ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、アクセスログと約1万人のアンケートデータに基づき、主要SNSの利用動向を分析しました。
2019年末には7,732万人と予測される日本のSNSユーザー (※1)。
近況の共有のための利用にとどまらず、電子メールや電話を含む主要コミュニケーションチャネルと化しています。
4年連続の2ケタ成長を続けるネット広告費でもSNS出稿が増加してチャネルとしての存在感が増すなか (※2)、フィード改変の影響も気になるところです。
SNS別の利用目的や広告、企業の公式アカウントに対する反応など、最新動向を調べました。
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※1:ICT総研「2017年度 SNS利用動向に関する調査」http://ictr.co.jp/report/20171011.html
※2:電通「2017年 日本の広告費」http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0222-009476.html
分析概要
分析概要
ヴァリューズが保有する全国の行動ログモニター会員の協力により、アンケート回答データ、スマートフォンのサイト・アプリの利用データをもとに、LINE、Facebook、Twitter、Instagramの4SNSの利用ユーザーの動向を調査した。
ログデータは、2018年1月1日~1月31日のデータを対象に調査。ヴァリューズ保有のAndroidスマートフォンモニタ(20代以上)での出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
アンケートデータは、20代以上の男女を対象に、2018年2月16日~2月23日にアンケート調査を実施し、9,245人の回答を集計・分析。性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計を行った。
考察サマリ
■ほぼ毎日立ち上げるユーザーの割合が一番高いのはLINE。次点のTwitterも4割近くがほぼ毎日起動。
ログデータから各SNSの月間アプリ起動日数を調べたところ、ほぼ毎日立ち上げるユーザーはFacebook, Twitter, Instagramで3割~4割程度、LINEは7割近くに迫りました。
図1 月間SNS起動日数
■LINEは老若男女が利用、20-30代は複数SNSを使い分け
アンケートで性別・年代層別に利用しているSNSをたずねたところ、男性は全体の75.4%、女性は87.7%がLINEを利用。「最も利用するSNS」でも全体で69.7%とFacebook5.6%、Twitter8.0%、Instagram3.6%を大きく引き離しました。LINEは40代以上の男性で7割前後ながら、他の性年代ではいずれも8割以上の回答者が利用しており、老若男女問わず受け入れられているようです。
20代女性はLINEの利用が9割を上回る一方、Facebook、Twitter、Instagramも5~6割が利用。4SNSをひとつも使っていないという回答が3.2%にとどまり、多くのSNSを使い分けていると考えられます。同様に20代男性も他の性年代に比べFacebookとTwitterが多かったものの、Instagramは1/3程度でした。
図2 性別・年代層別の利用SNS
■連絡手段としてのLINE、友達の近況を知るにはFacebook
利用目的は各SNSの特徴を示す結果です。
LINEは「友達と連絡をとる」が87.2%に上り、その他の目的はほとんど見られません。
「友達の近況について知る」はFacebookが60.8%と他SNSを大きく引き離しました。
「暇つぶし」ではTwitter45.5%やInstagram40.7%、「芸能人・有名人の投稿を見る」はInstagram42.6%です。Twitterはこのほかタイムラインや検索による情報収集目的の利用も多いようで、連絡手段としての利用は9.5%にとどまりました。「自分の近況・意見を発信」は全体で20.4%と、主な利用目的ではなくなっているようです。
図3 SNSの利用目的
■SNS広告への反応率は、LINEが一歩リード
Facebookのフィード改変で揺れるSNS広告ですが、ユーザーはどの程度利用しているのでしょうか。SNS利用時に表示される広告への反応(タップやクリック)を訊ねたところ、いずれのSNSも「よくする」「たまにする」合計は2割~3割となっていました。「よくする」14.5%、「たまにする」15.3%とLINEで比較的反応傾向が強くなっています。
図4 SNS広告への反応
■LINEの公式アカウントフォローの目的は、スタンプやクーポン。
企業の公式アカウントのフォロー状況は、FacebookとInstagramが5割前後、TwitterとLINEは7割前後と大きく2傾向に分かれました。TwitterとLINEは6個以上の公式アカウントをフォローしているユーザーが3割を超えています。
図5 企業の公式アカウントのフォロー数
フォロー理由は、LINEで「スタンプをもらう」48.0%、「割引券やクーポンを受け取る」が40.9%に上りました。「最新の情報を受け取る」ではTwitter37.5%が最多ながら、Facebook33.9%やInstagram33.8%と大差ではありませんでした。
企業に対するエンゲージメントではInstagram「その企業・著名人が好き」33.8%、「著名人の近況を確認」30.6%が他SNSを引き離しています。
図6 企業の公式アカウントフォロー理由
■企業の公式アカウントをフォローしないユーザーの主なコンタクトチャネルは、Yahoo!やauなどのポータルサイト
企業の公式アカウントを多数フォローしているユーザーとフォローしていないユーザーの行動の違いを、Instagramユーザーのサイト接触率の差異が大きいサイトから分析してみます。企業の公式アカウントをフォローしていないユーザーはGREEやau各種サービス、またYahoo!ニュースの接触率がフォローしているユーザーに比べて高く、主なコンタクトチャネルはポータルと言えそうです。
他方、公式アカウントフォローユーザーは、e+やオムニセブン、資生堂といった、公式アカウントの誘導先と考えられるサイトが上位に並ぶほか、NAVERまとめやアメブロなどがランクインしており、SNSの外でも、自分から積極的に情報を集めるようなユーザーであると考えられます。
図7 Instagramの企業公式アカウントをフォローしていないユーザーが見ているサイト
図8 Instagramの企業公式アカウントをフォローしているユーザーが見ているサイト
■食中心にカバレッジの広いLINE、InsgtramとTwitterは得意ジャンルで突出
フォローしている企業の公式アカウントのジャンルは、SNSごとに特徴が出ています。LINEは比較的多くのジャンルをカバーしつつ、飲料・食品メーカー37.8%と飲食店30.8%が目立ちます。Instagramはファッションが37.8%、Twitterはエンターテイメントが38.7%と他SNSを引き離しました。
図9 フォローしている企業の公式アカウントのジャンル
■企業の公式アカウント、購入経験者比率ではLINEが優勢
アンケートでは、企業の公式アカウントをフォローしているユーザーのうち約5割が、SNSの企業公式アカウントをきっかけにした商品やサービスの購入経験があると回答しています。
購入率においては、Facebook・Twitter・LINEの3SNSで、飲料・食品メーカーが一番高いことがわかりました。Instagramはファッションの購入率が高くなっています。
購入経験者比率が最も高いのはLINEで、他SNSが30%台なのに対して、LINEでは48.3%と、半数近くのLINEユーザーがLINEの企業公式アカウントきっかけでの購入経験があると回答しています。
図10 企業の公式アカウントがきっかけで購入したことがある商品・サービス
(各SNSで公式アカウントをフォローしているユーザーにおける購買経験者率)
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