2021年 中国市場のトレンドまとめ|中国トレンド調査

2021年 中国市場のトレンドまとめ|中国トレンド調査

2021年に中国ではAI家電をはじめとした様々なスマート製品がZ世代の中でトレンドとなりました。中国では急成長の美容医療市場とシルバー経済についても成長の背景を探っていきます。


スマート製品の普及

昨年12月29日に中国の動画共有サイトbilibiliによって「bilibili Z100」というランキングリストが発表されました。このランキングリストではZ世代に最も人気な商品(中国のブランドのみ)TOP100が示されていました。

「bilibili Z100」にランクインした商品を分析してみると、そのうちの42.4%が電子製品やIoT・AI製品、テクノロジー製品だということがわかりました。スマホやパソコンのような電子機器はもちろん、オフィス家具・事務用品や家電製品、乗りもの、ペット用品におけるIoT・AI製品とテクノロジー製品の割合も高めです。

「bilibili Z100」にランクインした商品のうちの電子製品やIoT・AI製品、テクノロジー製品の割合

■オフィス家具・事務用品

中国の若者は仕事環境を改善するためになら、オフィス家具・事務用品に金銭と精力を惜しまないところがあります。

仕事と直結するオフィス家具として、電動昇降デスクや人間工学に基づいたオフィスチェアは一番最初に取り入れられる商品です。中国の人間工学椅子ブランド「SIHOO」の動画にはこのようなコメントがありました。

今『SIHOO』のオフィスチェアに座ってこの動画を観ている。最近椅子の購入を検討している友達みんなに人間工学椅子をお勧めしている。1700元(約3万円)はするけど、みんな買ったよ。なぜなら、私は椎間板ヘルニアの手術で6万元(約109万円)も費やしたからさ。

また、いわゆる事務用品とは少し毛色が異なりますが、AIを活用したネックマッサージャーや空気洗浄機・加湿器などの製品もかなり人気のようです。

■家電製品

「bilibili Z100」にランクインした家電製品は12品ありましたが、そのうちの8割以上がAI製品となっています。

必需品であるエアコンやファンヒーターから、生活を豊かにするプロジェクターまで、とにかくAI技術が導入された物が人気です。また、若年層が最も好むAI家電といえば、やはりロボット掃除機や炊飯器、食器洗い乾燥機などの家事関係の製品のようです。

若年層の家電製品購入時の重視点

このランキングは昨年の初めに天猫(Tmall)が予測した2021年の中国市場のトレンドとも合致しています。

天猫(Tmall)の予測では、中国の若年層は家事をすると幸福感が低下すると感じ、家事から解放されたい欲求が高いため、スマートホーム製品はますます需要が高まるだろうとのことでしたが、実際「bilibili Z100」にランクインした製品と、2021年の中国スマートホーム製品市場規模(5,800.5億元/約10.5兆円)を見ても、その予測には間違いはなかったでしょう。

■乗りもの

中国では乗りものに関しても、Z世代はAIを好むようです。「bilibili Z100」にランクインした乗りもののうち、66.7%はAI搭載の自動車や電動自転車、ひいては電動キックボードもAI技術が取り入れられたものの方が人気です。

■ペット用品

AI家電と同様、2021年では自動猫トイレや自動給餌器などのペット家電の需要が大きくなると天猫(Tmall)は予想しました。それを裏付けるように、「bilibili Z100」にランキング入りしたペット用品はわずか4品しかない中、そのうちの1つがペット用品ブランド「Petkit」の自動給餌器でした。

美容医療

「2021美容医療業界白書」によれば、2021年の中国美容医療の産業規模は1846億元(約3.36兆円)に、美容医療サービスの消費者は1813万人になる見込みです。

また、2020年の105.7%という前年比と比べて、2021年の伸び率は21.6%であることからも、中国美容医療市場の成長と消費者による急速な需要の増大がうかがえるでしょう。

その最も重要な理由として、男性消費者の増加が挙げられます。

従来、美容医療サービスの消費者は9割ほどが女性でしたが、過去3年間の男性消費者の増加率はいずれも女性を上回っていることが、美容整形アプリ「SOYOUNG」のデータによって示されています。

特に2021年では、女性消費者の対前年同期比増加率が10.78%であるのに対して、男性消費者は65%と、女性の増加率の約6倍でした。付け加えると、美容医療サービスの利用だけでなく、男性化粧品市場の急成長も興味深いところで、中国人男性の美意識の変化を反映しているでしょう。

美容医療サービスの消費者の男女比とそれぞれの対前年同期比増加率

シルバー経済

シルバー経済は高齢者のレジャーや買い物、もしくは高齢者のケアのためのサービスなどを指します。

中国では60歳以上の人口は既に2.64億に達し、総人口の18.7%も占めています。

また、2021年11月11日に行われた中国の年間最大のECセールイベン「W11(ダブルイレブン)」に高齢者ユーザーが積極的に参加したことと、高い購買力を持つ高齢者の対前年同期比が1.9%増という「2021シルバー経済洞察報告」による調査結果から分かるように、中国における高齢者の消費意欲と購買力は高いです。それにもかかわらず、中国のシニア産業の展開はかなり遅れているのが現状です。

この状況に応じて、2021年11月24日に「中共中央国務院による新しい時代における高齢者の就業促進に関する意見」が発表され、シルバー経済の支援と高齢者のケアのためのサービス向上が呼びかけられました。従って、今後のシニア市場を取り巻く環境は次第に整えられていき、それと同時にシルバー経済も大いなる成長を遂げると考えられます。

まとめ

昨年度の中国のZ世代に最も流行ったのはスマート製品であり、これからも流行し続けるでしょう。特に、スマート製品は若年者よりも、むしろ高齢者の方の役に立つと思われますので、これからのシルバー経済の成長を考えると、スマート製品は幅広い年代の方を虜にしていくと考えられます。

美容医療市場も昨年は絶好調でした。また、男性の美意識の変化や高齢者の利用者数の増加、コロナ禍におけるマスク着用による肌トラブルの増加など、様々な要因によって美容医療市場はこれからも更なる成長を果たすでしょう。

<参考文献>
「B站上好评最多的产品,为什么是它们?」
https://www.36kr.com/p/1549373622649990
「B站Z100榜单出炉 揭晓年轻人的百大口碑国货」
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1720466802840072541&wfr=spider&for=pc
「用AI营造有安全感的家—— 2021智慧家居趋势报告」
https://www.cbndata.com/report/2795/detail?isReading=report&page=1
「2021年会有哪些新鲜玩意?天猫说了7个字。」
https://m.sohu.com/a/443490173_120538942/
「36氪研究:2019十大巢流生活用户调研报告」
http://www.199it.com/archives/887105.html
「2021医美年终盘点:同比增长21.6%后,行业仍需翻越三座大山」
https://www.36kr.com/p/1548493662169097
「2021年中国男性化妆品市场规模及发展趋势分析」
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1699432699204983947&wfr=spider&for=pc
「中国で活発化する「銀髪経済」 コロナ禍で高齢者の情報格差が解消」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4773a5ff9fc8fb95f7b1dfc5a70e6739fa7960e
「中国老龄人口逼近3亿,“60后”会催生银发经济龙头企业吗?」
https://www.cbndata.com/information/220818
「营销周报|电商平台深入探索垂直领域,冬奥会成品牌营销热点」
https://www.cbndata.com/information/227324
「“老人与蓝海”,布局银发化妆市场是否为时尚早?」
https://www.cbndata.com/information/219813

この記事のライター

中国出身の留学生。立教大学大学院に在学中。

関連するキーワード


中国トレンド調査 中国市場

関連する投稿


「防老」から「享老」の時代へ ~ 中国シニア市場の新動向と日本企業の参入機会

「防老」から「享老」の時代へ ~ 中国シニア市場の新動向と日本企業の参入機会

変わりゆく中国の高齢化の現状やシニア層の価値観・ライフスタイル。その変化を体系的に紹介するとともに、従来の医療・保障を中心とした「防老」(老後の備え)から、自我実現や社会参加を目的とした「享老」(老後の享受)へとシフトする消費心理および市場動向について解説。中国市場参入を計画する日本企業にとって、参考となる中国シニア市場の今をまとめました。


中国の若者に人気なのはドッグフードならぬ「ヒューマンフード」?「人糧」の魅力とは

中国の若者に人気なのはドッグフードならぬ「ヒューマンフード」?「人糧」の魅力とは

中国の社会人の若者の間で、「人糧」と呼ばれる食事が今、人気を集めています。「ドッグフードの人間版」のような自虐的なニュアンスの名前を持ちながら、忙しい彼らにとって生活の助けになっています。本稿では、この人糧の特徴や魅力について紹介します。


中国自動車市場は新時代へ~中古車取引量急増で新車販売数に肩を並べる

中国自動車市場は新時代へ~中古車取引量急増で新車販売数に肩を並べる

2026年、中国の自動車市場は歴史的なターニングポイントを迎えました。2026年7月のデータによると、新車と中古車の取引比率が初めて1:1に達しました。この構造的変化の背景にはどのような要因が隠されているのでしょうか。そして、この変化は業界エコシステムの再構築にどのような可能性をもたらすのでしょうか。さらに、中国の中古車市場が直面する新たな機会、課題、そして取り組むべきテーマとは何なのか、この全く新しい領域についてレポートをします。


中国乳製品市場が健康ニーズと共に拡大中

中国乳製品市場が健康ニーズと共に拡大中

中国では、冷蔵牛乳やチーズ、バターなどはもちろん、日本では馴染みのない、常温保存が可能で半年以上鮮度を保つロングライフの牛乳やヨーグルトも親しまれています。基礎的な栄養補給が目的だった乳製品は、消費者のニーズに伴ってより高い付加価値が求められるようになりました。この記事では、現在の中国乳製品市場のトレンドを紹介します。


中国で抹茶が若者を中心に人気拡大。その魅力は?

中国で抹茶が若者を中心に人気拡大。その魅力は?

近年、中国の抹茶人気が高まっています。抹茶飲料だけでなく、アイス、ジェラート、チョコ、ラテ、お酒など数えきれないほどの抹茶商品が登場しており、「万物皆可抹茶(なんでも抹茶味にできる)」という言葉ができるほどです。この記事では、このような抹茶人気の背景にある要因を紹介します。


最新の投稿


Gunosy、ニュースの「この先」を予想する新機能「グノシー予想」を提供開始

Gunosy、ニュースの「この先」を予想する新機能「グノシー予想」を提供開始

株式会社Gunosyは、同社が提供する情報キュレーションアプリ「グノシー」において、ニュースの先の展開を読者が予想し、結果とその背景を解説や関連記事で確かめられる機能「グノシー予想」の提供を開始しました。


ヴァリューズ 齋藤ロベルト義晃が 一般社団法人 日本エビデンスベーストマーケティング研究機構(EBMI)の「主任研究員」に就任 —「根拠のあるマーケティング」のさらなる発展と実務への応用を牽引

ヴァリューズ 齋藤ロベルト義晃が 一般社団法人 日本エビデンスベーストマーケティング研究機構(EBMI)の「主任研究員」に就任 —「根拠のあるマーケティング」のさらなる発展と実務への応用を牽引

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)と一般社団法人日本エビデンスベーストマーケティング研究機構(代表理事:木田浩理、以下「EBMI」)は、ヴァリューズの齋藤 ロベルト 義晃が、EBMIの「主任研究員」に就任したことをお知らせいたします。


AI前提の組織で人材価値を高めるリサーチキャリア【目標設定編:AI導入で転換点を迎えるリサーチャーの評価指標】|現場のユーザーリサーチ全集

AI前提の組織で人材価値を高めるリサーチキャリア【目標設定編:AI導入で転換点を迎えるリサーチャーの評価指標】|現場のユーザーリサーチ全集

リサーチャーの菅原大介さんが、ユーザーリサーチの運営で成果を上げるアウトプットについて解説する「現場のユーザーリサーチ全集」。10月本稿では、「AI前提の組織で人材価値を高めるリサーチキャリア」と題して、【目標設定編:AI導入で転換点を迎えるリサーチャーの評価指標】を解説します。


年末商戦の買い物で52%が「AIを利用する可能性あり」【Shopify Japan調査】

年末商戦の買い物で52%が「AIを利用する可能性あり」【Shopify Japan調査】

Shopify Japan株式会社は、2026年のホリデーシーズンにおける消費者の購買行動および事業者の動向に関する調査のうち、日本市場の結果を発表しました。日本では消費者2,000人、事業者の経営者・意思決定者500人が回答。ブラックフライデー・サイバーマンデー(BFCM)、クリスマス、年末年始商戦に向けた買い物への姿勢やAI活用、商品情報の整備状況などを調べています。


博報堂とHakuhodo DY ONE、AIに推奨されやすい商品説明文を自動生成

博報堂とHakuhodo DY ONE、AIに推奨されやすい商品説明文を自動生成

博報堂とHakuhodo DY ONEは、AIエージェントが自律的に商品を理解・選択するための商品データを整備する「Data Enrichment for 商品インサイト」の提供を開始しました。次世代コマース統合ソリューション「Agentic Commerce ONE™」の新たなラインナップとして、商品スペックと体験価値の因果関係を言語化し、AIに推奨されやすい商品説明文を自動生成するといいます。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ