新型コロナ影響で内閣官房サイトの訪問者が370%増加、Zoomやハローワークも上昇率150%超え【3月急上昇サイト調査】

新型コロナ影響で内閣官房サイトの訪問者が370%増加、Zoomやハローワークも上昇率150%超え【3月急上昇サイト調査】

2020年3月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型の市場分析ツール「eMark+(イーマークプラス)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。今回はeMark+を使って訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2020年3月の急上昇サイトは?

まず、訪問ユーザー数の前月比が高い順にWebサイトをランキングしました。以下のトップ10をご覧ください。

順位サイト名前月比(%↑)
1内閣官房372.2
2Rakuten Pasha
317.5
3るるぶ&more.287.9
4ローソン銀行193.7
5ハローワーク(公共職業安定所)171.4
6Zoom154.9
7ティップアンドトリック132.4
8攻略大百科131.8
9LUXA(クレディセゾン共同)122.4
10外務省 海外安全ホームページ121.7

※eMark+データより。不適切なサイトを一部除外しています。

急上昇サイト1位は内閣官房

それでは早速、ランキングの1位から3位までを詳しく見ていきましょう。

1位:内閣官房

2020年3月のユーザー数増加率1位は、内閣官房の公式ホームページでした。世界中で感染拡大が続く新型コロナウイルスの影響が大きいと考えられます。

eMark+ではサイト内ページごとの訪問ユーザー数、PV数の推計値を見ることができます。実際にサイト内のコンテンツランキングを確認してみましょう。

「内閣官房」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

新型コロナウイルス感染症対策のページが大半でした。中でも1位のページが圧倒的にアクセスを集めていることがわかります。この1位は下記のように新型コロナウイルス感染症の特設ページになっていました。

4月7日に政府は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を発令し、生活にも大きな影響が生じています。実際にサイトに訪問して政府の対応を注視する人々の様子がうかがえるでしょう。

では、次に流入元を確認してみます。サイト訪問者はどのような経路で内閣官房のページを訪れていたのでしょうか。

「内閣官房」の流入元セッション数(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

上図のように、外部サイトからの流入が大半を占めていることが分かります。流入元となっている上位5サイトの内訳は次のようなものとなっていました。

「内閣官房」の流入元外部サイトランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

1位のYouTubeや3位のTwitterなどSNSからの流入が目立ちました。

Youtubeでは新型コロナウイルスのニュースが注目動画として取り上げられ、以下の図のように内閣官房のチャンネルがおすすめ欄に表示されるようになりました。この詳細ボタンを押して公式サイトに流入した人が増えたのではないでしょうか。

2位:Rakuten Pasha

続いて3月に訪問ユーザー数が急上昇したサイトの2位を見ていきます。

2位のサイトは、特定のレシートを撮って送ると楽天スーパーポイントがたまるポイントサイト「Rakuten Pasha」でした。急にアクセスが伸びたのは何故でしょうか。コンテンツランキングで確認してみましょう。

「Rakuten Pasha」のコンテンツランキング(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

1位、2位のページが訪問ユーザー数を多く集めていることがわかります。このURLを見てみると、下記のキャンペーンページとなっていました。

これは、買い物のレシートを送信すると抽選で100名様に対象レシートの合計購入金額分を全額、楽天ポイントでプレゼントするというキャンペーンです。世の中ではキャッシュレス決済化が進んでいますが、ユーザー集客のための一番のフックはこのようなポイント還元施策でしょう。

では、どうやってユーザーはこのページにたどりついたのでしょうか。流入元を見てみましょう。

「Rakuten Pasha」の流入元セッション数(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

外部サイトからの流入が目立ちます。どんなサイトから流入したのでしょうか。

「Rakuten Pasha」の流入元外部サイトランキング(対象デバイスはAndroidスマートフォン、「eMark+」画面より)

ランキングを見てみると、上位10位のうち7つのサイトは楽天系列サイトでした。系列サイト内の広告から流入した可能性があります。特に、1位のサイトの楽天カードも楽天ポイントが貯まりやすいため、ターゲット顧客が似ているのかもしれません。楽天のユーザー囲い込み戦略の一端がうかがえます。

3位:るるぶWeb

3位にランクインした「るるぶWeb」は、JTBパブリッシング社が発刊する旅行ガイドブック「るるぶ」のWeb版が集まったページです。その中でもどんな内容に注目が集まったのか、コンテンツランキングで確認してみましょう。

「るるぶWeb」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

ランキングの1位から10位までが「るるぶWeb」のサービスの1つ、女性向けおでかけメディアの「るるぶ&more.」へのアクセスという結果になりました。

流入コンテンツの1位は「ふわふわ食パンに旬のいちごがたっぷり!都内の萌え断フルーツサンド3選」。1記事のみで316万PVという驚異的な数字が計測されています(対象はPCデバイスのみ)。

ちなみに萌え断は「萌える断面」の略で、フルーツサンドの彩り豊かで美しい断面を形容しています。新型コロナ影響で外出できない状況が続いていますが、反動でおでかけ情報のWeb上のコンテンツ消費量が増えていた、と言えるかもしれません。

Zoomやハローワークも、新型コロナウイルスの影響か

3月は新型コロナウイルスの影響と思われる急上昇サイトが目立ちました。それぞれの要因を探っていきます。

5位:ハローワーク

5位にはハローワークのWebサイトがランクインしました。求職者に就職(転職)についての相談・指導や職業紹介を行う、国が運営するサービスです。コンテンツランキングを確認しましょう。

「ハローワーク」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

上図からわかるようにトップページや求人情報検索ページへのアクセスが急増していました。

流入元も確認します。

「ハローワーク」の流入元セッション数(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

上図からわかるように、お気に入りや自然検索や外部サイトなど流入方法は様々でした。特に多かった外部サイトと自然検索からの流入を詳しくみていきましょう。

「ハローワーク」の流入元外部サイトランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

外部サイト流入では、3位の「indeed」や5位の「求人ボックス」のように求人サイトからの流入が目立ちます。これは、求人情報の掲載元がハローワークになっているものが多いからかもしれません。例えば、「求人ボックス」の求人情報のいくつかは以下のように記載されています。

こうした外部サイトでハローワークの求人情報に触れ、流入するユーザーも一定数いそうなことが分かりました。

次は自然検索流入の検索ワードを確認します。

「ハローワーク」の検索キーワードランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

検索では直接「ハローワーク」と打ち込む人が多いことが分かりました。

訪問者数が増加した原因はおそらく、新型コロナウイルス感染拡大の経済不況によって失業者、あるいは失業を心配する人が増えたからでしょう。経済危機の実態が国内Webサイトのアクセス状況から見えてきます。

6位:Zoom

6位にランクインしたZoomはオンラインビデオ会議サービスです。3月のMAUはPC・スマートフォン合わせて250万人(推計値のため、実際はもっと多い可能性もあります)。在宅勤務中でも会議に参加できるため、ユーザー数が急増しています。こちらのコンテンツランキングを確認しましょう。

「Zoom」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

上記のランキングから1位はミーティングに参加し終えたページだと分かります。上位10位の大半はビデオ会議サービスの動作ページで、製品紹介に関するページは2位と4位だけでした。やはり、実際にオンライン会議を行っている様子がうかがえます。

3月は新型コロナウイルスの拡大防止のため、リモートワークや自宅学習が推奨されました。その結果、オンラインで仕事をする人が急増したため、Zoom利用者も急増しアクセス数が伸びたと言えます。

8位:攻略大百科

8位にランクインした「攻略大百科」はNintendo Switch、スマホゲーム、PlayStaion4、3DSなどのゲーム攻略情報、ゲームの予約販売、限定特典情報などをお届けするゲーム情報メディアです。どんなページが見られているのか確認しましょう。

「攻略大百科」のコンテンツランキング(対象デバイスはPC、「eMark+」画面より)

上位10位のほとんどが、Nintendo Switch用ゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」に関する記事でした。この「あつまれ どうぶつの森」は発売当初から売れ行きが好調でしたが、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要が重なって爆発的に人気となりました。

このように「あつまれ どうぶつの森」の利用者が急増したため、攻略情報を求めてサイトに訪問する人が増えたと考えられます。

また、本サイト・マナミナでは「あつ森」の利用実態調査を行いました。気になる方は参照してみてください。

新型コロナ影響も?“あつ森”にユーザーがあつまり中! ヒット作「あつまれどうぶつの森」を調査

https://manamina.valuesccg.com/articles/800

3月20日、Nintendoの人気シリーズ「どうぶつの森」から、最新作「あつまれどうぶつの森(以下、あつ森)」がリリースされました(Nintendo Switch版)。発表から期待が高まっていたところに、新型コロナウイルスによる外出自粛など予期せぬ情勢も加わり、かなりのユーザーが動いているようです。そこで今回は、あつ森ユーザーの行動について徹底分析します。

まとめ

最後に3月の急上昇サイトと、その増加要因をまとめます。

3月はやはり新型コロナウイルスの影響が色濃くランキングに出たと言えるでしょう。ユーザー数急上昇サイトの1位は内閣官房のホームページで、特に「感染症対策ページ」に注目が集まりました。

また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で仕事が減った人、失業する人の増加もうかがえます。その結果求人サイトの閲覧者数が急増し、ハローワークWebサイトへの流入が増加したと考えられるでしょう。

他にも、外出自粛要請によって多くの企業がリモートワークや在宅勤務の必要性に迫られました。これが、家でも会議が可能になるオンラインサービス「Zoom」のアクセス数急増につながったと言えるでしょう。また、長い自宅待機を余儀なくされた人も多く、巣ごもり需要によってゲームソフトの利用者が増加しています。そのため、攻略サイト「攻略大百科」のアクセス数も伸びたと考えられます。

本調査は国内Webサイト・アプリの利用実態が簡単に分析できるSaaS型ツール「eMark+(イーマークプラス)」を用いて行いました。国内Webサイトランキングは無料で使用できるので、さらに詳しく国内トレンドを調べたい方はeMark+を使用してご覧ください。

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調査概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2020年3月に訪問ユーザー数が前月比で急上昇したサイトを分析しました。

※対象期間:2020年3月
※ユーザー数:該当サイトを訪れたUnique User数
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

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この記事のライター

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編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

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