物価高対策に「ポイントアプリを利用」は約4人に1人 地域限定アプリの利用意向は74%
「物価上昇をきっかけとしてあなた自身が新しく利用を始めたものはありますか」という質問に対し、物価高対策にポイントアプリの利用を始めた人は約4人に1人(24%)、コード決済アプリの利用を始めた人は約6人に1人(17%)の結果に。
日本では従来から、購入金額に応じてポイントや特典を受け取ることができるポイントアプリの提供が盛んです。最近の物価高を受け、ポイントアプリへの関心をさらに高めているようです。
また、事業者にとってもポイントアプリは、クーポン配布等の来店促進策や、自社独自のコード決済による決済手数料の削減といった様々な施策の土台にもなり得ます。レジでアプリ画面を提示することに慣れた消費者層が拡大している中、新たな顧客接点として重要度を増していくと見られます。
「地域限定」の金融サービスに焦点を絞り、ポイント還元やキャッシュバック特典がある地域限定アプリ/サービス、デジタル商品券、デジタル通貨に関する利用意向に関する質問では、それぞれ5割を超える利用意向が見られました。
中でも地域限定アプリ/サービスでは「機会があれば利用したい」との回答が74%にも上りました。一方で、地域限定アプリ/サービス、デジタル商品券、デジタル通貨のいずれも「利用未経験であるが、機会があれば利用したい」とする回答者がもっとも多い結果になりました。
地域限定の金融サービスの利用経験者の割合はまだ小さく、これらのサービスの提供と利用はまだ限定的です。一方で、利用経験者・非経験者とも利用意向が高いことを鑑みると、これらのサービスは自治体にとって地産地消や地域振興の一手となる可能性があります。
コード決済の利用率が68%、過去最高値を続伸 税金の支払いなど利用場面も多様化
「決済カードや決済アプリの中で、あなたが利用しているものを全てお答えください」という質問に対し、全回答者に占めるコード決済アプリ利用者の割合は68%となり、同社が2015年に調査を開始した以降の最高値を続伸する結果になりました。
利用場面ではコンビニ(77%)やスーパー(59%)、ドラッグストア(48%)がトップ3の利用率となる中、百貨店・ショッピングセンターでの利用も約3割(29%)、税金支払いでの利用も約1割(10%)に達しています。
コード決済は日用品など比較的単価の低い買い物での利用がメインと考えられてきました。しかし本調査にて、比較的単価が高いと考えられる百貨店・ショッピングセンターや税金の支払いへも利用が拡大している傾向がみられました。
単価を問わず、利用できるところではできるだけ利用するという行動変化が進行しています。「キャッシュレス決済利用者の約4割はキャッシュレスが使えない店舗は避ける」という経済産業省の調査結果を踏まえると、コード決済をメインの決済手段としている層にとって、コード決済への対応の有無が買い物先の選択において重みを増していくことが予想されます。
事業者は、コード決済などキャッシュレス決済について、機会損失の観点からも導入の要否を判断すべき段階にきています。
コード決済アプリの送金利用は約3割 現金手渡しの代替手段に
「送金手段について、あなた自身の利用状況をお答えください」という質問では、1位「銀行のインターネットバンキングサイトで振込」(33%)、2位「銀行のスマートフォンアプリで振込」(29%)、3位「コード決済アプリ」(27%)の結果となりました。
一方、コード決済アプリと同様に、電話番号やメールアドレスを入力することだけで異なる銀行間で1回最大10万円まで手数料無料で送金ができる「ことら送金」の利用率も、2022年10月のサービス開始後約1年で7%まで達しました。
従来から個人間での金銭のやりとりは「現金手渡し」がメインです。それに対しコード決済アプリによる送金は、相手の口座番号を確認する必要もなく送金手数料もかからないなど、手軽に送金できる利点があります。個人間での現金手渡しを代替する手段として、利用率が増加してゆくことが予想されます。
外食等の割り勘精算やお祝い金などインフォーマルな個人間での少額送金はコード決済アプリや「ことら送金」と親和性が高いと考えられます。利用者は従来の銀行振込と併せて使い分けていくようになるのではないでしょうか。
30代以下は約4人に1人がブランドデビットカードを利用
「決済カードや決済アプリの中で、あなたが利用しているものを全てお答えください」という質問に対し、30代以下の約4人に1人がブランドデビッドカードの利用者であることが分かりました。また、全体のデビットカード利用率は、同社の前回調査(2023年4月)時より3ポイント上昇しています。
ブランドデビットカードは発行に際して審査が不要、かつ利用金額が即座に口座に反映されるという点がクレジットカードに対する特徴です。日常的な口座利用を促す顧客接点として、多くの銀行が戦略商品として力を入れています。
今後の優良顧客予備軍を含む若年層で利用者が増加傾向にあることは、銀行の戦略が成果を挙げていることを示唆しています。また、最近ではネット専業銀行が口座数・預金量とも伸ばしていますが、これらの銀行の多くがキャッシュカードにブランドデビッドカード機能を付帯させていることも、利用率向上に貢献していると見られます。
新NISAへの関心の高まりも、口座開設そしてブランドデビットカード利用への導線として好循環を生んでいると推測されます。
調査概要
調査手法:インターネット調査
調査地域:日本国内
調査対象者:16~69歳男女
対象人数:5,000人
調査期間:2023年11月20日(月)~11月22日(水)
調査主体:株式会社インフキュリオン
出典元:株式会社インフキュリオン
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
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