ヴァリューズのデータプロモーション事業と強み
ー本日はよろしくお願いします!ヴァリューズのデータプロモーション事業では、データを活用したプロモーションやコミュニケーション戦略の実行支援を行っているということですが、具体的な支援内容を教えてください。
株式会社ヴァリューズ 齋藤ロベルト義晃(以下、齋藤):まずは広告やSEOなど集客を目的としたプロモーションの実行です。2021年からは集客した後に顧客を定着させ、ロイヤリティやLTVを高めるためのアプローチ、いわゆるCRMの領域についても一気通貫で支援する体制を整えました。現在では我々が持つデータや調査結果を元に、企業やブランドから消費者に対してどのようなメッセージを伝えていくのかの提案、加えて広告やSEO、CRMなど、それぞれの領域においての施策実行と効果計測に基づく改善まで支援しています。
齋藤ロベルト義晃
オンライントレード会社の創業期よりデジタルマーケティングの立ち上げに携わり、約10年にわたってWeb戦略を推進。2007年ヘラクレス(現・JASDAQ)上場、2014年の東証一部上場を経てマーケティング部長、経営企画室長を務めたのちヴァリューズに入社。データプロモーション事業の事業責任者として現在に至る。
ーコミュニケーションの設計から施策の実行まで支援をする中での、VALUESの強みは何だと考えていますか?
齋藤:全国250万人規模のユーザーのWeb上における独自の行動ログデータを保有し活用できる、というのが他社との大きな違いですね。Web上でユーザーが無意識に起こしている行動や、アンケートだけでは聴取しきれないような細かい粒度のデータ分析も可能です。その結果、消費者の行動を把握・理解し、クライアントと目線を合わせてコミュニケーション設計を共創していけます。この点が大きな強みであり、実際に評価いただくことも多いです。データを施策に落とし込むために、クライアントとワークショップなどをする機会も多々あります。
ーたしかに、250万人という規模のモニタパネルから得たデータをもとに立てた戦略案は大きな強みですね。
齋藤:そうですね。さらに、そういったデータの活用を源泉とした強みでいうと、「一気通貫での施策推進」は当社ならではだと考えています。
規模の大きい企業様などではクライアント・支援会社に関わらず、集客とCRMで領域が完全に分かれていたり、広告の中で媒体ごとに担当がついていたりなど分業制が引かれているケースが多いと思います。
ヴァリューズの場合は、領域を横断しワンチームとして伴走し、当社とクライアントをまたがって1つのチームを形成します。クライアントの社外に広がるチームを一緒に作ってミッションに取り組んでいくイメージですね。
一気通貫した支援でパートナーとして伴走したい
ーあえて分業せず、チームで活動しているのですね。実際、一気通貫で伴走する価値を感じた場面はありますか?
齋藤:パフォーマンス面でいうと、例えば集客領域だけだと初回獲得のCPAなどに議論が終始してしまいがちです。CRMまで一気通貫で支援させていただくことで、LTVまでしっかりとコミットできます。現在支援をさせていただいているクライアントとの取り組みでは、どのような経路で集客したユーザーのLTVが高いのかなどを分析しています。単純にCPAだけでは判断しきれない集客の質までをデータに基づいて評価・アプローチできるんです。
また、クライアントと深く会話ができる点ですね。単に管理画面の数値を報告するだけでなく、獲得後のアプローチや売上データに基づく現状認識、クライアントのプロダクト自体についてなど、より深い内容のディスカッションがしやすくなります。
我々が単なる業者ではなくパートナーとして伴走できているというのを実感しますね。
ーパートナーとして関係を築くことを重要視する理由は何でしょうか?
齋藤:ここについては事業会社時代の私の「こういうパートナーがいてほしかった」という理想像が関係しています。単なる報告や示唆だけを伝えて終わってしまうのではなく、クライアントが事業を推進していく難しさなどを理解した上で寄り添って支援をしていく。「自分が思い描いていた理想のパートナー像」を想像しながら、その実現に向かって事業を進めているという現状です。
行動ログデータを持つヴァリューズだからできること
ーヴァリューズはクライアントに対する支援以外にも共同の取り組みの実績があるということですが、伺えますか?
齋藤:はい。当社はGoogleさんとも共同研究を行っており、一番わかりやすい例が「バタフライ・サーキット」という情報探索モデルの開発です。
【関連】新概念バタフライ・サーキットで捉えるデジタル時代の購買検討行動とは?|宣伝会議主催セミナーレポート
https://manamina.valuesccg.com/articles/825「一人1デバイス」が当たり前となったデジタル時代。今、マーケティングにおける購買行動のセオリーが変わりつつあります。デジタル化によって何がどう変わったのか。私たちを取り巻く膨大な情報により変化した購買検討行動。それらを新しい概念で紐解こうと共同研究された「バタフライ・サーキット」が、宣伝会議主催のデータマーケティングカンファレンス2020で紹介されました。
Googleさんにヴァリューズの持つ独自性の高いデータに関心を持っていただき、現在はフレームワークの共同開発などを行っています。膨大なデータを活用されているGoogleさんとパートナーとしての関係を持てたことで、我々自身もGoogleのプロダクトについて豊富な知見を得られました。この点も大きな強みと言えます。
ーなるほど。Googleとの共同研究の裏にもヴァリューズが持つデータの強さがあるのですね。齋藤さん自身はヴァリューズが持つデータの価値をどう見ていますか?
齋藤:過去私は事業会社に勤めていました。最近では調査などを積極的にされる企業様も増えてきましたが、やはりマーケティングのパーチェスファネルで言う先端部分、いわゆるニーズが顕在化した状態ではじめて接点が得られるケースが大半です。潜在層にあたるユーザーがどのように情報収集を行っているのかは事業会社からすると距離を隔てたテーマであり、ユーザー理解が難しいんです。しかし当社が持っているデータがあれば、ユーザーに対してどのようにコミュニケーションを取っていくべきなのか、実行した施策の反応が狙い通り得られているのか、根拠を持って考えていけます。この価値は非常に大きいです。
「事業と人を、育てる事業」スローガンに込めた思いとは
ー事業責任者として目指していきたいことや今後の展望など伺ってもよいでしょうか?
齋藤:今後、事業としては「顧客データを活用したコミュニケーション戦略の推進」においてヴァリューズがトップチームであると自他ともに認められる立ち位置を目指していきたいです。これを実現させていけばより多くのクライアントとパートナーシップを築け、その結果より多くの消費者にも適切に価値のあるサービスが届けられます。
こういった展望も踏まえ、
事業のビジョンとしては
「売れる仕組みづくりを通して信頼できる事業と人を育て、次世代につなぐ」
ミッションとしては
「利用者が信頼を覚える体験をクライアントと共に創り、『直接的かつ継続的に』事業成長を支援する」
を掲げて事業運営を行っています。
ーお話を伺っていると、一貫して「共に」「チームで」というような点に重きを置かれているのが伝わってきます。日々事業運営をしたりクライアントと向き合ったりする中で、大事にしていることはありますか?
齋藤:事業を運営するにあたって、価値観の言語化を大事にしています。我々が掲げているスローガンは「事業と人を、育てる事業」です。「事業」が指すものはクライアントの事業と当社の事業いずれも。「人を育てる」については私個人としても事業としても大切にしているところで、特に社内をイメージして発信しています。
ースローガンに含まれる「育てる」について、とくに重要視されている要素や社内人材の成長のために意識されていることはありますか?
齋藤:クライアントの向き合い方においても、自社での事業づくりにおいても、常に「前進感」を感じていられているかどうかはとても重要だと思います。個々人、あるいは周囲が過去と現在を比較して明確に何か進んだ・成長したという実感を得られるのは非常に価値が高いですよね。
またライバル企業との差分をしっかりと具現化するべく、独自の価値を創っていくことや周りとの違いを明確にしていくことは事業だけでなく個人としても重要なポイントです。スローガンにはそのような独自性を「育てる」意味も込めています。
「全員が新しいテーマに関するミッションを持とう!」とチーム内の個々人の目標設計においても「10%ルール」を設けています。個人・組織どちらにおいても、独自価値と前進できる体制になっています。
ーこれからも強固になっていくであろう独自価値が今後のクライアントとの取り組みにもどんどん活きてくるのが楽しみです。
齋藤:独自データとその活用、施策を横断した複合領域の伴走支援、Google領域の豊富な知見は我々が大きな強みとして自負しているポイントです。
複合的な領域において、消費者とどうつながるべきか、何を伝えるべきか、質の高いレベルでクライアントとディスカッションし、高い精度で施策を描き、実行力を持って推進する。「顧客データを活用したコミュニケーション戦略の推進」においてNo.1を目指す中で、我々がクライアント企業にとってのパートナーとして価値のあるサービスをより多くの消費者に届けていきたいと考えています。我々としても意思があるマーケターの皆様と一緒にお仕事をしていきたいですし、ぜひより多くのみなさまのパートナーとして一緒に事業・サービスの推進に取り組んでいければと思っています。
最後になりますが、クライアントとの繋がり方として、私が「こうありたい」と思っていることを追加でお伝えさせてください。
当社はコンサル企業として事業を営んでいますが、クライアントが提供するサービスやプロダクトとの繋がりを仕事のつながりだけで終わらせてしまうのはもったいないな、と個人的に思っています。
私自身もクライアントのプロダクトやサービスを利用する、いち消費者でありたいですし、もともと自分自身が好んで利用しているサービスやプロダクトを支援するときはモチベーションが高まります。もちろんすべてのクライアントのサービスを利用できるわけではないのですが(お金が無限にあるわけではないので(笑))、自分自身が「良いものだなぁ」と思えるプロダクトやサービスを消費者に届けていくことのできるパートナーでありたいと思っています。例えば、当社が支援させていただいているワインECのクライアントさんにおいては、ヴァリューズとしても、個人としても、ワインを購入しています。仕事をともにするクライアントのサービスを利用して味わうワインは格別です。私たち自身が考える理想のパートナーシップに向けて、今後も取り組んでいければと思っています。
株式会社ヴァリューズ 渋谷友里子(しぶやゆりこ)
東北大学文学部卒業後、新卒でヴァリューズに入社。データプロモーション局で多様な業界クライアントをWEB広告運用担当やアカウント担当として支援。広告運用と合わせて、クリエイティブディレクション・制作の担当、事業会社を相手にしたSaaS型ツールの活用支援なども行っている。