「ブラックフライデー」検索ワードの振り返り

「ブラックフライデー」検索ワードの振り返り

日本でどこまで浸透しているか?


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、「ブラックフライデー」の検索キーワードとアプリのアクティブ率について調査・分析しました。
分析概要

分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2016年11月における検索キーワード「ブラックフライデー」に注目し、その動向を分析しました。
※キーワード検索者数やサイト訪問者数はPCからのアクセスを集計し、VALUES保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでのインストールおよび起動を集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

考察サマリ

「ブラックフライデー」の検索者数は昨年の6倍に!

みなさんは、米国で感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日に小売店などで大規模なSALEが実施される「ブラックフライデー」をご存知ですか?
日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、今年は各メディアで取り上げられたこともあり、世間一般での認知も高くなってきているのではないでしょうか。

今回は、「ブラックフライデー」の検索キーワードについて、日本でどれほど浸透しているか調査してみました。まず、「ブラックフライデー」単体の検索キーワードで見てみると、2015年11月と比べて2016年11月は6倍近くまで検索者数が増えていることが分かりました。さらに「イオン」や「トイザらス」、「GAP」などのブランドワードとの掛け合わせも上位にランクインしていました。掛け合わせワードの対前年同月比を見ても「トイザらス」含む検索キーワードは8.2倍、「GAP」含む検索キーワードは7.5倍となっており、特定企業を指名検索しているユーザーも増えていることから、今年は日本でも「ブラックフライデー」の浸透度合いが高まったことがうかがえます。

また、「サイバーマンデー」(米国の感謝祭の次の月曜日)の検索キーワードについても併せて調査したところ、「ブラックフライデー」単体の検索キーワードの1/6の検索者数となっており、こちらについては日本ではまだ浸透度が低いようです。

性別では男性比率が女性比率を1割上回る

次に、「ブラックフライデー」単体の検索キーワードの検索者属性を見てみました。性別は男性比率が女性比率より1割ほど高く、年代別は20代~40代まではほぼ均等となっていました。

基礎知識がわかる「Wikipedia」などが人気!

続いて、「ブラックフライデー」を含むキーワードを検索した後の流入サイトについて訪問者数を集計し、ランキングを作成しました。
基礎知識がわかる「Wikipedia(買い物)」が1位に。また、3位の「Smartlist」や4位の「生活雑記帳」、5位の「朝日新聞デジタル」、7位の「Wikipedia」、8位の「KJ新谷のビジネス幼稚園」、9位の「Yahoo!ニュース」などランクインしており、半分以上が「ブラックフライデー」に関する基礎知識について調べていることがうかがえました。2位の「イオンモール」や6位の「トイザらス オンラインストア」、10位の「貝印公式オンラインストア」などは、毎年ブラックフライデーのタイミングでSALEを実施しているようで、一部のサイトはユーザーに定着してきていると考えられます。

『トイザらス』と『ユニクロ』の公式アプリのアクティブ率が上昇

最後に、「ブラックフライデー」で特別SALEを提供しているサイトの公式アプリのアクティブ率を見てみました。打ち出した企画はユーザーのアクティブ率に影響を及ぼしていたのでしょうか?
2016年10月と11月のアクティブ率を比較してみました。

『イオン』は特典が店舗限定だったこともあり、アクティブ率アップには大きく貢献しなかったようです。ただ、普段から公式アプリで買い物をするとお得なクーポンが発行されるようで、他の公式アプリと比較してもアクティブ率は高くなっています。
『トイザらス』と『ユニクロ』は店舗とオンラインショップの双方で特典があり、実店舗と変わらない特典だったり、『トイザらス』に関してはオンラインショップ限定商品があったこともあり、アプリ利用ユーザー数が伸長しアクティブ率UPに大きく影響したことが伺えます。

この記事のライター

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