3C分析とは何か?基本的なフレームワークの解説
3C分析は、自社の強みや弱み、競合の動向、市場のニーズを把握し、マーケティング戦略を構築するために用いるツールのひとつです。
■3C分析の3つの要素
3C分析では、以下の3つの要素を詳細に調査します。
・Customer(市場・顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社)
Customer(市場・顧客)は、自社の商品やサービスを必要とする人々、いわゆる顧客を指します。顧客に関しては個人にとどまらず、企業が含まれるケースもあります。Competitor(競合)は、同じ市場の競合他社。そして、Company(自社)では、自社が提供する商品やサービスの強みや弱みについて、それぞれ調査します。
■3Cの活用法とその重要性
調査した3つの「C」は、市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握し、対策となる差別化戦略を立てるのに活用します。ここで「3C分析」などのフレームワークを用いると、漏れなく効率的に競合分析が可能です。
3C分析の詳細な進め方についてはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
3C分析のやり方は?マーケティング戦略での必要性と実践のコツ
https://manamina.valuesccg.com/articles/19843C分析とは、経営戦略やマーケティングを練るために利用できるフレームワークです。多角的かつ客観的にビジネスを分析できます。本記事では、3C分析のやり方を中心に、スターバックスの事例や他のフレームワークを交えて解説します。
有名企業7社の具体的な3C分析の事例
それぞれの業界や事業において、顧客のニーズ、競合の動向、自社の強みや弱みを把握し、それにもとづいた戦略を立てるための道筋をどのように立てるべきか、有名企業の3C分析の事例をもとに考えてみましょう。
■ニトリ社の3C分析事例
3C分析のCustomer
ニトリでは、家具やインテリア商品を求める一般消費者をおもな顧客としています。価格と品質のバランスを重視し、自宅での快適な生活を追求する顧客層に対応しているといえるでしょう。
3C分析のCompetitor
競合としてまず挙げられるのは、IKEAや無印良品などの家具・インテリア専門店です。これらの企業と商品の品質や価格、デザインなどで競っています。ニトリでは昨今、家電も扱うようになっているので、幅広い視点で捉えるなら家電量販店やホームセンターなども競合として考えられるでしょう。
3C分析のCompany
ニトリは一貫した商品開発から販売までを手掛けることで、コストを抑えつつ高品質な商品を提供しています。また、店舗でのディスプレイや家具の配置提案など、顧客の生活を豊かにする提案を行うほか、30年連続での増配実績により、投資家から信頼を集めている点も強みに挙げられます。
3C分析の競合分析はどう進める?勝ち方や注意点、フレームワーク
https://manamina.valuesccg.com/articles/19523C分析のフレームワークは、自社のマーケティングや経営戦略に活かせます。中でも競合分析は「ライバル企業に勝つためにはどうしたらいいか?」「他社と差別化した商品・サービスとは何か」を考える上で重要です。本記事では、3C分析の競合分析に特化し、具体的な進め方や有名企業の事例を紹介していきます。
■スターバックス社の3C分析事例
3C分析のCustomer
スターバックスのおもな顧客は「流行に敏感な20~30代女性」と「自己啓発を楽しむビジネスマン」に分類されます。前者はファッションやメイク、イベント、SNSに関心が高く、後者は高収入で仕事に熱心な一方で、旅行やスポーツ、読書などの趣味にも投資している人物、という分析です。
3C分析のCompetitor
スターバックスの競合としては「ドトールコーヒー」と「コメダ珈琲」が挙げられます。ドトールは安価で気軽に利用できるカフェとして、一方のコメダ珈琲はやや高価格帯になりますが、落ち着いた雰囲気と充実したフードメニューでファミリーや高齢者に人気です。
3C分析のCompany
スターバックスの強みは売上高の高さと、自分好みのドリンクをカスタマイズできる点、季節ごとの新商品展開です。反対に弱みとなる点は、若年層の利用者が多く、年配層の顧客が少ないこと、フードメニューが軽食のみであること、店舗の雰囲気が一部の人にとって敷居が高いと感じられる点が挙げられます。
3C分析の無料テンプレートでのやり方と事例(スターバックス)
https://manamina.valuesccg.com/articles/19113C(サンシー)分析とは、顧客(Customer)、自社(Corporation)、競合(Competitor)の頭文字をとったフレームワークです。テンプレートで3C分析を簡単に進めたい、事例から3C分析を学んでみたい、という方もいるでしょう。本記事では、3C分析のテンプレートを用いたやり方や事例、注意点を解説します。テンプレートは無料でダウンロードできるため、3C分析を実践したい方は最後までお読みください。
■マクドナルド社の3C分析事例
3C分析のCustomer
マクドナルドは、若者から家族連れまで、幅広い年齢層を対象としています。価格が手頃で、味が一定であることも評価の要因と言えるでしょう。また、店舗の清潔さやサービスの良さも顧客満足度を高めています。
3C分析のCompetitor
競争が激しいファストフード業界において、マクドナルドは他のチェーン店と差別化を図るために、新商品の開発や価格競争、店舗のリニューアルなどに注力しているようです。また、健康志向の高まりに対応するために、サラダやフルーツなどのヘルシーメニューを提供し、ファストフード業界以外も競合として見据えているように見受けられます。
3C分析のCompany
マクドナルドは、世界中に広がる強固なフランチャイズネットワークを持っており、一貫した品質とサービスを提供することでブランド力を維持しています。また、効率的な供給体制や徹底した衛生管理も自社の強みと言えるでしょう。
■任天堂社の3C分析事例
3C分析のCustomer
幅広い年齢層を対象に、家族全員が楽しめるゲームを提供しています。そのため、顧客層は多様で、子供から大人まで幅広くカバーしているのが任天堂の特徴です。
3C分析のCompetitor
ソニーのPlayStationやマイクロソフトのXboxなどが競合に挙げられます。しかし、これらの企業とは異なり、任天堂は独自のゲーム機とソフトウェアを開発し、競合とは異なるゲーム体験の機会を提供しています。
3C分析のCompany
長い歴史と豊富なIP(知的財産)を持つ企業です。具体的にはマリオやゼルダ、ポケモンなど、世界的に人気のあるキャラクターです。これらのIPは、任天堂が競争優位性を保つ上で重要な要素となっています。
■星野リゾート社の3C分析事例
3C分析のCustomer
星野リゾートの顧客は、都会の喧騒から離れ、自然と触れ合いながらリラックスしたいというニーズがある、小さな子どものいるファミリー層が多いようです。
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競合とされる老舗旅館や高級ホテルですが、星野リゾートでは他のリゾートホテルとは一線を画すサービス、自然豊かなロケーションにリゾートを設け、様々なアクティビティの提供により差別化を行っています。
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星野リゾートの強みとして、地域の自然や文化を活かしたリゾート作りが挙げられます。また、従業員の教育にも力を入れており、顧客に対する高品質なサービス、より高い顧客満足度を提供するための体制を整えています。
■無印良品社の3C分析事例
3C分析のCustomer
無印良品は、家具や家電、文房具、衣料品といった、日常に関する幅広い商品展開で幅広い年齢層から支持を集めています。価格設定は誰にでも手の届きやすいものになっているのが特徴です。
3C分析のCompetitor
無印良品の競合は、インテリア業界ではニトリ、衣料品業界ではユニクロなどがあります。しかし、全ての領域をカバーしているという点では、全く同じ領域を攻める競合はいないと言えます。とはいえ、イケアや、ナチュラルローソンといった、領域ごとに注意すべき競合が存在しています。
3C分析のCompany
アプリなどを有効活用したデジタル化対応や、商品をコンテンツマーケティングとミックスし、ユーザー心をくすぐるようにアピールしているのが強み、そして特徴と言えるでしょう。商品自体の使い勝手や素材など、普段なら気にしない点を気にすることができ、ユーザーの満足度を高めることに成功しています。
■ユニクロ社の3C分析事例
3C分析のCustomer
ユニクロの顧客は多くの世代に渡ります。その理由は、過度なまでに個性がないデザインにあり、オン・オフタイムすべてをカバーできるような商品展開が幅広い世代に指示される大きなポイントです。
3C分析のCompetitor
ユニクロの競合は顧客の世代によって若干の変化はありますが、おもにWE GOらや無印良品、海外のファストファッションブランド「H&M」や「ZARA」が挙げられます。また、ECで安く服を販売する企業も競合となり得ます。
3C分析のCompany
ユニクロの強みは、良い意味で「トレンド感が無い」という点です。とがった装飾やデザインと言ったトレンド感を持たせないことで、次のシーズンでも違和感なく着られるようになっています。また、ヒートテックなど、多くの自社商品を開発している点も大きな強みです。
3C分析とSWOT分析の関連性
3C分析と歩調を合わせるように「SWOT分析」を行うと、さらに包括的かつ詳細なビジネス戦略の立案が可能になります。SWOT分析とは、企業の内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)の2×2軸=4つの要因に分類することで、自社の事業を取り巻く要因の整理を目的としています。
■3C分析からSWOT分析への流れ
3C分析で得られた事実情報は、SWOT分析で行う「解釈」の基礎となります。3C分析で集めた情報を分析するために「事実」と「解釈・意見」は明確に区別して整理する必要があります。そして、これらの事実情報を元に、SWOT分析にて「解釈」を行います。この過程で企業がとるべき「戦略目標」を解釈として導き出します。つまり、3C分析とSWOT分析は相互に補完し合う関係と言えるのです。
SWOT分析についてはこちらの記事をご参照ください。
市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握するために行う「競合調査」。ビジネスの競合調査でよく使われているフレームワークは、3C分析・SWOT分析・ファイブフォース分析(5フォース分析)・PEST分析・バリューチェーン分析・4P分析の6つです。本稿では、各フレームワークの概要と分析方法、使い分けをご紹介します。
まとめ
3C分析の具体的な7社の事例を通じて、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点からビジネス環境を理解すると、3C分析の活用とその重要性を理解、実感できるのではないでしょうか。
また、3C分析とSWOT分析を活用することで、自社の強みと弱み、市場のニーズ、競合の動向を把握し、それに基づいた戦略を立てられるようになります。
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