分析概要
ネット行動ログとユーザー属性情報を用いた分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのWebサイトおよび各都道府県公式観光情報サイトについて、2019年と2018年の年間閲覧者数を集計し比較を行った。さらに2019年の1年間において「観光」を含む検索語句とその検索者数を集計。
※ランキング表内の「カテゴリ」はヴァリューズが独自に定義している。
※サイト閲覧者数や検索者数はPCおよびスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズが保有するモニタ内での出現率を基に、国内ネット人口に則して20歳以上の動向を推測。
※一部の各都道府県公式観光情報サイトについては、リニューアル等に伴い、2019年と2018年でサイト名称やURLが変更されている場合があるが、2019年のものを掲載している。
「じゃらんnet」「楽天トラベル」が2強。スマートフォンでは「エイチ・アイ・エス」が躍進。
ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」カテゴリのサイトにおいて、2019年の1年間に閲覧した人数を集計したところ[図1] [図2]、PC・スマートフォンともに、宿泊予約サイトの「じゃらんnet」と「楽天トラベル」が2強となっていました。3位以降はホテルのクチコミ、価格比較サイトの「トリップアドバイザー」や「東日本旅客鉄道 (JR東日本)」、「全日本空輸 (ANA)」などが続きます。
利用デバイスがPCからスマートフォンへ移行する中、各社のPCサイトの閲覧者数は前年並みもしくは下落傾向にありますが、スマートフォンでは7位の「エイチ・アイ・エス」(前年比119.9%)、11位の「dトラベル」(前年比110.9%)など、閲覧者数が2桁成長を見せるサイトが複数ありました。
中でも、JR東日本の共通ポイントサイトである15位の「JRE POINT」は前年比132.0%と大きく伸びています。2019年10月1日よりJRE POINT登録済みのSuicaでJR東日本の鉄道を利用すると利用額に応じたポイントが貯まるサービスを開始し、10月の消費税増税に伴う政府のキャッシュレス・消費者還元事業の追い風も受けて、利用者が増加したと考えられます。
[図1]「旅行・交通」カテゴリ内WEBサイトのPCからの閲覧者数
[図2]「旅行・交通」カテゴリ内WEBサイトのスマートフォンからの閲覧者数
都道府県公式観光情報サイトでは、大阪府や伊勢神宮のある三重県が上位に。
続いて、都道府県公式観光情報サイトの中で閲覧者数を集計したところ[図3] [図4]、PCでは大阪府の「OSAKA-INFO」、沖縄県の「おきなわ物語」、東京都の「GO TOKYO」の順に、スマートフォンでは三重県の「観光三重」、大阪府の「OSAKA-INFO」、茨城県の「観光いばらき」の順に多くなっていました。
大阪観光局の公式Webサイト「OSAKA-INFO」はPC、スマートフォンともにトップ3以内にランクインし、安定した人気を誇ります。PC・スマートフォン共に前年比で1.5倍超と大きく閲覧者数を伸ばしたのは沖縄県の「おきなわ物語」。ログデータを分析したところ、メール広告やアドネットワークなどの広告施策を展開し集客しているようです。
三重県の「観光三重」もスマートフォンでは1位を獲得するなど好調です。ネットで「伊勢神宮」を検索すると「観光三重」のサイトは上位に表示されます。2019年は平成から令和への改元の年でもあり、伊勢神宮への参拝客が増加。神宮司庁(伊勢市)の統計によると2019年の参拝者数は歴代3位の972万人にのぼり、改元のお祝いムードが観光地活性の後押しになったと考えられます。
[図3]都道府県公式観光情報サイトのPCからの閲覧者数
[図4]都道府県公式観光情報サイトのスマートフォンからの閲覧者数
「観光」関連検索で見えてくる消費者ニーズ。「冬」「雨」「穴場」などのキーワードも。
消費者がどのようなニーズを持ち、観光関連のサイトを訪れているかを把握するため、ネットで「観光」と同時に検索されているキーワードを、PC・スマートフォンそれぞれ、2019年の1年間でランキングにしました [図5] [図6]。
上位には「東京」、「京都」、「大阪」などのエリア名が多く入るなか、「モデルコース」、「観光スポット」、「おすすめ」など人気の高い観光地はどこかをまず探しているようです。
さらに「冬」、「雨」、「穴場」などのキーワードもランクイン。天候が悪い場合でも楽しめる場所や、混雑の少ない穴場スポットはどこかなど、季節や状況に応じて変化する消費者ニーズがうかがえました。
[図5]「観光」と同時検索されているキーワード/PC
[図6]「観光」と同時検索されているキーワード/SP
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