※マイナポイントとは…マイナンバーカードとキャッシュレス決済の両方を普及させる目的で国が実施する制度で、消費者はキャッシュレス決済事業者からポイントを獲得することができる。
マイナポイント検索ユーザーは6月に急増
マイナポイントの申し込みが7月1日に開始するにあたり、マスコミやキャッシュレス決済業者各社がマイナポイントを特集したり、キャンペーンを始めるなどの動きが始まりました。検索キーワード分析ツール「eMark+ Keyword Finder」を用いて調べると、マイナポイントを検索するユーザー数も以下のグラフのように6月に急増していることがわかります。
「マイナポイント」検索ユーザー数推移
期間:2019年7月〜2020年6月
デバイス:PC
検索ユーザーは男性が多い。40代まではスマホで、50代からはPCで
続いて検索ユーザーの属性を確認します。
以下のグラフのとおり、PCとスマホで属性に差があることがわかります。
どちらも男性比率が高くおよそ7割を占めます。年代は、PCユーザーは60代が多く32.6%、スマホユーザーは30代が31.8%で最多でした。40代まではスマホで検索している人が多いことがわかります。
また、どちらも既婚者が多いようです。
「マイナポイント」検索ユーザー属性
期間:2019年7月〜2020年6月
デバイス:PC/スマホ
マイナポイントの仕組み、予約・申し込み方法を調べている
■「マイナポイント」同時検索キーワード
次に「マイナポイント」と同時に検索されたキーワード(上位20位)を調べます。
以下の表のように、上位はマイナポイントの仕組みや予約などのノウハウに関すること、下位は決済事業者がランクインしました。決済事業者でもっとも検索されたのはPayPayでした。
「マイナポイント」同時検索キーワードランキング(TOP20)
期間:2019年7月〜2020年6月
デバイス:PC
■「マイナポイント」検索後ランディングページ
また、「マイナポイント」検索後のランディングページは以下の表のとおりです。
マイナポイント事業のホームページ(総務省)がよくみられているのがわかります。その中でも3月2日に掲載されたPayPayのノウハウ記事が3位に食い込んでいます。
「マイナポイント」検索後ランディングページ ランキング(TOP10)
期間:2019年7月〜2020年6月
デバイス:PC
マイナポイントについて調べるが申し込みは先送り?
次に、総務省のマイナポイント事業ホームページのユーザー数の変化を、マイナポイント申し込みページと合わせて確認します。
以下のグラフのとおり、マイナポイント事業のホームページは6月にユーザー数が3倍以上に伸びていることがわかります。一方で、当該ページから推移するマイナポイント申し込みページは前月と比較して2倍程度。6月はマイナポイントについて調べるユーザーは急増したもの、実際申し込みに至ったユーザーはそれよりは少ないようです(※PCでの予約・申し込みを想定した場合)。
総務省マイナポイント事業ホームページ ユーザー数・PV数
期間:2019年7月〜2020年6月
デバイス:PC&スマホ
マイナポイント事業ホームページ/総務省
マイナポイントアプリのダウンロード数も好調
マイナポイント事業のホームページのユーザー数は急増していますが、マイナポイントアプリのダウンロード数(アプリ所持ユーザー数)も同じように伸びています。予約・申し込み自体は写真データの取り込みなどスマホの方が便利な部分があるため、今後9月に向けてさらに伸びていくと思われます。
マイナポイントアプリダウンロード数推移
期間:2019年7月〜2020年6月
アプリのダウンロードユーザー数は、Androidスマートフォンでのアプリ所持ユーザー数を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
マイナポイントアプリ
まとめ
7月1日の申し込み開始に向けて、マイナポイントを検索するユーザー数は6月に急増しました。検索ユーザーは男性が多く、40代まではスマホからの比率が高く、50代からはPCで、マイナポイントの仕組みや予約などのノウハウに関することを検索していることがわかりました。また、登録する決済事業者を調べている様子もわかります。決済事業者でもっとも検索されたのはPayPayでした。
マイナポイント事業のホームページも6月にユーザー数が急増しました。しかしながら、申し込みページのユーザーは前月と比較して2倍程度だったことから、6月はマイナポイントについて調べるユーザーは急増したもの、実際申し込みに至ったユーザーはそれよりは少ないと想定されます。
また、マイナポイントアプリのダウンロード数も6月に急増しました。決済事業者各社のユーザー囲い込みプロモーションが開始しており、今後さらに伸びていくでしょう。
■分析概要
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+(イーマークプラス)」を使用し、2019年7月~2020年6月におけるユーザーの行動を分析しました。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニター(20代以上男女)での出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリのダウンロードユーザー数は、Androidスマートフォンでのアプリ所持ユーザー数を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
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フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。