YouTubeのフィードにも配信可能!Googleファインド広告の特徴や注意点、設定方法を解説

YouTubeのフィードにも配信可能!Googleファインド広告の特徴や注意点、設定方法を解説

Google広告では、新しい商品やサービスの情報にユーザーが関心を示しやすいタイミングでアプローチができるメニュー、「ファインドキャンペーン」が導入されています。Googleの調査によると85%の人は気になる商品を見つけたら24時間以内に価格を比較したり商品を購入するなどの行動を取るそう。2020年4月に全世界で利用可能になり、YouTubeフィードにも配信できるファインドキャンペーンについて、改めて解説していきます。


こんにちは。データマーケティングの会社・ヴァリューズのデータプロモーション局でコンサルタントを務めている利根川と申します。前職ではWeb広告代理店に勤めており、教育業界や女性向け商材を中心に広告の運用やマーケティングに携わっていました。ヴァリューズでもプロモーションの提案や運用、新人教育を中心に担当しています。

今回は、Google広告のメニュー、ファインドキャンペーンについて紹介していきます。

株式会社ヴァリューズ
マーケティングコンサルタント
利根川唯

Web広告代理店出身。大手教育業界クライアント様をはじめ、美容業界クライアント様を中心に主に女性をターゲットとする様々な業界で経験を積む。業界特性に合わせた運用型メディア全般のプランニング/実行を得意とする。

【関連記事】検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告のフォーマットや配信手法を詳しく解説!現場担当者が語るデジタル広告の基礎

https://manamina.valuesccg.com/articles/1736

インターネット広告の中でも特に市場が大きい3つの広告である、検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告について、フォーマットや主要な媒体、配信手法などをヴァリューズのマーケティングコンサルタント・利根川さんが解説します。デジタル広告の基本について現場の担当者目線で分かりやすく学びたい方、必見です。

Google広告のファインドキャンペーンとは

ファインドキャンペーンとは、Google広告のキャンペーンの種類のひとつです。YouTubeホームやおすすめフィード、Discover、GmailといったGoogleサービス上に広告を出稿することが可能で、これらのサービスを活用する最大29億人のユーザーにリーチできます。

ファインド広告の配信面の例(左からYouTube、Discover、Gmail)

特に、Discover面への広告出稿はファインドキャンペーンでのみ可能なため、貴重な配信手法となります。

DiscoverはGoogleアプリのホーム画面やChromeのホーム画面に、ログインしているアカウントのアクティビティに基づいたユーザーの興味関心に関連するコンテンツが表示されるというもの。より自分好みのコンテンツを表示できるよう、トピックのフォローや解除などの機能もあり、検索をしなくとも興味関心がある情報収集ができるようカスタマイズすることが可能です。

ファインドキャンペーンの特徴

次に、Google広告のファインドキャンペーンの特徴について解説します。主に次の3つが挙げられます。

1.Googleのユーザー情報に対してターゲティングが可能

ユーザーの意向を把握し、より関連性の高いターゲティングが可能なため、Cookie規制の影響を受けにくく、人に対する精度の高いターゲティングができます。

2.入札設定は自動入札のみ

他のキャンペーンとは異なり、コンバージョンに基づいた入札設定(コンバージョン数の最大化、コンバージョン単価、目標広告費用対効果)のみ選択できます。また、オーディエンスについては最適化されたターゲティングも使用可能です。

3.ユーザー体験を損ないにくいネイティブ広告

ファインド広告はユーザーが情報収集をしている間に表示されるため、ユーザー体験を損なわないネイティブ広告のフォーマットで表示されます。広告レイアウトについては画像とテキストを登録しておくだけで機械学習に基づいてアセットが構成されるようになっています。また、カルーセル広告(1つの広告に対し複数の画像を横並びに表示できる広告フォーマット)も使用可能です。

【関連記事】ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた

https://manamina.valuesccg.com/articles/1053

日本国内においての検索エンジンと言えば、GoogleとYahoo!。さらに、この2トップで国内の検索エンジンシェアの9割を超えているとも言われています。普段の検索にGoogleをよく使う人とYahoo!をよく使う人、特徴の違いはあるのでしょうか?今回はGoogleとYahoo!の検索ユーザーについて調査を行い、分析しました。

ファインドキャンペーンの注意点

メリットの多いファインドキャンペーンですが、注意点もあります。キャンペーン設定で設定できない項目があることです。上記の「ファインドキャンペーンの特徴」の箇所で、入札設定は自動入札のみという点について触れましたが、その他にも設定できない項目が複数あります。

たとえば、配信面の設定やフリークエンシーの設定などはできません。通常のキャンペーンとは異なる点が複数あるので配信設計の際には注意してください。

以下の項目は設定できないものとなります。

ファインドキャンペーンで設定できない項目

  1. 個別単価設定を使った入札戦略
  2. 配信方法
  3. モバイル デバイス ターゲティング
  4. プレースメント ターゲティング(プレースメントの除外を含む)
  5. フリークエンシー キャップ
  6. 広告のローテーション
  7. コンテンツ ターゲット

ファインドキャンペーンの設定方法

ここでは、実際のファインドキャンペーンの設定方法を図解します。

まず、キャンペーン設定の左側の+ボタンから新しいキャンペーンを作成を選択し、マーケティングの目標として、[販売促進]、[見込み顧客の獲得]、[ウェブサイトのトラフィック]、[目標を設定していない] のいずれかを選択します。

次に、ファインド広告を選択します。

その後は他のキャンペーン同様、キャンペーン・広告グループの設定を行います。

ファインドキャンペーンの入稿アセット

以下に、ファインド広告の入稿アセットを簡単にまとめました。準備する際の参考にしてみてください。
※必須のものには★マークをつけています。

①画像が1つのみの広告の場合

  1. 広告見出し:最大半角40文字★
  2. 説明文:最大半角90文字★
  3. お店やサービスの名前:最大半角25文字★
  4. 画像 横向きの画像:1.91:1(1200x628ピクセル)★ スクエア画像:1:1(1200x1200ピクセル)★ 横向きの画像:4:5(960x1200ピクセル) スクエアロゴ:1:1(1200x1200ピクセル)★
  5. 最終ページURL★
  6. 行動を促すフレーズのテキスト

②複数の画像を仕様するカルーセル広告の場合

  1. 広告見出し:最大半角40文字★
  2. 説明文:最大半角90文字★
  3. お店やサービスの名前:最大半角25文字★
  4. 画像(※アスペクト比はカード全体で統一) 横向きの画像:1.91:1(1200x628ピクセル)★ スクエア画像:1:1(1200x1200ピクセル)★ スクエアロゴ:1:1(1200x1200ピクセル)★
  5. 最終ページURL★
  6. モバイルURL
  7. 行動を促すフレーズのテキスト

詳細:https://support.google.com/google-ads/answer/9176942

まとめ

最大29億人のユーザーにリーチが可能なファインド広告について紹介しました。Googleの独自シグナルを使ったターゲティングなど、今後cookie規制が進む中では注目の広告キャンペーンとなるのではないでしょうか。クリエイティブについてもディスプレイ広告を実施している場合、展開しやすい構成となっているため、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

【関連記事】インターネット広告の5つの種類と市場規模を解説!現場担当者が語るデジタル広告の基礎

https://manamina.valuesccg.com/articles/1645

インターネット広告の市場規模や5つの種類、3つの取引手法について、ヴァリューズのマーケティングコンサルタント・利根川さんが解説します。現場の担当者の目線から語る、初学者にとっても分かりやすい内容。基本を学びたい方は必見です。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

前職ではWeb広告代理店に勤めており、教育業界や女性向け商材を中心に広告の運用やマーケティングに携わっていました。業界特性に合わせた運用型メディア全般のプランニング/実行を得意としています。ヴァリューズでもプロモーションの提案や運用、新人教育を中心に担当しています。

関連する投稿


新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

新時代のフランス発SNS「BeReal(ビーリアル)」MAUは過去1年で4倍に。広告にも期待感高まる

リリースされてから、Z世代を中心に強い支持を集めている「BeReal(ビーリアル)」。2023年初頭から人気を集め始めていますが、いまだにその人気は衰えていません。2024年7月には、日本で広告事業を本格化しはじめたことが大きな話題になりました。今回は、BeRealの最新動向をデータを用いて分析するとともに、広告ビジネスの可能性を調査していきます。


【事例あり】リテールメディアとは?メリットや注目される理由を紹介

【事例あり】リテールメディアとは?メリットや注目される理由を紹介

リテールメディアとは、販売データや顧客データを元に広告を配信する仕組みのことです。特にアメリカをはじめとする海外市場では、WalmartやAmazonなどの大手小売業者がリテールメディアの活用により成功を収めており、日本でもその波が広がりつつあります。 そんなリテールメディアですが、「リテールメディアが何を指しているかがわからない」「どのようなメリットがあるかわからない」といった声も多く聞かれます。 そこでこの記事では、リテールメディアの基本的な内容から、市場規模や事例までをわかりやすく解説します。


TDとは?リスティング広告の成果を高める作成方法を徹底解説

TDとは?リスティング広告の成果を高める作成方法を徹底解説

Web広告におけるタイトルと説明文を意味するTD(Title and Description)。文章次第でユーザーが広告をクリックするかどうかが決まるため、TDは広告の成果に直結する重要な要素です。 この記事では、TDの意味や目的、作成方法などについて詳しく解説します。TDを作成する際に注意するべきことや広告の成果を高めるためのポイントも紹介するので、広告運用の参考にしていただければ幸いです。


Web広告に注力する地銀は?再編が進む地方銀行のマーケティング事例を解説

Web広告に注力する地銀は?再編が進む地方銀行のマーケティング事例を解説

現在再編が進み「1県1グループ」になりつつある地方銀行(以下、地銀)。コロナ禍においては、対面での営業が難しい時期が長く続きました。そのため今後の地銀の活性化に向けては、デジタルマーケティングの施策が必要となっています。 今回は地方銀行のうち、2022年の1年間でアクセス数首位であったスルガ銀行、福岡銀行、横浜銀行、千葉銀行、埼玉りそな銀行について調査し、地銀が採るべきデジタルマーケティングのヒントを探りました。


ソーシャルメディアではできない顧客体験を。Pinterest 広告の魅力に迫る

ソーシャルメディアではできない顧客体験を。Pinterest 広告の魅力に迫る

アイデアを画像や動画で発見・保存・整理できる「Pinterest(ピンタレスト)」。“ビジュアル探索プラットフォーム”として、SNSとは異なる独自ポジションを築き、全世界で毎月4億人超のオーディエンスが利用しているといいます。そんなPinterest は2022年6月に日本国内でも広告事業を開始し、広告出稿先としても注目を集めています。マナミナ編集部では、Pinterest ユーザーの購買やアクションとの関係性を行動ログデータから独自調査。広告プラットフォームとしてのポテンシャルを探るとともに、Pinterest Japan ビジネスマーケティングリードの石井恵子さんに、今後のPinterestアドの展望についてもお話を聞きました。


最新の投稿


年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

もうすぐ年末年始。時間のあるこのタイミングで、VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを利用してコンテンツを一気見しよう、という方も多いのではないでしょうか。今回は、「Prime Video」「Netflix」「U-NEXT」「Hulu」「Disney+」それぞれについて、ここ数年の年末年始の集客状況を調査。実際に年末年始に利用者が増えているのか、各サービスでどんなコンテンツに注目が集まっているのかを分析し、来たる2024年の年末年始を占いました。


映像・書籍・音楽・ゲーム・ラジオ横断でリーチ力、2024年のTOP3は「ポケモン」「ツムツム」「ONE PIECE」【GEM Partners調査】

映像・書籍・音楽・ゲーム・ラジオ横断でリーチ力、2024年のTOP3は「ポケモン」「ツムツム」「ONE PIECE」【GEM Partners調査】

GEM Partners株式会社は、メディアを横断してエンタメブランドの真のリーチを比較・評価することを目指した指標(リーチpt)をもとに、「映像」「マンガ」「書籍」「家庭用ゲーム」「アプリゲーム」「音楽(アーティスト)」「ラジオ・ポッドキャスト番組」の7メディア横断の年間ランキングを発表しました。


WebマーケティングとIT業務における"よくある失敗"はDB更新エラーが最多!失敗を防ぐために必要だと感じるスキルとは?【Hagakure調査】

WebマーケティングとIT業務における"よくある失敗"はDB更新エラーが最多!失敗を防ぐために必要だと感じるスキルとは?【Hagakure調査】

株式会社Hagakureは、同社が運営するWebマーケティングスクール「デジプロ」にて、業務上のミスを防ぐためのリスキリングに関する調査を実施し、結果を公開しました。本調査は、300名を対象に、WebマーケティングやIT業務でよくある失敗と、その失敗を防ぐために必要だと感じるスキルについて調査したものです。


話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

日々の疲れを癒し健康的な生活へと回復させるためのサポートとして、医薬品やサプリ、健康食品など、巷にはさまざまな情報が溢れています。中でも最近よく見聞きするのが「リカバリーウェア」。着るだけで疲労感などが軽減されると謳う救世主的な商品ですが、一体どのような物で、どのような人たちの関心を掴んでいるのか、データを用いて検証します。


Adjust、年末年始のアプリトレンドの予測とアプリを成長させるためのキャンペーンの作り方を発表

Adjust、年末年始のアプリトレンドの予測とアプリを成長させるためのキャンペーンの作り方を発表

Adjustは、昨年度のクリスマス後から1月下旬にかけての期間(第5四半期)を振り返り、本年度のポストクリスマスシーズンに向けてのトレンドを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ