Z世代の検索ワードランキング!WBC、新生活準備に注目(2023年3月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代の検索ワードランキング!WBC、新生活準備に注目(2023年3月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第5弾となる今回は、Z世代の2023年3月における検索キーワードランキングから、「WBC」と「新生活準備」を2大テーマに、Z世代のトレンドについてお送りします。 WBCという同じ話題でもZ世代とミレニアル世代で関心に違いはあるのか、新大学生・新社会人になるZ世代はどんな新生活準備をするのか。データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代とミレニアル世代のニーズを読み解きます。


こんにちは、ヴァリューズの“Gen-Z調査隊”です!
私たちは、消費者の行動データをもとに、現役Z世代メンバーの視点から、“Z世代のリアル”を分析しています。

第5弾となる今回は、Gen-Z調査隊メンバーに加え、現役大学生のとりとり(01年生まれ・カフェ好き)も分析に参加してお届けします。

“Z世代”とは

“Z世代”は1990年代後半~2010年頃に生まれた世代を指します。物心ついた頃にはインターネットが既に身近にあったため、“デジタルネイティブ”な世代とも呼ばれており、今後の経済を支える中心世代として注目を集めています。

対して、本記事でZ世代と比較していくのは、そのひとつ上の“ミレニアル世代”。1981年頃~1990年代半ばに生まれ、インターネットの発達とともに育った世代です。

※本記事では、2023年3月時点で16~26歳のモニターをZ世代、27~41歳のモニターをミレニアル世代として定義し分析を行っています。

Z世代とミレニアル世代の関心はどこに?

2023年3月における、世代ごとの検索キーワードトレンドランキングがこちらです。

Z世代とミレニアル世代の検索キーワードトレンドランキング
〈補足〉
キーワードごとの検索者数の前月比降順でランキングを作成
順位が「新規」になっているキーワードは、前月に検索していたモニター数が0であるキーワード
〈集計条件〉
集計期間:2023年3月(前月比は2023年2月と比較)
対象デバイス:スマートフォン
対象者:2023年3月時点で16~26歳(Z世代)・27~42歳(ミレニアル世代)のモニター





まろん日本中が湧いたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、開催期間が2023年3月8日~3月21日というのもあって、どちらの世代も強く関心を持っているようだね!










たみーZ世代のランキングには、「髪色」「バッグ」「通帳」といった新生活準備に関連するキーワードが多くランクインしているね。実際、新生活準備って何月ごろからはじめるんだろう?










ばんちゃん:大学生になるにしろ社会人になるにしろ、諸々が落ち着くのが2月で、「いざ新生活準備!」ってなるのは2月終わりごろな気がします。










たみー:たしかに私もそうだった!3月に新生活準備に関連した検索キーワードが伸びるのも納得だね。




日本中が湧いたWBC!世代間の関心の違いとは?

WBCの楽しみ方にも、世代間で違いがある?





とりとり:同じWBC関連の検索キーワードではありますが、Z世代は「WBC」「侍ジャパン」といったイベント名、団体名が上位にランクインしているのに対し、ミレニアル世代は選手や監督の個人名がトレンド上位になっています。Z世代は、イベントそのものの全体像を知ろうという検索意図をもった人が多いのではないでしょうか。これはなぜでしょう。










たみー:WBCへの馴染みが鍵になってきそう!Z世代はWBCの視聴経験が浅いために「WBC」「侍ジャパン」という全体像を把握するためのワードが、反対に、2006年・2009年のWBCの記憶があるミレニアル世代は具体的な選手名・監督名が、トレンドになりやすいのかもしれないね。










とりとり:なるほど!TVのエンタメニュースでWBCの注目選手が取り上げられていましたが、ミレニアル世代はその影響を受けて選手名を検索しているのかもしれません。










まろん:それに対して、上の世代に比べTVをあまり視聴しないと考えられるZ世代でランクインしているのは、超有名な大谷翔平選手と「ペッパーミルパフォーマンス」で話題になったヌートバー選手だけだね。










ばんちゃん:となると、Z世代はWBCをひとつのエンタメ・ムーブメントと捉えてその雰囲気を楽しんでいて、ミレニアル世代はひとつひとつの試合の中身まで楽しんでいるのかもしれないね!




YouTube・ブラウザそれぞれでの検索の目的は?





まろん:ちなみに僕も今回のWBCがきっかけで大谷選手を検索したんだけど、それは検索エンジン上ではなくYouTube上での検索なんだよね。スーパープレイ集とか足の速さをもう1回見たいなと思って。










たみー:まろんのようにYouTubeで選手名を検索する人は、野球をエンタメとして楽しんでいるのかもしれないね!










ばんちゃん:それでいうと私は、YouTubeで野球の動画を観るとき、「大谷でかい!顔ちっちゃい!」みたいなビジュアルインパクトに注目して楽しんでいるよ。










まろん:ふとした疑問なんだけど、ミレニアル世代って何が知りたくて個人名をブラウザで検索するんだろう?










せーら:Z世代の私もブラウザで個人名検索をするよ。私の場合、選手の経歴やキャンプでの様子、ゴシップ報道などを知りたくてブラウザでフルネームを検索することが多いな〜










まろん:なるほど!ブラウザで個人名を検索することで、その人の人となりを知りたいという傾向は確かにありそうだね。「水卜麻美」など、メディアで話題になった芸能人の個人名がミレニアル世代のランキングに数多くランクインしたのも、芸能人の人となりを知りたいからなのかもしれない。




Z世代とミレ二アル世代、新生活に向けて何を準備する?

新生活を前に垢ぬけたいZ世代





ばんちゃん:私も社会人になったとき、髪色について調べたなぁ。どのくらいの明るさまで許されるんだろうって。










まろん:そうそう、「弊社は髪色自由です」って言われていても、入社直前になって「とはいえ暗黙のルールがあるのでは?」って調べるんだよね。最近は企業自体が社員の髪色に寛容な態度を示しているのもあって、「どこまでいけるんだ」っていうのはZ世代の関心事になっていそう。










とりとり:「髪色」って、社会人になるときにも調べるんですね!てっきり大学入学にあたってはじめて髪を染める新入生たちが調べているものだと思っていました。










せーら:大学生はZ世代ど真ん中だし、それもありそう!「髪色」で検索すると、トレンドがわかっていいよね。私は「ホットペッパービューティー」を見ることが多いなぁ。










とりとり:私も「ホットペッパービューティー」見ます!










たみー:「春だし髪色変えたいな」と思ったらブラウザで広くスタイル一覧を見て、その中からなりたい髪色を絞れたらSNSでハッシュタグ検索するという二段階の流れがあるかも。










まろん:ものすごく偏見なんだけど、「季節に合わせて髪色変えよう」っていうのは女性の傾向なのかなとも思った。










せーら:服にも季節によって色のイメージがあるけど、髪もそうなんだよね~










とりとり:季節ももちろんなのですが、私の友人だとパーソナルカラーや推しカラーで髪色を選ぶ人も増えてきた印象があります。髪色を決める条件も多様になっているんですね。

それから、Z世代の検索ランキングに入った「太もも」も新生活準備の一環かも知れません。私もYouTubeでお手本動画を観ながら太ももが細くなる足痩せトレーニングをしているのですが、垢ぬけた状態で新年度を迎えたいというのは切なる願いです!




新生活に必要なモノにも世代間で違いがある?





たみー:見た目以外のところで言うと、「ルーター」・「 HDMI」といったワードがランクインしているのがZ世代の特徴だね。働き方のリモート化が進む中での新生活準備として、パソコン周辺機器の整備が必要なのかな。










せーら:対してミレニアル世代は、「カラーボックス」や「毛布」といったワードがランクインしているね。生活環境を整えて新年度を迎えたいというニーズがあるのかも。




まとめ

今回は、2023年3月の検索キーワードトレンドランキングをもとに、WBC・新生活準備に対する、Z世代とミレニアル世代のニーズについて分析・考察を行いました。では、結果と見えてきた仮説をおさらいしていきましょう!

結果①
2023年3月には、当月に開催されたWBCに関連するキーワードが検索トレンドになりました。

仮説①
Z世代はWBCをエンタメ・ムーブメントとしてその雰囲気を楽しみ、ミレニアル世代はWBCの試合ひとつひとつや選手ひとりひとりにまで注目してその内容を楽しんでいるのかもしれません。

仮説①’
フルネーム検索の目的のひとつに、“その人の人となりを知ること”が挙げられるのかもしれません。

結果②
2023年3月には、新生活・新年度に向けたキーワードが検索トレンドになりました。

仮説②
Z世代が新生活準備で重視するのは“垢ぬけ”と“パソコン周辺機器”と言えるかもしれません。


Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。
今後の連載にも、ぜひご注目ください。

この記事のライター

現役Z世代による"Z世代の行動データ"分析ラボ Gen-Z調査隊
株式会社ヴァリューズで2022年10月に発足。個性豊かなZ世代のアナリストが集まりました。
意識調査データやWeb行動データを活用し、"Z世代のリアル"を分析・発信していきます。
〈アナリスト紹介〉
たみー(98年生まれ・SNSトレンド好き)・まろん(98年生まれ・エンタメコンテンツ好き)・せーら(98年生まれ・かわいい文化好き)・ばんちゃん(99年生まれ・二次元キャラ好き)

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