ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、「ポケモンGO」アプリの利用動向について、調査を行いました。
分析概要
ヴァリューズが保有する全国の行動ログモニター会員の協力により、2016年7月22日から8月31日において、スマートフォンアプリ別にデータを集計した。
※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでのインストールおよび起動を集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※カテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得
考察サマリ
■「ポケモンGO」国内インストールユーザー数は配信1か月で約1,740万人。Instagramを超える。
2016年7月22日(金)、待望の「ポケモンGO」が配信されると、3日間でインストールユーザー数が1,147万人となりました。驚異的な初速を見せた「ポケモンGO」ですが、配信から1ヶ月が経過した今、「ポケモンGO」は人々の生活にどのような影響を与えているのでしょうか。
8月のインストールユーザー数を見てみると、1,738万人と更なる伸びを見せ、国内ではInstagramのインストールユーザー数を超えています。
■マクドナルドアプリのアクティブユーザー数が「ポケモンGO」配信開始日の5倍に急増。 TwitterやInstagramなどSNSに迫るアクティブ率に。
また、配信開始当初から提携を発表していたマクドナルドにも影響が見られます。マクドナルドアプリのアクティブユーザー数の推移を見ると、7月22日の「ポケモンGO」配信開始時には約100万人だったアクティブユーザー数が、8月末には約500万人にまで増加しています。
アクティブ率(=アクティブユーザー数/インストールユーザー数)も、7月22日には7.5%でしたが、8月末には25.9%となり、TwitterやInstagramなどSNSアプリに迫るアクティブ率になっています。
■他ゲームアプリと異なり、幅広いユーザーが楽しむ「ポケモンGO」
他のアプリと比べると、「ポケモンGO」はどのようなユーザーに利用されているのでしょうか。性別を横軸、年齢を縦軸に取り、アクティブユーザーの分布を見てみると、「ポケモンGO」は他のアプリと比べ、中央に近いことが見てとれます。「ポケモンGO」は性年代で見ると、幅広い層に使われているアプリと言えそうです。
また、「ポケモンGO」ユーザーの所持ゲームアプリの数をみてみると、「1個」が約17%と最も高くなっていました。他のゲームアプリを入れず、「ポケモンGO」のみをインストールしているユーザーが、他のゲームアプリと比較して多いことがわかります(下図)。普段スマホにゲームアプリを複数入れることをしないユーザーでも、「ポケモンGO」はインストールしているようです。「ポケモンGO」はゲームアプリの新たな顧客層を獲得できていると考えられます。
■アクティブユーザー層にも変化あり。女性比率が増加し、30~40代の利用比率が上がる。 被災地復興支援の影響も見られる。
アクティブユーザーの属性の推移を見てみると、多くの項目で変化が見られました。「ポケモンGO」を利用するユーザーは、配信開始から1ヵ月で徐々に変化しているようです。
まず、「ポケモンGO」配信初週と8月最終週の属性を比較すると、性別では、女性比率が40.9%から44.5%に増加しています。
次に、年代別で見ると、10代(-9.7%)、20代(-2.9%)、30代(+4.9%)、40代(+4.6%)、50代(+2.3%)、60代(+0.8%)となっており、特に30~40代の比率が高まっています。配信当初は20代の関心が高かったポケモンGOですが、継続利用しているのは30代以上のユーザーだと見られます。
エリア別に見ると、東北地方(+2.6%)、九州地方(+5.0%)の比率が高まっています。東北3県と熊本県は8月10日、ナイアンティック社と共同記者会見を開いており、「ポケモンGO」を被災地復興に活用することを発表しています。該当地域のユーザーがニュースを受けて「ポケモンGO」を使っている可能性が考えられます。
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