国内の民泊サイト最新動向と利用ユーザー調査

国内の民泊サイト最新動向と利用ユーザー調査

Airbnbの利用者数が突出。民泊ホスト向け情報メディアも急成長!


 ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、国内の民泊サイトのアクセス数と利用ユーザーの特徴について調査・分析しました。

※本調査は、2018年5月19日に大阪にて開催された、日本観光研究学会関西支部主催の第15回「関西から観光立国・立圏を考える」意見交換会において、『観光振興における民泊の役割を多面的に考える』をテーマとしたパネルディスカッションに弊社代表が登壇し、発表した内容をご紹介したものです。

分析概要

全国のモニター会員(20代以上)の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、民泊サイトについて調査・分析した。
※サイト訪問者数はPC、Androidスマートフォンからのアクセス数を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
【調査対象の民泊サイト】
・民泊仲介サイト
「Airbnb」www.airbnb.jp
「HomeAway」www.homeaway.jp
「STAY JAPAN」stayjapan.com
・民泊情報メディア
「MINPAKU.Biz」min-paku.biz
「民泊の教科書」minpaku.yokozeki.net
「Airstair」airstair.jp
「民泊大学」minpaku-univ.com

考察サマリ

民泊仲介サイトの中ではAirbnbの利用者数が突出。推計で月間約70万人がサイトを訪問。

観光庁の発表によると、2018年の訪日外国人数(推計値)は4月25日時点で1000万人を突破。これは前年より約半月早く、過去最速のペースとのことです。
訪日外国人は年々増加しており、2020年には東京オリンピックも控えています。慢性的な宿泊施設の不足も懸念される中、一般の民家に泊まる「民泊」が注目を集めています。2018年6月15日には「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行され、これにより、民泊ホストは都道府県へ届出をすることで、旅館業法の許認可がなくとも民泊を運営することが可能となります。民泊サービスが推進される中、国内の民泊サイトは実際どのように利用されているのでしょうか。

主要な民泊仲介サイトである「Airbnb」、「HomeAway」、「STAY JAPAN」の3サイトについて、2016年4月~2018年3月まで2年間の国内のサイト訪問者数を、月別の推移で見てみました【図1】。

民泊仲介サイトの中ではAirbnbの利用者数が突出しており、直近では推計で月間約70万人がサイトを訪問しています。

【図1】民泊仲介サイト「Airbnb」「HomeAway」「STAY JAPAN」サイト訪問者数推移

民泊ホストを主要ターゲットとする民泊情報メディアのサイト訪問者数についても同様に調査したところ【図2】、各サイトとも訪問者数が増加傾向にあることがわかりました。特に「MINPAKU.Biz」は、2017年3月に民泊新法が閣議決定されて以降、サイト訪問者数が上昇し、今年2018年に入ってからさらに伸びています。民泊ホスト側の関心の高まりがうかがえます。

【図2】民泊情報メディア「MINPAKU.Biz」「民泊の教科書」「Airstair」「民泊大学」サイト訪問者数推移

民泊の利用者はどんな人? ― Airbnb利用者の半数が20代の若年層。海外旅行のほか、ダイビングや自転車などアクティブな関心を持つ人が利用しやすい模様。

民泊を利用する人の属性や興味関心を調査するため、民泊仲介サイトで最もユーザー数の多いAirbnbの予約ページ接触者を、ヴァリューズが保有するモニターパネルから抽出し分析しました。
※対象期間:2017年4月~2018年3月、対象者数:PC推計405,000人、スマートフォン推計495,000人

まず、Airbnb利用者の性別と年代構成から見てみましょう【図3】。

デバイス別に性別を見ると、PC:56・0%、スマートフォン:63.0%と、いずれも男性の方が多くなっています。年代は20代が約半数を占め、PC:43.0%、スマートフォン:53.8%と5割を超えています。

【図3】「Airbnb」予約ページ接触者の性別・年代構成

※集計対象期間:2017年4月~2018年3月

次に、ユーザーインサイトを探るため、ヴァリューズが定期実施している興味関心アンケート調査結果から、Airbnb利用者の特徴的な興味関心項目トップ10を挙げてみました【図4】。

【図4】「Airbnb」予約ページ接触者の特徴的な興味関心ごと

※各興味関心項目の回答者のうち、Airbnb利用者の割合(含有率)が高いものをランキングしている
※集計対象期間:2017年4月~2018年3月

PC、スマートフォンいずれも「海外旅行」がトップとなり、やはり旅行好きな面が見られます。その他にも「キャンプ」、「ダイビング」、「ウォーキング」、「自転車」などアクティブな関心を持つ人が利用しやすい傾向が出ていました。

また、Airbnb訪問者は他にどのようなサイトをよく利用しているのでしょうか。Airbnb利用者が一般ユーザーに比べて特徴的に利用しているサイト、アプリのランキングを作成しました【図5】。

【図5】「Airbnb」予約ページ接触者の特徴的な利用PCサイトとスマートフォンアプリ

©VALUES
※集計対象期間:2017年4月~2018年3月

上位には、「Expedia」や「Booking.com」など海外旅行に強い旅行予約サイトがあがりました。加えて、「Tinder」アプリや「facebook」アプリの利用傾向も強く、他者との交流に積極的な様子がうかがえました。

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この記事のライター

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