ピンタレスト広告とは?
ピンタレストが2022年6月1日に日本で広告枠の取り扱いを開始したサービスが「ピンタレスト広告」です。
本メディア「マナミナ」では、ピンタレストのアプリ利用者からユーザー像や属性を2022年1月に徹底して調査しました。
ピンタレストのユーザー数や属性、興味関心は?媒体資料をWeb行動ログデータで作ってみた
https://manamina.valuesccg.com/articles/1626画像・写真のシェアサービスであるPinterest(ピンタレスト)について調査します。過去2年におけるユーザー数推移やユーザーの性年代別、個人年収別の割合のデータを分析。また、ピンタレストユーザーが興味を持つトピックや、よく利用するアプリなどから利用者のインサイトを探りました。
ユーザー像が見えてきたところで、ピンタレストが具体的にどのようなシーンで利用されているのか、ヴァリューズのWeb行動ログデータ分析ツール「Dockpit」と「story bank」を使って調査しました。過去に公開したユーザー調査と併せて、ピンタレスト広告の出稿に対する検討などの参考にしていただけましたら幸いです。
■ピンタレスト広告の特徴はユーザーに目立つこと
配信されるのはユーザーがすぐ目に留まりやすい位置です。広告を表示させるユーザーは「ホームフィード」「カテゴリフィード」「関連する検索結果」など、配信したいユーザーの興味、関心に合わせて設定できます。そしてピンタレスト広告のフォーマットは1枚の画像だけでなく、カルーセル(複数の画像)、動画ピンなど従来のWeb広告と同じ機能も利用が可能です。
ホームフィード(左側)と検索結果(右側)のピンタレスト広告例
従来のWeb広告はサイト閲覧時に利便性を損なうことが多いですが、ピンタレスト広告は画像の一覧と馴染んでいるため違和感が無く、ユーザービリティにも支障が起きにくいのもメリットでしょう。
ピンタレストはどんなシーンで使われている?
前回の調査結果では、女性ユーザーが多く、20代~40代まで幅広い利用者が集まっていることが分かりました。今回は、実際にどのようなシーンで利用されているのかを深堀していきます。
ピンタレストの利用シーンを調査するため、以下の手法を用いました。
- ピンタレストのアプリ起動者もしくはブラウザでの利用者が、利用前後3時間で検索しているキーワードを集計。
- 検索キーワードの傾向からピンタレストの利用シーンを推測。
サイトへの流入キーワードだけでなく、ピンタレストのサイトもしくはアプリ利用前後での検索キーワードも踏まえて、ピンタレストの使用目的を推測しています。
ちなみに調査に利用したstory bankでは、特定アプリ起動者/特定Webサイト訪問者/特定キーワード検索者における、利用/検索前後のWeb行動に対して定量的な可視化が可能です。
story bankは、消費者の検討背景やニーズ、購入のアクションを起こすきっかけを、実際のWeb行動データとアンケートデータから定量的に分析・把握することができるサービスです。ターゲットユーザーの検討過程における検索キーワードや閲覧サイト、属性・興味関心データなどを用いて、消費者のリアルなWeb行動を把握できます。
■利用前後の検索キーワードから見るピンタレストの利用シーン
ピンタレストの利用者で相性の良い業界例として不動産、ファッションなどが挙げられます。
ピンタレスト利用前後3時間における検索キーワード
※ピンタレストのWebサイトもしくはアプリ利用ユーザー:5000人(集計期間:2021年6月~2022年5月、デバイス:PC&スマートフォン)
ピンタレスト利用前と後の3時間の検索キーワードを調査すると、おすすめのレシピ・スマホなどの壁紙、家具等の情報収集、髪型や服装等のコーディネート検討、モノづくり(DIY)のやり方などのキーワードが多数見られ、こうしたシーンでピンタレストが使われていることが予想されます。
さらにピンタレストの利用ニーズを探るため、ピンタレストのWebサイトへの流入キーワードも調査しました。
ピンタレスト(Webサイト)への流入キーワード(1~15位)
(集計期間:2021年6月~2022年5月、デバイス:PC&スマートフォン)
ピンタレスト(Webサイト)への流入キーワード(16~30位)
(集計期間:2021年6月~2022年5月、デバイス:PC&スマートフォン)
調査データから見るとピンタレストのWebサイトへの流入キーワードは、“ピンタレスト” “PINTEREST”などの指名ワードだけでなく、一般ワードでの流入も多くみられました。つまり利用者はデザインやビジュアルからおすすめやアイデアを手に入れるために、情報収集の一環としてピンタレストを利用している可能性が大きいと言えます。
物件探しをしているユーザーとの接点として、ピンタレストが有効?
様々なジャンルにおいて、ピンタレストが情報収集の一環として利用されていることが見えてきましたが、消費者の情報収集時の接点として、実際にどのくらい機能しているのでしょうか。ピンタレストの流入キーワード28位である“間取り”をピックアップし、接点としての有用性を深堀します。
Dockpitを用いて、Webブラウザ上で、“間取り”を含む検索を行ったユーザーが、検索後に流入したサイトランキングを集計しました。“間取り”検索者が、どんなサイトで情報収集をすることが多いかを、明らかにすることが可能です。
「間取り」と検索して流入したサイト
(集計期間:2021年6月~2022年5月、デバイス:PC&スマートフォン)
1〜2位には住宅探しのポータルサイトに次いで、3位にピンタレストがランクインしており、部屋探しをしているユーザーの検討行動の中で、ピンタレストが利用されているケースが多いと推測されます。このことからピンタレストは部屋探しをしているユーザーに対して効果的と言えるでしょう。
今回は”間取り”検索者をテーマとして深堀を行いましたが、様々なテーマにおいて、ピンタレストが主要な情報収集メディアとして機能していることが推測され、ターゲットユーザーとの接点を持つ有効なメディアであると考えられます。
まとめ:ピンタレスト利用シーン
ここまで、ピンタレスト利用前後での検索キーワードや、ピンタレストへの流入キーワードから、ユーザーの利用シーンを調査してきました。実際にわかったメディアとしての特徴は以下の通りです。
様々なテーマでの情報収集時に広く活用され、例えば物件探しなどの一部テーマによっては、検討行動時の主要なメディアとして機能しており、集客プランニング時に検討するべき媒体と考えられます。
加えて、2022年6月15日には新機能“アイデアアド”も搭載されました。しかしピンタレスト広告は日本でリリースしてから日が浅いので、さらに新機能が増える可能性も高く、引き続きWeb広告媒体としても注目したいところです。
本調査が皆さんの集客プランニングや、市場調査などのお役に立てれば幸いです。
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フリーランスのライターです。SEOで1位を出してます。
ビジネス系の中ではtoB向けの執筆が得意です。
SEOコンサル・Webサイト運営・Webディレクション・Web広告運用の実績もあります。