他人との比較より自分らしさを優先する意識へ
■仕事に対する価値観
仕事への価値観について当てはまることを聞いたところ、「会社や組織で出世したい」が2019年より2.1%減少、「自分の能力や才能を人に認めてもらいたい」が2022年より2.7%減少しました。
一方で「ワークライフバランスを大切にしたい」は2020年より2.7%増加していることから、コロナ禍における就業環境の変化を経て、仕事中心の考え方が薄れてきていることがわかりました。
■美容・ファッションに対する価値観
美容ファッションに関する価値観について当てはまることを聞いたところ、「ファッションで自分らしさを表現したい」が2019年より6.7%増加し、「化粧をすることでなりたい自分に近づける」は2020年より8.1%増加しました。
また、「異性から魅力的に思われたい」については2019年より3.4%減となっている一方、「流行より自分のスタイルを大事にしたい」は、2019年より4.9%増加しています。これらの結果から、コロナ禍をきっかけにひとりで過ごす時間が増え、自分らしさを大切にしたい考え方が浸透したことが読み取れます。
日常におけるデジタル活用が加速
■消費意識
消費に関する意識について当てはまることを聞いたところ、「日常の買い物で、電子マネーやクレジットカードで支払うことが増えた」は2019年より6.7%増加し、全体の7割となりました。
また、「できるだけ現金での支払いではなく、キャッシュレスで生活したい」も13.2%増加しており、コロナ禍における非接触のニーズ増加によって、日々の買い物にもキャッシュレスが定着したことがわかります。
■情報意識
情報意識について当てはまることを聞いたところ、「人とのつながりでネットは欠かせない」は2019年より4.8%増加、「ネットが使えなくなると不安だ」も2019年より3.1%増加しました。
コロナ禍の外出自粛により在宅時間が増えたことで、生活の中におけるインターネットの重要性が増したことがわかります。
健康意識の高まり
■健康意識
健康に関する意識について当てはまることを聞いたところ、「運動や食事などで、健康のために1年以上続けていることがある」は全体の5割近くまで増加、さらに、日頃行っている趣味スポーツとして「散歩・散策・ウォーキング」と回答した人も2019年より5.2%増加し3割を超えました。
また、「健康管理用のアプリやスマートウォッチなどのアクセサリーを利用している」は2019年より8.3%増加し、全体の3割となりました。コロナ対策をきっかけとして始めた健康データの測定や、運動や食事管理の習慣が定着したことが考えられます。
ここまで見てきた生活者の価値観・意識の変化は、広告コミュニケーションおよびマーケティング領域においても少なからず影響を与えるものと思われます。コロナ禍によってアップデートされた新しい生活様式を、今後のスタンダードとして見据えたアプローチが求められる時代に差し掛かったと言えるでしょう。
調査概要
目的:生活者の生活行動・価値観・メディア接触を多面的に把握するため
対象エリア:関東(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県)
関西(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県)
対象者条件:15~79歳の男女(中学生は除く)
サンプル数:15,784名
調査手法:インターネット調査
調査期間:2023/5/16(火)~6/5(月)
※集計については、国勢調査の人口構成、関東・関西のエリア構成に合わせるため、ウエイトバック集計を実施しています。
出典元:株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
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