Z世代の消費が動く!「デート」のリアルを現役大学生と調査 |  Gen-Z調査隊×慶應義塾大学SFC桑原研 共同調査レポート<後編>

Z世代の消費が動く!「デート」のリアルを現役大学生と調査 | Gen-Z調査隊×慶應義塾大学SFC桑原研 共同調査レポート<後編>

これからの消費を担う、Z世代。デジタルネイティブ、スマホネイティブでもある彼らの消費行動は、常にマーケターから注目を集め続けています。今回、VALUESのZ世代アナリストたちがマーケティングを研究する現役大学生と共に、「Z世代のデート時の行動」を分析。その様子をお届けします。


STEP3・4:いよいよ発表!現役大学生が分析する「Z世代×デート時の行動」とは?

こんにちは、現役Z世代による“Z世代の行動データ”分析ラボ Gen-Z調査隊です!
私たちは、消費者の行動データをもとに、現役Z世代メンバーの視点から、“Z世代のリアル”を分析しています。

私たちは2023年冬、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス 桑原武夫研究会(以下、「桑原研」)の学生の皆さんと一緒に「Z世代のデート時の行動」を分析しました。

▼前回の記事はこちらから

Z世代の消費が動く!「デート」のリアルを現役大学生と調査 | Gen-Z調査隊×慶應義塾大学SFC桑原研 共同調査レポート<前編>

https://manamina.valuesccg.com/articles/3163

これからの消費を担う、Z世代。デジタルネイティブ、スマホネイティブでもある彼らの消費行動は、常にマーケターから注目を集め続けています。今回、VALUESのZ世代アナリストたちがマーケティングを研究する現役大学生と共に、「Z世代のデート時の行動」を分析。その様子をお届けします。

3チームに分かれ、グループワークのテーマが決まりました。
今回は、いよいよ発表本番!学生さんの発表を一部抜粋し、後編をお届けします。

SNSに載せる/載せない派の対立も!? チームA「Z世代のデートスポットの決め方」(一部抜粋)

2023年12月5日:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスにて・チームA発表の様子

学生①

私たちは、「Z世代=デジタルネイティブ世代」であることに着目し、デートスポットの決め方にインターネットがどう関わってくるのかを調べました。

学生②

ヴァリューズで実施された事前のアンケート調査結果を見て、以下のような仮説(一部抜粋)を立てました。

  • ミレニアル世代に比べて、Z世代は視覚的にデートスポットを選んでいるのではないか

  • Z世代はSNSを通じてデートスポットを選んでいて、インスタやTikTokの保存機能を使っているのではないか

  • デートの一場面をインスタに投稿するかどうか、してほしいかしてほしくないかを巡った意見の衝突がZ世代カップルにはあるのではないか
  • 学生③

    続いて、Googleフォームで55名のZ世代男女にアンケート回答をしてもらい、仮説を検証していきました。

    学生①

    アンケートの回答からは、Z世代は「Instagramで視覚的なデートスポット選びを行っている」ことが読み取れました。また、「SNSの保存機能を使ってストックしておいた投稿を相手と共有して話し合い、デートスポットを決める」人も多く見られます。

    学生②

    SNSを巡り「デート相手に自分のことをSNSに載せてほしい派 VS 載せてほしくない派」の対立も見られました。これは、Z世代ならではの特徴ではないでしょうか。

    Gen-Z調査隊からのコメント





    まろん:相手に自分のことをSNSに載せてほしいか、載せてほしくないか、という仮説がでてきているのがまず面白いです。載せてほしい理由に「自慢したいと思ってくれているのが嬉しいから」とある一方で、載せてほしくない理由に「自慢になるから」というコメントもあり、価値観の違いが見えました。

    チームAの発表では、デートスポットを選ぶ際に「インスタを使う場合と、Googleマップを使う場合の比較」という観点もありました。インスタは“視覚的に”自分の行きたいところを調べたりストックしたりする使い方。一方でGoogleマップは、すでにメインの行き先が決まっている状態で周辺のスポット探しに使っていたり、SNS映えだけじゃなくてちゃんとクオリティの高いところを選びたいときに評価を見ながら使っていたりします。“視覚情報”のインスタと、地理や正確性など“合理性”を重視するGoogleマップと、違いがわかりやすかったです。




    Z世代=割り勘は本当? チームB「デートに関する予算」(一部抜粋)

    2023年12月5日:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスにて・チームB発表の様子

    学生④

    私たちは、周囲の学生のデート頻度が高かったり、単価の高いレストランに行っているといった行動に着目し、学生が少ない収入でどのようにデート予算のやりくりをしているのかに着目しました。

    学生⑤

    GoogleフォームでZ世代を含む33名の男女にアンケート回答をしてもらい、以下の仮説と疑問(一部抜粋)を持ちました。

  • Z世代の女性は、デート予算において男性を頼らない意識(自立心)があるのではないか

  • Z世代の女性は、デート代の支払い意識が高い傾向にあるのではないか

  • Z世代はどのような場合に「コスト」と「デートの体験価値」を優先するのか。「コスパ観」はどのように決まるか

  • 学生⑥

    アンケートの回答からは、特にパートナー間で支払いに対する明確なルールを決めていない人が多いことがわかりました。一方でZ世代の女性は、“なんとなく”男性側の負担を空気を読んで支払っているようです。Z世代の男性の中にも、全額奢りたい人、綺麗に割り勘したい人、少しは多く払いたい人など、様々なタイプがいます。状況や金額によってそのあたりのバランス感が変わる中で、お互いに空気を読みつつ、PayPayなど後で支払い調整可能なツールを使いながらバランスをとっているのかもしれません。

    学生④

    デートで「安く済ませたい」のは交通費、カフェ代、ランチ代です。一方、「高くてもいい」のは食事代全般や、ディナー代などでした。デートの主目的になりがちなディナーやアクティビティなどの“体験価値”にはお金をかける一方で、主目的ではない交通費やカフェ代は安く済ませたいという、メリハリをきかせたコスパ意識が垣間見えました。

    Gen-Z調査隊からのコメント





    せーら:ポイントは「対等感」「公平感」。上の世代は、収入関係なく男性が全て支払うのが当たり前という風潮があると思います。しかし、収入格差意識がない最近の若者カップルは女性が男性にお金で頼らない意識がある(申し訳ないから自分のものは自分で買う、割り勘)という点が改めて分かります。

    支払いの配分の仕方は厳格に決めず、こうした気持ちで支払いを行っているカップルが多いことからも、金銭目的で無く、対等、公平といった心での繋がりで付き合っているという実感を得たいんだろうなと思いました。





    「デートは男性がリード」=過去の物? チームC「デートの事前準備」(一部抜粋)

    2023年12月5日:慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスにて・チームC発表の様子

    学生⑦

    注目したのは「草食系男子」という言葉です。事前のアンケート調査を見ても、Z世代の男性はしっかりとデートプランを考えていることがわかります。しかし、世の中ではZ世代男性は「草食系男子」=受動的な姿勢を取りがちともいわれています。

    学生⑧

    なぜこのようなギャップがあるのでしょうか。私たちは、「デートで『男性がリードする』という慣習に変化があるからではないか」と考えました。そこで、GoogleフォームでZ世代を含む158名の男女にアンケート回答をしてもらい、検証を行いました。

    学生⑨

    アンケートの結果を見ると、「リードしたい男性 / リードされたい女性」もいる一方で、「自身も楽しみたい男性」や「一緒に楽しみたい女性」も存在しています。

    学生⑦

    こうした結果から、私たちは「両者が楽しめるデート」を理想とするZ世代が少なくないと考えました。だからこそ、「デート内で『自分らしさ』をどう出すか」がZ世代のデートの肝になっているのです。

    Gen-Z調査隊からのコメント





    ばんちゃん:「男性がリードする」という状態の意味合いの変化を指摘している点が面白いです。「相手を楽しませる」ことプラス「自分も楽しみたい」という視点が出てきた点は新しいなと思いました。ここから、Z世代は男女の垣根が薄くなってきているのかな?とも考えられます。

    個人的にも、“自然体でリードできる状態”が理想という点は共感できますね。デートはなるべくリラックスした場にしたいと思います。




    最後に

    発表当日、各チームの発表に質問やコメントも飛び、大きな盛り上がりを見せました。桑原研の皆さん、発表までのサポートを担当したGen-Z調査隊の皆さん、本当にお疲れ様でした!

    今回「Z世代×デートの時の行動」を読み解くキーワードに「2人らしさ」という言葉が見えてきました。2人が行きたい場所に行くことや、自然体で楽しむマインドなど「2人らしい体験をすること」に大きな価値を置くZ世代の特徴がみえました。

    <桑原研・学生さんより:実施後感想>

    <桑原武夫先生より>

    「世代」や「時代」を語ること、それをマーケティングのヒントにしようという企ては、たいていヤッカイな作業となるようです。その区分や境界が極めて曖昧である【概念】を対象とするためです。

    したがって、各チームとも、“Z世代”の暫定的定義に基づき、抽出したその特徴を考察し、定義を修正するという作業を繰り返しながら収束させていったという苦労の跡が見て取れます。

    より実体的に捉える枠組み、あるいは、特定の関係性への着目からの接近など、多様なアプローチから、それぞれ知見の発見に辿りつくことができました。

    今回、ヴァリューズのZ世代チームのみなさまからお誘いいただき、その作業の一端を担当させていただいたことで、学生メンバーがとても貴重な経験をさせていただいたことが、手に取るようにわかります。心より感謝申し上げますとともに、彼らは、この経験を研究室に持ち帰り、必ず今後の活動に生かしてくれることと楽しみにしております。


    VALUESではCSR活動の一環として、質の高い教育や日本のデータマーケティング力底上げのため、産学連携の取り組みを推進しています。学生さん向けに実践的なマーケティングを学んだり、実データに触れたりする機会を提供したい、とお考えの大学関係者様は、ぜひお問い合わせください。

    産学連携に関するお問い合わせはこちら

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    https://recruit.valuesccg.com/

    株式会社ヴァリューズの採用サイトです。ヴァリューズは、インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する会社です。

    この記事のライター

    現役Z世代による"Z世代の行動データ"分析ラボ Gen-Z調査隊®
    株式会社ヴァリューズで2022年10月に発足。個性豊かなZ世代のメンバーが集まりました。
    意識調査データやWeb行動データを活用し、"Z世代のリアル"を分析・発信していきます。
    〈メンバー紹介〉
    まろん(98年生まれ・エンタメコンテンツ好き)・ばんちゃん(99年生まれ・二次元キャラ好き)・こと(97年生まれ・観葉植物好き)・まなてぃ(01年生まれ・TikTok好き)・ロン(00年生まれ・テレビ好き)・まりん(02年生まれ・音楽好き)

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