こんにちは、マナミナ編集部です。早速、話題になったドラマの傾向を調査していきましょう。
なお、こちらの調査は全国のモニター会員(15歳以上の男女)へ、2023年10月~12月に放送されたテレビドラマ(以下前期ドラマ)と、2024年1月から放送予定のテレビドラマ(以下今期ドラマ)の、認知度と視聴意向について実施したアンケートの結果をもとに、各ランキングを作成しています。
幅広い年齢層が注目する「家政夫のミタゾノ」が視聴実態1位に
初めに、前期ドラマの認知度と視聴実態を見てみましょう。
表1 前期ドラマの認知度と視聴実態
サンプル数は29,002
タイトル認知度・視聴実態共に1位は、テレビ朝日系ドラマシリーズ「家政夫のミタゾノ」でした。金曜ナイトドラマ枠で2016年~2022年まで放送後舞台化されており、話題のドラマであることがうかがえます。「家政夫のミタゾノ」同様、1話完結型のストーリー構成のドラマシリーズ「相棒season22」も認知度が高く、根強いファンの存在を感じる調査結果でした。
フジテレビ系木曜劇場「いちばんすきな花」は、タイトル認知度は13位ですが、全話視聴では5位。詳しく調べてみると1話放送後と3話放送後にX(旧Twitter)世界・日本双方のトレンドランキングで1位になっており、放送後話題になり拡散されたことが分かりました。
左から
Twittrend 世界のトレンド 2023年10月12日(木)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023101223/
Twittrend 日本のトレンド 2023年10月12日(木)23時
https://twittrend.jp/time/23424856/2023101223/
Twittrend 世界のトレンド 2023年10月26日(木)23時
https://twittrend.jp/time/1/2023102623/
Twittrend 日本のトレンド 2023年10月26日(木)23時
https://twittrend.jp/time/23424856/2023102623/
続いて、ドラマタイトルを認知しているユーザーの属性を調べてみます。
表2 タイトルを知っているドラマ×ユーザー属性 年代別
サンプル数は29,002
左から、タイトルを知っているユーザーの割合が高かった作品順
上の表は、各年代のうち、それぞれの作品を認知している人がどれくらいいるか、その割合を示したものです。
全体的にタイトル認知度は、50代以上のユーザーの割合が多く、ドラマ市場のターゲット層であることが想定されます。「家政夫のミタゾノ」は、他ドラマに比べて若年層のタイトル認知度も比較的高いことが分かりました。2019年から連載している漫画が原作の「パリピ孔明」は、10代~50代の幅広いユーザーがタイトルを知っており、原作の認知度が影響していることがうかがえます。
次に、前期ドラマの満足度を調べてみましょう。
時代に沿った描写やライフハックなど、独自性が引き立つドラマが高評価
表3 前期ドラマの中で最も満足した作品
サンプル数は16,347
満足度1位は「相棒season22」、2位は「家政夫のミタゾノ」でした。表1で視聴実態6位の「セクシー田中さん」が満足度4位に、「いちばんすきな花」は満足度5位にランクインしており、視聴実態・満足度共に比較的高いことが分かりました。
では、各ドラマを満足したと答えたユーザーを年代別に見てみましょう。
表4 最も満足したドラマ(性年代別)
サンプル数は16,347
左から、満足したと感じるユーザーの割合が高かった作品順
「家政夫のミタゾノ」と「パリピ孔明」は若年層の満足度が高く、「セクシー田中さん」と「いちばんすきな花」は30代~50代女性の評価が高いことが分かりました。
過去の調査結果を照らし合わせてみると、「相棒season22」と前回記事の表4で満足度3位の「刑事7人season8」、前々回記事の表4で満足度5位の「特捜9 season6」それぞれのユーザー割合から、60代以上の男性は刑事ドラマシリーズに関心を持つ傾向が見えてきました。
続いて、ドラマのどんな点に満足しているのでしょうか。その理由を探ってみます。
表5 最も満足したドラマ(1位~5位)の満足理由
サンプル数は16,347
「相棒season22」と「家政夫のミタゾノ」は、家族や知人も視聴していることを満足理由としているユーザーの割合が多く、「家政夫のミタゾノ」は、笑えるストーリーだったことも満足度を高める要因と言えそうです。「下剋上球児」と「セクシー田中さん」は、励まされるストーリーが評価され、「いちばんすきな花」は共感できるストーリーや今までにないストーリーに加え、出演者や主題歌に対する評価も高かったことが分かりました。
表4で若年層の評価が高かった「家政夫のミタゾノ」について、具体的な満足理由を調べてみると、ストーリーの中で家事の豆知識や家庭でできる裏技を紹介する点や、主演のミタゾノさんの演技力ゆえの面白さが、満足度を高める理由になっていることが分かりました。
表6 「家政夫のミタゾノ」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な満足理由(一部抜粋)
サンプル数は29,002
表4で30代~50代の女性に人気の「いちばんすきな花」の具体的な満足理由を調べてみると、感覚・感情や関係性の描き方がとても新鮮で面白かった点に加え、2023年10月期に話題となった「silent」のスタッフが手掛けている点も、満足度を高める理由であることが分かりました。
表7 「いちばんすきな花」を最も満足したドラマと回答したユーザーの具体的な満足理由(一部抜粋)
サンプル数は29,002
最後に、今期ドラマの認知度と視聴意向を見てみましょう。
刑事ドラマや時代劇など複数のドラマシリーズに注目集まる
表8 今期ドラマの認知度と視聴意向
サンプル数は29,002
前期に続き、タイトル認知度・期待値共に1位は「相棒season22」でした。2位のフジテレビ系時代劇シリーズ「大奥」は、2003年に連続ドラマとして放送しており、一定の認知度があることが想定されます。3位のフジテレビ系土曜ドラマ「新空港占領」は、2023年1月期に放送し若年層の満足度が高かった「大病院占領」のドラマシリーズなので、期待値が高いと言えそうです。2023年に今期ドラマを告知した際「〇〇占領」とドラマの舞台を伏せており、複数のニュースメディアを通してドラマの認知が広まったことが考えられます。
期待値4位の「さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~」と7位の「不適切にもほどがある!」は、過去に話題のドラマや映画を手掛けた脚本家が携わっている点も、期待値を高める要因の1つであることが想定されます。
まとめ
前期は人気ドラマシリーズや話題の連載漫画を原作としたドラマが、視聴実態・満足度共に高い傾向がありました。満足度の高かった「相棒season22」「家政夫のミタゾノ」は、家族や知人も視聴していることが視聴実態を高める要因になっており、コロナウィルスが5類に移行し、職場や学校などで日常的なコミュニケ―ションが戻っていることを改めて感じました。
今期は人気シリーズや有名脚本家が手掛けるドラマへの期待値が高く、次回の調査にどのような影響があるのか、引き続き各ドラマの視聴実態をお伝えしていきます。
【データ集計定義】
調査対象者:株式会社ヴァリューズのモニター 全国の15歳以上の男女
調査対象ドラマ:フジテレビ・テレビ朝日・TBS・日本テレビの4局で、21時開始枠または22時開始枠に放送された/される予定のドラマ
調査期間:2023/12/26~2024/1/2
調査デバイス:スマートフォンおよびPC
回収サンプル数:29,003ss
ウェイトバック集計:当調査では性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計を行っている。掲載している数値はすべてウェイトバック後の結果となっている。
制作会社でUIUXデザインやWebサイトの施策立案を経験後、ヴァリューズにジョイン。セミナーのサポートやTVドラマランキングの執筆などを担当しています。