2022年11月の急上昇サイトは?
こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2022年11月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。
なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しています。
2022年11月の急上昇サイトランキング【1-10位】
2022年11月の急上昇サイトランキング【11-20位】
2022年11月の急上昇サイトランキング【21-30位】
※対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より
11月は、BANDAI SPIRITSのキャラクターくじサイトが1位にランクイン!
それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、注目のサイトをいくつかご紹介します。
■1位:一番くじONLINE
1位にランクインしたのは、株式会社バンダイナムコホールディングス傘下で、トイホビー事業を展開しているBANDAI SPIRITSが運営しているサイト「一番くじONLINE」でした。「一番くじ」は、限定グッズが当たるハズレなしのさまざまなキャラクターくじで、「一番くじ」専門店として『一番くじ公式ショップ』のほか、日本全国のコンビニや書店での購入に加え、この「一番くじONLINE」ではオンライン購入も可能です。
今回サイト流入が急上昇した要因は何だったのか、Dockpitの競合調査で調べてみましょう。
「一番くじONLINE」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
まず集客構造を見てみると、自然検索からの流入が40%と1番多く、ノーリファラ―以外だと外部サイトから13%、ソーシャルから9%、ディスプレイ広告から3%の方が、サイトへ訪れていることが分かりました。
どんなキーワードでサイトへ流入しているのか、流入キーワードを見てみます。
「一番くじONLINE」流入キーワード(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
2位以降は、「一番くじ」にキャラクター・アニメの名称を掛け合わせたキーワードの流入が多く、それらのキャラクターの人気度もうかがうことができました。
サイトに訪れているユーザーは、「一番くじ」の情報をどこで知り得ているのでしょうか。集客構造で流入の多かった外部サイトの詳細を調べてみます。
「一番くじONLINE」外部サイト(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
特徴的だったのは3位以降に大手コンビニ3社のサイトを経由して訪れている点。コンビニ各社のサイトで「一番くじ」の情報を知り、興味を持ったユーザーが等賞の詳細や取扱店舗を調べるために「一番くじ」サイトへ訪れていることが想定されます。
続いて、ソーシャルからの流入状況を詳しく調べてみます。
「一番くじONLINE」ソーシャル構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
Twitterから77%の流入があることが分かりました。コンビニ各社のアカウントや「一番くじ」アカウントから発信される最新情報に触れ、興味を持ったユーザーがサイトに訪れていると言えそうです。
最後に、ディスプレイ広告について調べてみます。
「一番くじONLINE」ディスプレイ広告(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
LINE広告から8割のユーザーが流入しており、サイト内のコンテンツを調べてみるとLINEキャンペーンを定期的に実施していることが分かりました。
熱狂的なファンが多いアニメ・キャラクター市場。店舗やオンラインで通常購入することでは味わえない限定商品が手に入るまでの特別な体験に魅力を感じ、リピート利用するユーザーも多いことが想定されます。
学生向け教育サービス2社、塾×テクノロジーによるサービス展開に注目
■4位:オンライン個別指導塾・オンライン学習塾|そら塾
4位は、教育関連事業を展開する株式会社スプリックスが運営する「オンライン個別指導塾・オンライン学習塾|そら塾」でした。「そら塾」は、小中高生を対象にしたオンライン対話型の個別指導サービスで、通っている学校の教科書に準拠したオリジナル教材と解説動画での自己学習に加え、対話できるオンライン個別指導を全国どこからでも受講することができます。東京都の緊急事態宣言後2020年6月に開始したサービスで、リリース後の注目度も高く、複数のメディアでも紹介されています。
リリースから約2年半経過しているこのサービス。なぜ今月のサイト流入が急上昇したのかをDockpitの競合調査で調べてみます。
「そら塾」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、メールからの流入が68%ともっとも多く、次いでアフィリエイト広告から16%、ディスプレイ広告から6%のユーザーが流入していることが分かりました。
サイトに訪れたユーザーはどんな情報に関心を抱いたのでしょうか。ランディングページを見てみましょう。
「そら塾」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
1番多く流入しているのは、1位の「冬期講習日程」でした。既存ユーザーに向けて、冬期講習日程をメールで告知したことがうかがえます。そして4位の「塾の送迎は大変!みんなの送迎事情と“送迎できない”時の解決法7つ」や6位の「オンライン塾とは?選び方やメリット・デメリットを解説」への流入もあり、ターゲットが抱える課題を自社サービスで解決する記事への注目度も高いことが“送迎できない”時の解決法7つ」や6位の「オンライン塾とは?選び方やメリット・デメリットを解説」への流入もあり、ターゲットが抱える課題を自社サービスで解決する記事への注目度も高いことがうかがえます。このようなコンテンツマーケティングによる効果も、ランクインした要因の一つになりそうです。
今月8位にランクインしている「自立学習RED(-レッド-)|教育ITでとことん学ぶ個別学習塾」も、「そら塾」と同じ、株式会社スプリックスがを運営しています。何か共通点はあるのでしょうか。
8位:自立学習RED-(レッド-)|教育ITでとことん学ぶ個別学習塾
「自立学習RED」は、個別最適化した学習カリキュラムを提供するAIタブレットでの学習と、正社員のプロ講師による指導を備えた学習塾で、生徒の主体性を育む仕組みを取り入れています。
2つのサイトがランクインした結果を見ると、塾×テクノロジーという新しいサービスの認知を広げる為に、企業として効果的な集客施策を行っている可能性が大きいと言えそうです。
ディスプレイ広告が功を奏したカーシェア。積極的な情報展開でクラフトビールも上位に
■10位:Hondaのカーシェア・レンタカーEveryGo(エブリゴー)
10位は、「Hondaのカーシェア・レンタカーEveryGo(エブリゴー)」がランクイン。2017年11月から開始したこのサービス。話題の車種や限定車の新車を数多く取り揃えており、一般的なレンタカー・カーシシェアサービスと比べて料金がリーズナブルな点が特徴的です。カーシェア比較のサイトなどをみると、メーカーが直接運営を行なっているところに安心感を抱くという口コミも散見されました。
では、すでにサービスインから3年を経過した今月、急遽ランクインした要因を調べてみます。
「Hondaのカーシェア・レンタカーEveryGo(エブリゴー)」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、ディスプレイ広告からの流入が9割と圧倒的に多く、ノーリファラ―以外だとメールや自然検索からの流入も一定数あることが分かりました。
国内外問わず大手自動車メーカーは続々とカーシェアー事業に参入している中、今月このサイトが上位にランクインしたのは、ユーザーにとって魅力的に映るディスプレイ広告による集客施策が成功したことが要因となったと言えそうです。
■15位:ドリームビア|自宅で全国のクラフトビールを楽しめる家庭用本格ビールサーバー
15位にランクインしたのは「ドリームビア|自宅で全国のクラフトビールを楽しめる家庭用本格ビールサーバー」でした。
「DREAMBEER」は、全国各地の様々なクラフトビールを、家庭で本格的なビールサーバーで楽しめる会員制サービスで、2021年5月からサービスを開始しています。自社専用に開発されたビールサーバーをレンタルし、全国130銘柄以上のクラフトビールを楽しむことができます。
近年ではクラフトビール人気が上昇しており、今年9月の急上昇サイトランキングでも「クラフトビールの通販 | クラフトビールオンライン」が4位にランクインしています。
【関連】【急上昇サイト】メルマガ施策で「CHEF'S HAT」が急上昇のほか、事業再開の「イベント割」も上位に|2022年9月
https://manamina.valuesccg.com/articles/20502022年9月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。
では、サイトがランクインした要因をDockpitの競合調査を使って調べてみましょう。
「DREAMBEER」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、アフィリエイト広告からの流入が52%と一番多く、ノーリファラ―以外だと、メールから30%の流入もあることが分かりました。
サイトに訪れたユーザーはどんなページに訪れているのか、ランディングページを見てみます。
「DREAMBEER」ランディングページ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
TOPページやマイページへの流入が比較的多い中、3位に「故障かなと思ったら」というFAQへの流入が多く見受けられました。「DREAMBEER」から、既存顧客に向けた情報提供を強化していることが伺えます。また6位の「ビアスタイルの基本を学ぼう」への流入から、幅広いビールファンに向けて、ビールの基礎知識を知ることのできる読み物的な情報発信をして、さらにクラフトビールへの注目を集めようと、良質なコンテンツ作成にも注力していることが考えられます。
「DREAMBEER」は、クラフトビールにのみに特化している独自の特徴を活かし、クラフトビールファンへのサービス認知・利用促進をどのような戦略で進めていくのか、今後の情報展開などにも期待です。
電力逼迫に備える味方に。シャープのエネルギー企業にもフォーカス
■25位: 創エネ・省エネ・蓄エネ・エネルギーマネジメントならシャープエネルギー
25位にランクインしたのは、太陽光発電設備や住宅用蓄電池の開発・販売を手掛けるシャープエネルギー株式会社の企業サイト「創エネ・省エネ・蓄エネ・エネルギーマネジメントならシャープエネルギー」でした。電力逼迫が叫ばれ、度重なる災害時の停電などによる近年、自然エネルギ―・蓄電池市場に参入する企業が多い中、今回なぜこのサイトがランクインしたのか調べてみます。
「シャープエネルギー」集客構造(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
集客構造を見てみると、外部サイトから85%ともっとも多く、リスティング広告や自然検索からも一定数の流入があります。
どのようなサイトを経由し流入しているのか、外部サイトを調べてみます。
「シャープエネルギー」外部サイト(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
1位のシャープ株式会社の企業サイトから、もっとも多く流入していることが分かりました。サイトに訪れたユーザーはどんな情報を求めているのでしょうか。コンテンツの内容を詳しく調べてみます。
「シャープエネルギー」コンテンツ(Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年9月~2022年11月 、デバイス:PC&スマートフォン)
もっともよく閲覧されているコンテンツは、1位~3位の「購入前のご相談」でした。
このページでは、太陽光発電や蓄電池に興味を持った方が気軽に問い合わせできる窓口を紹介しています。電話・ビデオ電話・メール、3つのチャネルから問い合わせる手段を選ぶことができ、TOPページに記載される「何を相談すれば良いのかわからない…とりあえず話を聞いてみたい方でも、大歓迎」という一文から、シャープの顧客マインドに寄り添ったカスタマーサービスであることがうかがえます。
電気自動車の更なる普及や、ウクライナ情勢よるエネルギー価格高騰などの影響もあり、家庭用の太陽光発電・蓄電池のニーズが今後さらに高まることが予想されます。しかし簡易的な装置とは程遠く、いざ備えるとなると不安も疑問も多いものの1つがこのようなエネルギー対策装置ではないでしょうか。そのようなカスタマー視点に立ち、共に問題を解決しようと試みるシャープエネルギーのカスタマーサービスは、競合との差別化を図り自社の強みになっていると言えるでしょう。
まとめ
今回のランキングは、広告やコンテンツマーケティングが効果的だったサイトが上位にランクインしている印象を受けました。
ソーシャルの口コミやLINE広告効果によりサイト流入が急上昇した「一番くじONLINE」は、アニメファンが日常的に接点の多いLINE広告による集客が成功していましたし、「そら塾」は、ユーザーが持つ課題に沿って、サービスの特徴を発信していました。
ターゲットニーズを把握し自社の強みを活かした情報発信を行うことで、集客に成功した事例として、広告事業拡大などの参考の一つにしていただけると嬉しいです。
▼『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
制作会社でUIUXデザインやWebサイトの施策立案を経験後、ヴァリューズにジョイン。セミナーのサポートやTVドラマランキングの執筆などを担当しています。