若年層は「Google」、高年層は「Yahoo!」をよく利用している
まずは、性年代を比較してみましょう。性別では、Googleでよく検索する人(以下、Googleユーザー)の方が男性割合が高く、Yahoo!でよく検索する人(以下、Yahoo!ユーザー)は男女ほぼ同じ割合となっていました。
年代別では、Googleユーザーは20代~30代の男性割合が高く、特に20代の男性はYahoo!ユーザーよりも6.1ポイントも高い結果となっていました。これに対してYahoo!ユーザーは50代以上の男性割合が高く、特に60代以上の男性はGoogleユーザーに比べて10.4ポイントも高いことがわかりました。一方で女性も男性と概ね同じ傾向にありましたが、40代女性ではYahoo!ユーザーがGoogleユーザーよりも4.6ポイント高くなっていました。
若年層は「Google」、高年層は「Yahoo!」という構図となっていることが読み取れます。また、Yahoo!ユーザーの20代は男女ともに極端に割合が低いことも特徴的でした。
検索サイト「Google」と「Yahoo!」の利用割合:性年代別
会社勤務は「Google」、専業主婦は「Yahoo!」と職業で異なる結果に
次は職業を比較してみましょう。Googleユーザーは『会社勤務』や『フリーランス・SOHO』の割合がYahoo!ユーザーよりも高く、一方、Yahoo!ユーザーは『専業主婦(主夫)』、『無色・定年退職・家事手伝い』の割合が高い結果となりました。
仕事上で情報収集が多い『会社勤務』や『フリーランス・SOHO』は検索結果がシンプルで余計な情報が少ない「Google」を好み、すきま時間を有効活用できる『主婦』や『無職・定年退職・家事手伝い』は「Yahoo!ニュース」や「Yahoo!ショッピング」などの関連サービスが充実しているポータルサイトの「Yahoo!」を好む傾向にあるのかもしれません。
検索サイト「Google」と「Yahoo!」の利用割合:職業別
Googleユーザーの方がインターネットの利用頻度が高い傾向
続いて、インターネットの利用時間の違いについて比較してみましょう。アンケートで調査したところ、PCは大きな差はなく全体的に『2時間以上』の利用が多いことがわかりました。
一方でスマートフォンにおいては、Googleユーザーは『1時間以上~2時間未満』と『2時間以上』が多く、逆にYahoo!ユーザーは『見聞きしていない(利用していない)』と『1時間未満』が多く、「Google」と「Yahoo!」では対照的な結果となりました。
1日の平均利用時間で見ても、PC、スマートフォンともにGoogleユーザーの方が長いことから、Googleユーザーの方がインターネットの利用頻度が高いことがうかがえます。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」のインターネット利用時間
※アンケートによる回答
GoogleユーザーはTwitterやFacebookなどのSNSから情報を得ている
続いて、情報の入手先について比較してみましょう。Googleユーザーは『SNS(LINE、Twitter、Facebook)』から情報を入手している割合がYahoo!ユーザーよりも約20ポイントほど高くなっていることがわかります。
これは、Yahoo!が日本最大級のポータルサイトと謳っていることもあり、検索の他にニュースやスポーツ関連など多数のサービスを展開していることからYahoo!内で情報を入手し完結できることが影響しているのではないでしょうか。
また、Googleユーザーはテレビや新聞などのマスメディアに関しては、ユーザー全体やYahoo!に比べてポイントが低くなっていました。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」の情報入手先
※アンケートによる回答
また、具体的にSNSの利用時間を聴取したところ、Googleユーザーは『LINE』や『Twitter』、『Facebook』、『Instagram』の1日平均利用時間が長いことがわかりました。
逆にYahoo!ユーザーの1日平均のSNS利用時間は少なく、特に『Twitter』、『Facebook』、『Instagram』においては“利用していない”が7割前後いることがわかりました。Yahoo!ユーザーの年代層が高めであることも起因していそうですが、SNSにはそこまで時間を費やしていないようです。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」のSNS(アプリ)の利用時間
※アンケートによる回答
ただ、Yahoo!ユーザーはYahoo!系アプリの1日平均利用時間が長く、Yahoo!関連サービスのアプリはよく利用していることがわかりました。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」のYahoo!系(アプリ)の利用時間
※アンケートによる回答
Googleユーザーは『Amazon』との親和性が高い
続いて、普段よく買い物をする場所を比較してみました。Googleユーザーは『Amazon』、Yahoo!ユーザーは『その他のインターネットショッピングサイト』が特徴的に高くなっていました。
Yahoo!ユーザーの中で『Amazon』と回答した割合は65.1%とユーザー全体(73.8%)と比べても低く、一方でGoogleユーザーは83.2%と高い結果になっていることからGoogleユーザーと『Amazon』との結びつきが強い傾向がうかがえました。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」の普段よく買い物をする場所
※アンケートによる回答
Yahoo!ユーザーはYahoo!関連のサービスへの依存度が高い
続いて、特徴的に利用しているサイトランキングを見てみましょう。Googleユーザーは『ウィキペディア(Wikipedia)』、『Twitter』、『YouTube』、『アメーバブログ』、『Amazon』という結果に対して、Yahoo!ユーザーは『Yahoo!ニュース』、『Yahoo!ショッピング』、『Yahoo!JAPAN』、『Yahoo!天気・災害』、『Yahoo!知恵袋』とYahoo!関連のサービスが上位を占めていました。
「Yahoo!」は豊富なサービス提供でユーザー囲い込みを成立させているようです。
また、『ウィキペディア(Wikipedia)』や『アメーバブログ』、『Yahoo!知恵袋』、『YouTube』などは両者から興味関心が高いようです。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」のよく利用しているサイトランキング
【左図】Googleユーザー、【右図】Yahoo!ユーザー
デバイス:PC
集計期間:2020年6月
※特徴的によく訪れているサイトほどスコアが大きくなる
※濃い赤になるほどユーザーボリュームが大きい
検索者は『Amazon』と『楽天市場』で用途を使い分けている
最後に、GoogleユーザーとYahoo!ユーザーが『Amazon』、『楽天市場』でどのような商品カテゴリを閲覧しているかを見てみました。
まずは、『Amazon』から見てみると、「Google」は“本”、“パソコン・周辺機器”、“家電&カメラ”カテゴリがよく閲覧されていました。「Yahoo!」は“ドラッグストア”という結果となっており、共通してよく閲覧されているカテゴリは“ホーム&キッチン”でした。
『Amazon』においてGoogleユーザーは家電量販店や本屋で探すような商品を求めており、Yahoo!ユーザーは医薬品や日用品などの需要があるようです。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」が『Amazon』で閲覧しているカテゴリ
【左図】Googleユーザー、【右図】Yahoo!ユーザー
デバイス:PC
集計期間:2020年6月
※縦軸:閲覧者のボリュームの大きさ
※横軸:閲覧率差=セグメントの閲覧率 - 全体の閲覧率
スコアが大きくなるほど特徴的に興味関心があり、スコアが小さくなると、興味関心がないことを示す。0だと全体のスコアと同じ。
『楽天市場』ではどうでしょうか?
Googleユーザーは“インテリア・寝具・収納”、“スポーツ・アウトドア”、“花・ガーデン・DIY”となっており、Yahoo!ユーザーは“日用品雑貨・文房具・手芸”、“医薬品・コンタクト・介護”となっていました。
『Amazon』で閲覧されているカテゴリと大きく異なっています。この閲覧結果を踏まえると検索者はショッピングサイトにおいても用途を使い分けていることが読み取れました。
「Googleユーザー」と「Yahoo!ユーザー」が『楽天市場』で閲覧しているカテゴリ
【左図】Googleユーザー、【右図】Yahoo!ユーザー
デバイス:PC
集計期間:2020年6月
分析のまとめ
今回は、「Google」検索者と「Yahoo!」検索者の違いについて調査しました。
Googleユーザーは性別は男性比率が高く、年代は若年層比率が高い。職業は『会社勤務』や『フリーランス・SOHO』の割合が多く、TwitterやFacebookなどのSNSから情報を取得している傾向にありSNSアプリの利用時間も長い。『楽天市場』よりも『Amazon』を好んで使っている。
Yahoo!ユーザーは男女比はほぼ同じで、年代は高年層比率が高い。職業は『専業主婦(主夫)』、『無職・定年退職・家事手伝い』の割合が多く、SNSアプリよりもYahoo!アプリに時間をかけている。Yahoo!関連のサービスへの依存度が高い。
検索サイトの利用者特性を見極めることで、よりターゲットに刺さりやすいキーワード選定や、クリエイティブ改善、コンテンツ作りにつなげることができると思われます。
分析概要
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは、全国のモニター会員の協力により、2020年6月のネット行動ログデータを分析しました。
※Google、Yahoo!ともに検索結果一覧のページが50pv以上のユーザーを対象とする
※利用デバイスはPC
※アンケートは全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2020年1月~6月に調査を実施
(2020/10/05追記)※アンケートの調査対象者数は、Google:約5,000ss、Yahoo!:約2,000ss
検索でGoogleを使う人、Yahoo!を使う人の違いに関するFAQ
■GoogleとYahoo!、ユーザーの年齢層はどう違うの?
若年層は「Google」、高年層は「Yahoo!」という構図です。Googleユーザーの方が20代~30代の男性割合が高く、Yahoo!ユーザーは50代以上の男性割合が高くなっています。40代女性ではYahoo!ユーザーがGoogleユーザーよりも4.6ポイント高くなっていました。詳しくは、記事本文をご確認ください。
■GoogleユーザーとYahoo!ユーザーでSNSの利用傾向に違いはある?
GoogleユーザーはYahoo!ユーザーよりもSNS(LINEやTwitter、Facebook、Instagram等)をよく利用しています。Yahoo!ユーザーの年代層が高めであることも起因していそうですが、Yahoo!ユーザーはSNSにはそこまで時間を費やしていないようです。
■ GoogleユーザーとYahoo!ユーザー、よく利用するECに違いは?
GoogleユーザーとAmazonとの結びつきが強い傾向がうかがえました。
AmazonにおいてGoogleユーザーは家電量販店や本屋で探すような商品を求めており、Yahoo!ユーザーは医薬品や日用品などの需要があるようです。詳しくは、記事本文をご確認ください。
■関連記事
動画配信市場を牽引する「YouTube」のユーザーってどんな人?
https://manamina.valuesccg.com/articles/1103年々拡大しつつある動画配信市場ですが、2024年には3,440億円(※)まで市場規模が成長すると言われています。特に2020年は新型コロナウイルスの影響で生活におけるニューノーマル化も進み、外出を控え自宅で過ごす人が増加し動画配信市場にとっては追い風となっているはずです。また、これまでは若年層を中心に人気を博していた「YouTube」も、この数年で幅広い世代にも受け入れられるようになったのではないでしょうか。今回は動画配信サービスの中でも特に利用者の多い「YouTube」について調査・分析しました。<br> <small>※一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAJ)の『動画配信市場調査レポート2020』より</small>
メルカリ、ヤフオク!など、フリマアプリの浸透度と利用ユーザー層の特徴を調査(ホワイトペーパーあり)
https://manamina.valuesccg.com/articles/581ここ数年間で、新たな市場として注目を集めているフリマアプリ。不要になった洋服や化粧品、日用品、家電などが手軽に売れたり、欲しかった商品を安価で手に入れられるということもあり、フリマアプリでの売買が活発化しつつあります。今回はフリマアプリの浸透度とメルカリ、ヤフオク!、ラクマ、ジモティーなど各アプリの利用ユーザー層の特徴について調査しました。詳細な調査レポートは無料でダウンロードできます。(ページ数|29p)
3大ECモール(Amazon/楽天市場/Yahoo!ショッピング)を競合サイト分析ツールeMark+で比較してみた
https://manamina.valuesccg.com/articles/520経済産業省によると、2017年のEC(BtoC)市場規模は、16 兆 5,054 億円。前年と比較すると9.1%の増加、まさに成長市場です。その市場を牽引する3大ECモールといえば、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング。今回はそれぞれのサイトの特徴について、競合サイト分析ツールeMark+を用いて比較します。
メールマガジン登録
最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします
マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。