注目の『体験』を予約できる主要3サイトを調査

注目の『体験』を予約できる主要3サイトを調査

旅行も「モノ消費」より「コト消費」に変化


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、「『体験』好きユーザーの行動」について調査・分析しました。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、サイト訪問者数および属性を分析。

※調査対象サイトは2018年10月の「旅行・交通」カテゴリーの訪問者数ランキングを作成し、その中から旅行先でのアクティビティ、オプショナルツアーが予約できるユーザー数上位3サイトを抽出。
・VELTRA:https://www.veltra.com/jp/
・asoview!:https://www.asoview.com/
(国内レジャー専門)
・そとあそび:https://sotoasobi.net/
(国内レジャー専門)

※サイトカテゴリーはヴァリューズが独自に定義
※サイト訪問者数は、PCおよびスマートフォンのアクセスを集計し、VALUES保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して20歳以上の動向を推計

考察サマリ

PCでは「VELTRA」、スマートフォンでは「asoview!」が人気

昨今、ミレニアル世代を中心に、商品やサービスの「所有」ではなく「体験」を重視する「モノ消費からコト消費」がトレンドとなっています。旅行についても、観光地をただ観て回るだけでなく、現地の生活の体験や、土地特有のアクティビティへの参加といった体験型ツアーが注目を集めています。そこで、旅行先でのアクティビティを検討する消費者について、主要サイトの分析からその特徴に迫ります。

まずは「eMark+」Site Analyzerを用いて旅行先でアクティビティを予約できる3つのサイトの訪問者数を、2017年11月~2018年10月の期間で比較しました【図1】。

訪問者数の推移は全体として右肩上がりとなっていることがわかります。アクティビティ予約サイト市場は、直近1年間で順調に成長したと言えるでしょう。
その中でも「VELTRA(ベルトラ)」と「asoview!」が2強の状況となっています。

次にPCとスマートフォンでの訪問者数推移をそれぞれ比較しました【図2】【図3】。PCでは「VELTRA(ベルトラ)」の訪問者数が最も多く、「asoview!」、「そとあそび」についても右肩上がりで訪問者数を伸ばしていることがわかります。

一方で、スマートフォンでは「asoview!」の訪問者数が最多。また、「そとあそび」もスマートフォンでは「VELTRA」に迫り、2018年5月と8月の長期休暇期間の訪問者数は「VELTRA」を上回りました【図3】。

「VELTRA」はシニア層、「asoview!」はファミリー層から支持されている

続いて、各サイトの訪問者の属性を比較してみました。まず性別で見てみると、「VELTRA」は女性比率が、「そとあそび」は男性比率がやや高く、「asoview!」はほぼ半数となっています【図4】。

年代別では、「asoview!」と「そとあそび」が20代・30代が半数以上を占め若年層に支持されていることがわかりました。一方で「VELTRA」は、50代・60代が全体の約3割、特に60代の割合が「asoview!」「そとあそび」の約2倍という結果となっていました【図5】。

未既婚については、すべてのサイトで既婚が未婚を上回りました【図6】。また、子供有りと回答した人の割合は「asoview!」が最も多いという結果になりました【図7】。

これらの結果から、「VELTRA」はシニア層、「asoview!」は子供のいるファミリー層のユーザーが特徴的に利用していると考えられます。

「VELTRA」は海外オプショナルツアー、「asoview!」は国内レジャー施設、「そとあそび」は観光スポット探し

最後に、各サイトで閲覧者数の多い、人気コンテンツを分析しました。
※トップページ、予約画面、マイページ、ヘルプページなど、アクティビティや観光地情報以外のページを除外して集計。

<VELTRA>
「VELTRA」では、海外旅行のオプショナルツアーがメインとなっており、1位は『オアフ島』、2位は『台湾』、3位は『台北』となっていました。唯一の国内旅行は沖縄で『沖縄現地オプショナルツアー』が5位にランクインしています【図8】。

<asoview!>
「asoview!」では、1位の『サンシャイン水族館』を始め、国内の水族館、動物園が多数ランクインしていました。アクティビティを比較して探すというよりは、行きたいレジャー施設の情報を得る、割引チケットを探すという使い方が多いようです【図9】。

<そとあそび>
「そとあそび」では、秩父、飛騨高山、関東の日帰り旅行など、東日本の観光スポットが多くランクインしていました。「asoview!」ではレジャー施設がピンポイントで検索されているのに比べ、「そとあそび」はエリアの観光スポットが検索されていることが特徴的でした【図10】。

このように、「eMark+」用いて、サイト訪問者の属性を比較したり、人気コンテンツをランキング形式で見ることで、各サイトの特徴が浮かび上がってきます。「VELTRA」はシニア層ユーザーが海外旅行を検討する際、オプショナルツアーを探すために利用、「asoview!」は、ファミリーが子供と一緒に楽しめるレジャー施設情報を探す際に閲覧、そして「そとあそび」は20~30代の割合が比較的高く、国内観光スポットへ旅行する際に使用していることがわかりました。

本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。無料版もございますのでぜひお試しください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

コロナ禍を経て活況が戻った観光業において、データドリブンの施策を展開する広島県観光連盟(HIT)。本稿では「圧倒的な顧客志向」を掲げるHITでの、VALUESのデータ分析伴走支援サービスを通じたチャレンジに迫ります。


ニューツーリズム ~ 光と影

ニューツーリズム ~ 光と影

コロナ禍を経て落ち着きを取り戻しつつある今、世界中の人々が世界各国へ向けて足を運び出しました。その受け入れ先として日本も数多くの人々に選ばれています。特に昨今の円安が後押ししているのは皆さんもご存知の通りでしょう。しかし、復活しつつあるインバウンド景気に両手をあげて喜んでいるだけでは済まない事情も存在しています。その一つにオーバーツーリズムという問題が挙げられます。本稿では、「ニューツーリズム」というキーワードを元に、今、旅行業界を取り巻く光と影の部分について、株式会社創造開発研究所所長を務める渡部数俊氏が解説します。


「Gut Health」「タトゥーツーリズム」など...海外トレンドに見るビジネスの種(2023年10月)

「Gut Health」「タトゥーツーリズム」など...海外トレンドに見るビジネスの種(2023年10月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、アメリカ出身の著者が、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、新しいウェルネストレンド「Gut Health」や、旅行先でタトゥーを入れる「タトゥーツーリズム」、日本でも徐々に広がりを見せている「ジェンダーレスファッション」に注目しました。


2023年夏の旅行トレンド調査。旅行者層別に価値観を分析|ホワイトペーパー

2023年夏の旅行トレンド調査。旅行者層別に価値観を分析|ホワイトペーパー

新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受けた旅行業界ですが、コロナ禍の終息に伴って少しずつ回復の兆しを見せています。そして2023年3月15日にはマスク着用が任意となり、いよいよコロナ以前の状態に戻ることが期待される夏を迎えました。そんな2023年夏の旅行にはどのようなトレンドがあるのか、2万人以上へのアンケートとWEB行動ログデータを基に分析しました。(ページ数|21ページ)


How to solve the labor shortage in agriculture? Focusing on “casual experiences” and “potential needs in urban areas”

How to solve the labor shortage in agriculture? Focusing on “casual experiences” and “potential needs in urban areas”

Labor shortage in agriculture is a big issue today. Agriculture is vital to achieving the SDGs. Its weakening can result in an unstable food supply and economic decline in rural areas. Using online behavioral data, we will analyze the segment with potential interest in agriculture and ways to solve the labor shortage.


最新の投稿


Z世代就活生の約7割が出社中心の働き方を希望!ある程度拘束されても手取り足取り教えてほしい【電通調査】

Z世代就活生の約7割が出社中心の働き方を希望!ある程度拘束されても手取り足取り教えてほしい【電通調査】

株式会社電通は、2024年卒または2025年卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象に、就職活動に関する意識調査「Z世代就活生 まるわかり調査2024」を実施し、調査結果を公開しました。


データ分析のヴァリューズが「競合分析ガイドブック」を公開 ~ 商品企画からプロモーションまで、知っておきたい 6つのフレームワーク・8つの事例・19の分析ツールを徹底解説 ~

データ分析のヴァリューズが「競合分析ガイドブック」を公開 ~ 商品企画からプロモーションまで、知っておきたい 6つのフレームワーク・8つの事例・19の分析ツールを徹底解説 ~

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、運営するデータマーケティング・メディア「マナミナ」にて公開した記事から厳選し、知っておきたい6つのマーケティング・フレームワーク、8つの事例、19の分析ツールを収録した「競合分析ガイドブック」を公開しました。


交渉学を深める ~ 英知ある交渉とは

交渉学を深める ~ 英知ある交渉とは

さまざまなビジネスシーンで見られる「交渉」。よりスマートにお互いの利益を引き出す交渉を行うにはどのような知識とスキルが必要となるのでしょうか。また、現在持ち合わせているあなたの「交渉能力」をアップデートするためには、どのような「交渉術」を備えるべきなのでしょうか。本稿では広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長を務めている渡部数俊氏が「交渉」概念の基礎から、さらに深い「交渉学」の世界まで解説します。


悩みを抱えた人の語りからこころと社会を学ぶ「夜の航海物語」のススメ〜現代社会とメンタルヘルス〜

悩みを抱えた人の語りからこころと社会を学ぶ「夜の航海物語」のススメ〜現代社会とメンタルヘルス〜

「カウンセリング」と聞いて、どんな印象を持ちますか?専門家とともに自分のこころを見つめる経験は、その後の人生の糧にもなります。臨床心理士の東畑開人氏の著書「なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない」(新潮社)は、気付かないうちにあなたも染まっているかもしれない、孤独に陥りがちな現代社会の価値観に気づかせてくれます。「読むセラピー」と称された、カウンセラーとクライアント(依頼者)の夜の航海物語を、精神保健福祉士の森本康平氏が解説します。


Twilio、「顧客エンゲージメント最新動向」を発表 データ使用状況の開示と高い透明性の重要性を明らかに

Twilio、「顧客エンゲージメント最新動向」を発表 データ使用状況の開示と高い透明性の重要性を明らかに

Twilio Japan合同会社は、「顧客エンゲージメント最新動向」の日本語版を発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ