ソーシャルリスニングの目的
消費者の声を収集する方法として、アンケート調査がよく使われますが、回答内容は質問の範囲に限られてしまう傾向があります。
一方、消費者が自由に意見や感想を発信するソーシャルメディアでは、会社・ブランド・商品に対する消費者のリアルな評価を集めやすい特徴があり、これをマーケティングに活かす方法が「ソーシャルリスニング」です。
「ソーシャルリスニング」を行うと、消費者目線のマーケティングができるほか、ネガティブな意見が多い場合、事態が炎上に至る前に収められる可能性がある、といったメリットがあります。
デメリットとしては、匿名性の裏返しとしてプロフィールがわからず精査が難しかったり、情報量が膨大で必要な情報の抽出が難しい、といった点が挙げられます。しかし、情報量が膨大という点はツールで補完できます。
ソーシャルリスニングができる有料ツール
ソーシャルメディアに集まる膨大な情報を収集・分析するには、ツールの利用が一般的です。本格的な利用にはサーバーやネットワークのリソースを必要とするため、有料のツールが提供されています。
例として4つのソーシャルリスニングツールを紹介します。
■BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長(旧「クチコミ@係長」)
国内最大級のデータ量を保持し、大手企業を含む1000社に導入されている口コミ分析ツールで、分析SNSはTwitter、国内ブログ、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)です。なお、2ちゃんねるのデータは独占提供となっています。
BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長 - 業界No1のソーシャルリスニングツール|ホットリンク
https://service.hottolink.co.jp/service/kakaricho/ホットリンクが提供するBuzzSpreader Powered by クチコミ@係長は、ソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに収集・蓄積し、自由な切り口で検索・分析するためのソーシャルリスニングツールです。あたかも生活者の頭の中を観測するように、ユーザーの本音に近い情報をリアルタイムに把握することができます。
■Social Insight
Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeに対応し、口コミ分析、SNS効果測定、レポート作成、投稿配信をサポートします。日本発で対応SNSが多く、炎上対策機能も備えています。
ソーシャルインサイト(Social Insight) | ソーシャルメディアの解析・運用
https://social.userlocal.jp/ソーシャルインサイトは主要なSNSすべてを分析でき、複数のSNSアカウントを一括管理・運用できるSNSマーケティング支援サービスです。
■AISIGHT
Instagramの分析に特化している「AISIGHT」。自社アカウントにおけるユーザー属性や趣味・好みなどをプロファイリング、競合アカウントの投稿まで、さまざまな角度から分析できるようになっています。
Instagram版SEO分析ツール AISIGHT(アイサイト)
https://aiqlab.com/aisight/AISIGHT(アイサイト)はAIであらゆるデータを可視化するInstagram版SEO分析ツールです。弊社独自のプロファイリングAIで、アカウント・フォロワー 投稿内容を、 競合を含め、あらゆる角度で分析。エンゲージメント率の高いファンの獲得を戦略的に。ハッシュタグの適正化で購買効果を高めましょう。
■見える化エンジン
「見える化エンジン」はブログ・TwitterといったSNSやアンケート、問い合わせ履歴といったユーザーの声をテキストマイニングにより分析し、ニーズや課題を直感的に把握できます。
業界シェアNo.1テキストマイニング、顧客体験フィードバックシステム
https://www.mieruka-engine.com/テキストマイニング・顧客体験フィードバックシステム「見える化エンジン」は、問い合わせ・コールログ分析をはじめTwitter、Instagramなどのソーシャル・アンケートの収集から分析、webレポート共有が可能。顧客体験の可視化、改善にお役立ちいただけます。あらゆる場面での顧客の声活用を支援します。
ソーシャルリスニングに使える無料ツールも!
新たにツール導入となると、予算的な問題ですぐには実現できない場合も多いのではないでしょうか?こうした場合は、以下に紹介する無料のソーシャルリスニングツールの利用をおすすめします。
■Googleトレンド
最新のトレンドを即座にチェックしたい場合に有効なのが「Googleトレンド」です。トップ画面に最新の急上昇ワードが常時表示されているほか、特定のキーワードやトピックがGoogleでどれぐらい検索されているかが、関連記事の一覧とともにチェックできるようになっています。
また「調べる」の機能から、入力したキーワードがGoogleでどれぐらい話題になっているかをグラフで表示し、可視化しやすくなっています。そのほかにも期間を指定して、特定のトピックの話題量の推移を確認や、競合トピックとの比較ができるようにもなっています。
ただし、検索ボリュームが大きなものを対象としているため、特定の型番などの細かな傾向は把握できません。世間では◯◯がブームになっている、などの大きな傾向を捉えるのに適しています。たとえば、最近話題の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」ですが、突如ブームとなりすでに沈静化しつつあるという検索ボリュームの推移が確認できます。
■Googleキーワードプランナー
Googleが保有する膨大な検索データを利用し、Web広告配信のキーワード探しや、キーワードごとの月間検索数を確認に利用されているツールが「Googleキーワードプランナー」です。
「Googleキーワードプランナー」は広告出稿用のツールですが、検索ボリュームを確認してWebコンテンツ制作する場合にも活用されています。
ソーシャルリスニングでは、調査したいキーワードにどのくらいの検索ボリュームや関連したニーズがあるかを把握するのに役立ちます。
■Twitterの高度な検索
TwitterやInstagramの口コミを使って、自社の商品やサービスがどのように受け入れられているかを確認する方法は、ソーシャルリスニングではよく行なわれています。また炎上の兆しを捉えることで、早期に対応できる可能性があります。
有料のツールでは色々な機能が使えますが、無料で調査する場合、Twitterの「高度な検索」を利用するのがおすすめです。たとえば、最近のTwitterでは最大3,200件しかタイムラインを遡れないため、昔のTweetを表示しきれないことがあります。「高度な検索」で期間ほかの細かい条件を指定することで、この制限をクリアすることができます。
また単に商品名、サービス名を入力して反応を探れるのはもちろん、感情を表すワードと組み合わせて検索すると、ユーザーのインサイトにどのように反応したのかを調べられます。このように検索したいワードに別のワードを付け足して検索し、ユーザー心理をはかるほかにも、期間や地域、言語といった要素を加味した検索から、思いのほか多くの情報獲得も期待できます。
twitter.comでは、高度な検索オプションを使って探しているツイートを見つけることができます。
■Instagramインサイト
自社でInstagramを利用している場合、Instagramインサイトから運用アカウントのフォロワーの情報(年齢、男女比、性別、地域など)や、それぞれの投稿に対してどのような時間帯でアクションが起こっているかを分析できます。
ソーシャルリスニングの目的である“口コミ”の収集、分析は「ハッシュタグ分析」で行います。自社商品、サービスのハッシュタグを収集し、どれぐらい拡散したのかを調査します。このときに自社商品名、サービス名がどのようなワードと組み合わされるのかをテキストマイニングで分析すると、最適なハッシュタグの付け方や投稿のタイミングを把握できます。
Instagramインサイト利用にあたっての注意点は、PCからのアクセスはできない点と、プロアカウントが必要な点です。Instagramを「プロアカウント」に切り替えると、Instagramインサイトなどのビジネス向け機能が使えるようになります。
About Instagram Insights | Facebook Business Help Center
https://www.facebook.com/business/help/441651653251838?id=419087378825961You can use Instagram Insights to learn more about your followers and decide how to improve your content for your audience.
■Dockpit
DockpitはWeb行動ログを中心とした分析ツールです。ヴァリューズが保有する国内250万人規模の消費者パネルのWeb行動データから、自社だけでなく他社も含む様々なWebサイトのアクセスログ、検索キーワードと属性情報の掛け合わせでターゲットユーザーの関心ごとを確認したり、複数サイト間のユーザー比較やユーザー属性、人気コンテンツを把握できます。
Dockpitでは、サマリーした分析結果が視覚的にわかりやすく表示されるため、どのデータに注目すれば良いのか一目瞭然。データ分析初心者の方にもおすすめできます。
無料版でも多機能なDockpit、以下の記事で詳細を紹介していますので、ぜひご一読ください。
これ1つでユーザーニーズの分析からトレンドの把握まで!『Dockpit(ドックピット)』のキーワード分析機能まとめ
https://manamina.valuesccg.com/articles/1055ヴァリューズが開発し10月に正式リリースしたダッシュボード型マーケティングツール『Dockpit(ドックピット)』にはキーワード分析、競合分析、業界分析、トレンド分析の4つの機能が備わっています。今回はその中から「キーワード分析」に着目し、分析の流れから活用方法まで詳しくご紹介します。
市場調査を無料でできる?マーケターのためのリサーチエンジン「Dockpit」の無料版を使ってみた
https://manamina.valuesccg.com/articles/1205Webサイト改善、SEO対策、コンテンツマーケティング、メディアプランニングなど、デジタルマーケティングに欠かせない市場調査や競合調査、検索キーワード分析。これらが1つのツールで簡単に把握できる「Dockpit(ドックピット)」から、一部機能を無料で使える無料版がリリースされました。無料でどんなことができるのか、マナミナ編集部で早速試してみることに。本稿で詳しくレポートします。
まとめ
ソーシャルリスニングは、トレンドや消費者心理の移り変わりが速い昨今において、マーケティングにおいては欠かせない要素になっています。
ソーシャルリスニングツールはあまたありますが、これから始めようという場合、とくに今回紹介した無料ツールを利用するのがおすすめです。どれかひとつだけではなく、事業の内容、マーケティングの種類によっては複数を組み合わせると、有料ツールに匹敵する可能性もでてきます。
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