【媒体調査】TikTokのユーザー像を媒体資料×Webログデータで読み解く。フィットネスや料理など実用的ジャンルが人気上昇

【媒体調査】TikTokのユーザー像を媒体資料×Webログデータで読み解く。フィットネスや料理など実用的ジャンルが人気上昇

若者を中心に世界中で多数のユーザーを抱える動画配信プラットフォーム「TikTok」。そのユーザー像はどんな人なのか、ユーザーの属性や興味関心を寄せている分野を媒体資料とWeb行動ログデータをかけ合わせて分析していきます。


コンテンツが多様化するグローバルDL数20億以上のSNS「TikTok」

「TikTok」は、中華人民共和国のByteDance社が運営する、スマートフォン向けのショートビデオプラットフォームです。ユーザーは自身で作成した15秒~1分ほどのショートムービーを他のユーザーに向けて発信するか、もしくは同じように他者が作成した動画を視聴する、というのが基本的なサービスの使い方です。

その他、TikTokでは作成した動画に「倍速再生」などの各種エフェクト(視覚効果)をかけることもでき、短い尺の動画ながら、誰でも視聴者を楽しませるユニークな作品を投稿できるような仕組みとなっています。

サービスのグローバル展開、利用方法の特徴

出典:「TikTok」媒体資料(2021年8月時点)

媒体資料から、TikTokのプラットフォームの1つ目の特徴としては、世界150か国・75言語というグローバル展開の規模の大きさが挙げられます。

TikTokは、中国では「Douyin(抖音)」というサービスで展開されており、2016年9月にローンチされました。サービスインから1年足らずで1億を超えるMAU(中国/タイ のユーザー数合算)にまで急成長しています。その後、日本国内でも流行を見せ始めた2018年を経て、2021年現在では世界150か国以上での展開と、5億人を超えるMAUを誇るプラットフォームにまで成長しています。

媒体資料には、利用ユーザーの平均視聴時間が62分(2021Q1)という記載もあり、1人あたりのユーザーが1時間以上もTikTokでの動画視聴を行っていることがわかります。さらに、2020Q1では52分だった平均視聴時間が、約1年間で10分も視聴時間が伸びていることも特筆すべき数値です。

ユーザーの人気を集めるジャンルとその変遷

最新の媒体資料では、サービスが流行し始めた当初と比較して、TikTok内での人気ジャンルに変化が生まれていることにも触れられています。

出典:「TikTok」媒体資料(2021年8月時点)

人気が上昇している動画には、「フィットネス」「楽器・歌」「料理・グルメ」といった、より"実用的な"ジャンルが挙げられています。同じく、「アニメ・漫画」「エンタメ」といった娯楽ジャンルや、「ペット」「赤ちゃん」などのいわゆる"癒し系"のジャンルも伸びが大きいようです。一方、世間一般が持つ"TikTokに投稿される動画のイメージ"だと思われる、「ダンス」「口パク」「自撮り系」などのジャンルは、ここ2年ほどで人気が下降傾向にあるようです。

実用的な動画や全世代に広く求心力のあるコンテンツが伸びてきていることから、TikTokは徐々に、流行し始めた頃の一部セグメントだけが興味を持つコンテンツ中心ではなくなってきていると考えられます。YouTubeなどに代表される多目的・多角的なコンテンツを提供するプラットフォームとして成長しているのではと推測されます。

こういった傾向を生んでいるのは、大きく下記3つの背景があるからではないかと筆者は考えます。

・TikTokが特定のセグメントに限定されないユーザーまで広く浸透したことで、発信されるコンテンツの偏りが減り"一般化"が進んでいる
・Instagramの「ストーリー」など、他プラットフォームでもショートムービーの認知や実装が進んだ結果、TikTokと併用するユーザーが増えている
・特に「フィットネス」や「料理・グルメ」などのハウツー系コンテンツは、ショートムービーとの相性が良いため投稿数が増えている

このように、動画プラットフォームを取り巻く全体的な変化も相まって、TikTokに投稿されるコンテンツがバラエティ豊かなものになりつつあるのでは、と感じます。多様なコンテンツが投稿されるようになったことで、ユーザーの平均視聴時間がさらに伸びている可能性もありそうです。

この媒体資料から読み取った内容を元に、次は定量的なデータからTikTokユーザーのインサイトを探ってみましょう。

TikTokユーザーが興味関心を寄せるジャンルをWebログデータで分析

ヴァリューズのWeb行動ログデータを用いて、TikTokユーザーが興味関心を持っている分野を定量的に分析していきます。

「歌手」「俳優」「ダイエット」…女性の好むジャンルに人気が集まる

まずは、TikTokユーザーが興味を持つそれぞれの興味分野を、「リーチ率」と「特徴値」という2つの指標へプロットした図を見てみます。

上の図の縦軸「リーチ率」と横軸「特徴値」は、以下の定義に基づいて算出されています。

リーチ率
対象者のうちアンケートで当該項目に回答した人数の比率
特徴値

対象者が一般的なネット利用者と比べて特徴的に利用するサイトや起動するアプリ、

検索するワードを可視化するための指標。

(対象者のリーチ率)ー(ネット人口全体のリーチ率)で計算

端的に言えば、「リーチ率」が高いほど興味・関心を持っているユーザーが多いジャンルです。加えて、「特徴値」は一般的なネットユーザーと比べ顕著に出ている分野ほど高くなる数値なので、「リーチ率」と合わせて考えると、グラフ右上に位置するジャンルほどTikTokユーザーが特有に興味・関心を持っているジャンルだと考えることができます。

実際に右上に位置する分野を見てみると、「歌手・ミュージシャン」「俳優・女優」といった項目に、TikTokユーザーが大きく関心を寄せていることがわかります。これは、媒体資料にあった「エンタメ」「楽器・歌」といった人気上昇傾向にあるジャンルを想起させます。同じく、「ダイエット」というジャンルに関心が高いことも、資料にあった「フィットネス」分野の人気が上昇していることを裏付けるものとなっています。

逆に、「マンガ」「ゲーム」「アニメ」といったサブカルチャーに興味がある TikTokユーザーは相対的に少ないようです。同様に、「お酒」「車」「スポーツ観戦」といったジャンルに興味を持つユーザーも多くない様子。この"興味を持つジャンル"・"興味を持たないジャンル"を俯瞰して見る限り、TikTokの利用ユーザーは男性よりも女性の割合が大きいと推測できると思います。

ジャニーズ関連サイトの併用が目立つ

TikTokのユーザーが閲覧している、その他のサイトをランキング形式(特徴値で降順/上位20サイト)でまとめると以下のようになります。

ランキングを見ると、ジャニーズ関連のサイトが1位・3位・5位・7位・8位にランクインし、上位を席巻しています(※7位の「FREESTYLE 2020 POP UP STORE」は嵐の大野智さんの個展で販売されたグッズのオンラインショップ)。

これに加え、女性向けの脱毛サービスや美容整形クリニックもランクインしていることから、やはりTikTokには若い女性のユーザーが多く集まっていることが推察されます。

また、4位の「Video Cyborg」(動画ファイルを簡単にダウンロードできるWebアプリケーション)や12位の格安のWiFi商品からは、TikTokの好きな動画を保存したり外出先でも長時間視聴したり…といったへービーユーザーの存在も窺えますね。

併用アプリにはデジタルネイティブ・Z世代の特徴が大きい

最後に、TikTokユーザーが多く利用するアプリのランキング(特徴値で降順/上位20サイト)も見てみましょう。

ランキングを見ると、多くのユーザーが「Instagram」「Twitter」「Facebook」といったSNSを併用している様子です。加えて、「メルカリ」「Amazon」といったEコマースのアプリも併用が多く、デジタルネイティブな特徴を持つ"Z世代"に属するユーザーが多そうな印象です。

「Amazon Prime Video」や「Tver」、「ABEMA」といったVODも上位にランクインしているのは、動画視聴という観点でTikTokユーザーとの親和性が高いためでしょう。その他、「LINE MUSIC」や「Spotify」といった音楽ストリーミングサービスや、「Uber Eats」「SNOW」といった若者の利用が多いアプリも多く並び、やはり若年層がメインユーザーになっていることが窺えます。

TikTokユーザーの特徴をまとめる

ここまで分析してきた内容から、最新の「TikTok」ユーザーの特徴をまとめると以下のとおりです。

• ここ数年は「エンタメ」や「フィットネス」「料理」などの実用的なジャンルの動画人気が高まり、反対に「ダンス」「自撮り」といったジャンルの人気は低下傾向
• 「マンガ」「ゲーム」「スポーツ観戦」といった男性の好むコンテンツよりも、「ミュージシャン」「俳優」といった女性的な分野に興味関心が高い
• 男性アイドルへの関心の高さや併用アプリに若年層の特徴が大きいことから、ユーザーのボリュームゾーンはZ世代を中心とした"若い女性"である

本調査が、皆さんのマーケティング業務や市場調査などに役立ちますと光栄です。

【調査概要】
期間:2020年8月~2021年7月
n=2,000人
TikTokのアプリ利用の前後180分の行動ログから分析
※モニターは全国の20代以上男女

▼本メディア・マナミナでは各種の媒体調査を実施しています。広告出稿を行う時の参考にしてみてください。

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この記事のライター

国内大手の採用メディア制作部を経てフリーライターとして独立。現在はWebマーケティング、就職・転職、エンタメ(ゲーム・アニメ・書籍)等の各種メディアにて記事制作を担当。「マナミナ」では一人でも多くの読者に楽しく読んでもらえるマーケティングコンテンツを提供していきます。

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