォンでは現地の情報収集と、デバイス間の利用目的の違いもうかがえる結果となりました。

都道府県公式観光情報サイトではコンテンツ力、SNS活用が閲覧者数の差に。

続いて、都道府県公式観光情報サイトの中で閲覧者数を集計したところ[図3] [図4]、PCでは東京都の“GO TOKYO”、大阪府の“OSAKA-INFO”、山梨県の“富士の国やまなし観光ネット”の順に、スマートフォンでは東京都の“GO TOKYO”、茨城県の“観光いばらき”、三重県の“観光三重”の順に多くなっていました。日々のイベント情報や各所の観光スポットなど豊富なコンテンツを揃える“GO TOKYO”が、PC、スマートフォンともに安定して多くの閲覧者を集めている様子がうかがえます。
また、PCで2位、スマートフォンで4位となった“OSAKA-INFO”は、PC、スマートフォンともに閲覧者数が前年よりも増加していました。“OSAKA-INFO”では、3大SNSとも言われているTwitter、Facebook、Instagramの公式アカウントとWEBサイトの導線を確保しつつ多くの投稿をしており、SNS戦略の成功が閲覧者数の増加に繋がっていると考えられます。

「観光」検索流入者数1位のサイトは“トリップアドバイザー”。前年比68%増。

さらに、観光に関する検索から流入者が多かったサイトをランキングにしました[図5]。旅行、観光情報を扱うメディアサイトが上位を占める中、最も流入者数の多かったサイトは“トリップアドバイザー”、僅差の2位が“宿・ホテル予約 じゃらんnet”となりました。両サイトとも口コミ情報を基にした人気スポットランキングページを地域別に揃えており、観光客のニーズに合ったコンテンツを用意していることが閲覧者数の増加に繋がったと考えられます。

一方、ジャンルを問わず情報が集まっている“NAVERまとめ”や“Yahoo! 知恵袋”への「観光」検索流入者数は減少していました。旅行、観光情報の専門メディアが、観光に関する情報ニーズをより網羅的に捉えられるようになったことを示す一つの指標といえるかもしれません。

この記事のライター

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