スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、アメリカの食品業界で新たなトレンドワードとして注目されている「Swicy(スワイシー)」とその流行の背景について取り上げます。


アメリカでホットなフードトレンド「Swicy(スワイシー)」とは?

米国スターバックスのスパイシーレモネード

現在アメリカの若い世代を中心にスパイシーな味付けへの人気が高まっています。そのニーズに応えるため、食品メーカー各社は辛い味付けの新商品を次々に発表しています。そんな流行の中、新たに誕生した言葉が「Swicy(スワイシー)」です。

「Swicy(スワイシー)」とは、Sweet(スイート)とSpicy(スパイシー)を掛け合わせた造語で、甘辛い味を意味しています。甘辛い味と聞いただけではあまり目新しく感じられないかもしれませんが、Swicyトレンドの商品には面白い組み合わせも多数登場しています。

甘辛味のチキンやピザといった食べ物だけでなく、スパイス入りのレモネードやコーラといった意外性のあるドリンクまで登場し、まさに一味違うトレンドとして盛り上がりを見せています。

バーガーからアイスクリームまで!バラエティ豊かな今年のSwicy商品

では、Swicyを取り入れた商品にどのようなものがあるのか見ていきましょう。

スターバックス

スターバックスは、2024年4月にSwicyトレンドから影響を受けた期間限定商品を発表しました。まず、レモネードにチリパウダーを加えたドリンクです。スパイシードラゴンフルーツ、スパイシーパイナップル、スパイシーストロベリーの3つのフレーバーで展開しました。

また、アイスドリンクのカスタマイズとして、チリパウダーが入ったフォームも登場しました。他のドリンクにこのフォームを自由に追加することでSwicyな味を楽しめるというものです。

米国スターバックスのホットハニーアフォガートとエスプレッソマルティーニ

さらにスターバックスリザーブ(シカゴ、ニューヨーク、シアトルの3店舗)では、ホットハニーアフォガートやホットハニーエスプレッソマルティーニといった、はちみつとチリペッパーを掛け合わせた商品を期間限定で提供しました。

バーガーキング

米国バーガーキングのスパイシーメニュー

バーガーキングは、2024年7月にモッツァレラチーズフライ、チキンフライ、チキンバーガーなどを新たな期間限定スパイシーメニューとして発表しました。

それぞれの商品に辛さレベルが1から5までランク付けされており、激辛が苦手な人も含め幅広い層が満足できるように展開しています。Fiery Strawberry & Spriteと呼ばれるストロベリー味の炭酸ドリンクは、TikTokを通じて人気が沸騰した「ダーティソーダ(Dirty Soda)」(ソーダにフレーバーシロップやクリームを混ぜたもの)のトレンドの影響も受けています。

シェイクシャック

米国シェイクシャックの韓国風スパイシーメニュー

シェイクシャックは、2024年1月から韓国料理に影響を受けたバーガーとフライドポテトを期間限定で販売しました。甘辛いコチュジャンを使用した韓国フライドチキンのバーガーや、韓国バーベキュー味のチーズバーガー、そしてキムチ味のフライドポテトには韓国バーベキューソースが添えられています。

マイクズホットハニー

米国アイスクリーム店コールド・ストーン・クリマリーのアイスクリーム(マイクズホットハニーを使用)

マイクズホットハニー(Mike’s Hot Honey)は、チリペッパー入りはちみつのブランドです。2010年にボトル入り商品を発売してから、様々な食べ物や飲み物と組み合わせて楽しまれています。

ピザにかけて食べるスタイルが最も一般的ではありますが、2024年はスイーツのコラボ商品もいくつか登場しました。クッキー店のインソムニア・クッキーズ(Insomnia Cookies)や、アイスクリーム店のコールド・ストーン・クリマリーとコラボし、Swicyなスイーツを展開しています。

若い世代からのスパイシーフード人気が追い風に

アメリカにおけるスパイシーフード人気の背景には、若い世代を中心にますます人種の多様化が進んでいることや、海外の食文化への関心の高まりが関係していると考えられています。特に昨今のK-POPなど韓国のカルチャー人気がコチュジャンなど韓国食材を使用した食べ物の人気にも繋がっていると言われています。

では具体的にどれくらいの人がスパイシーなものを好んで食べているのでしょうか。アメリカにおけるタバスコなどのホットソース需要に関するNCSolutionsの調査(※)によると、回答者の7%は全くホットソースを食べられないと回答した一方で、残りの93%は辛さレベルに違いはあれどホットソースを食べられると回答しました。実際に、回答者の51%は週に1度以上ホットソースをかけているとのことでした。また、回答者の72%がSwicyなフードやドリンクを食べてみたいという回答結果もでています。

※Hot Sauce Market Trends: How Gen Z is Redefining Hot Sauce Culture
https://ncsolutions.com/the-goods/hot-sauce-market-trends/
2024年4月〜5月の調査。アメリカの1,114人が対象。

アメリカにおけるホットソース需要の調査結果

それぞれの世代で辛いものへの関心度の差も生まれています。「世界一辛い唐辛子を食べてみたいか」という質問に対して食べてみたいと答えた人の割合は、回答者全体の37%、世代別ではZ世代の60%、ミレニアル世代の47%でした。特にZ世代で高い割合の人が興味を示しており、辛いものへの関心の高さがうかがえます。

このようなスパイシーフード人気を踏まえながら、幅広い人に食べてもらえるように展開されているのがSwicy味の商品と言えるでしょう。

ますます食の多様化が進むアメリカで、今度もどのような面白い商品が出てくるのか楽しみです。

【参考】
https://www.nbcnews.com/business/consumer/swicy-items-take-restaurant-menus-gen-z-seeks-heat-rcna176686
https://www.today.com/food/trends/what-does-swicy-mean-rcna101010
https://edition.cnn.com/2024/06/02/business/spicy-snack-foods-drinks-trend-swicy/index.html

この記事のライター

大学ではポルトガル語と言語学を専攻していました。
趣味は、海外エンタメ情報の追っかけとおうちでラテアート修行をすることです。

関連するキーワード


海外トレンド Z世代

関連する投稿


Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、全国のZ世代/Y世代/X世代を対象に、商品カテゴリー別のカスタマージャーニーに関する調査を実施し、結果を公開しました。


テテマーチ、Z世代SNSトレンドグランプリ2024を発表

テテマーチ、Z世代SNSトレンドグランプリ2024を発表

テテマーチ株式会社は、同社のZ世代マーケ研究室「lookey(ルーキー)」にて、「Z世代SNSトレンドグランプリ2024」を発表しました。「Z世代SNSトレンドグランプリ2024」は、19歳〜23歳のZ世代500名を対象に、2024年のSNSトレンドについて「インフルエンサー部門」「タレント部門」「コンテンツ部門」「スポット部門」「グルメ部門」の5部門に分けてアンケート調査を実施。その結果をランキング化しています。


Z世代はショート動画をやめられない?大学生の8割以上が「ショート動画を見る時間は無駄だと思う」と回答【RECCOO調査】

Z世代はショート動画をやめられない?大学生の8割以上が「ショート動画を見る時間は無駄だと思う」と回答【RECCOO調査】

株式会社RECCOOは同社が運営するZ世代に特化したクイックリサーチサービス『サークルアップ』にて、最新のZ世代調査として「ショート動画」に対する意識調査を実施し、結果を公開しました。


「デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編」をデータ分析のヴァリューズが公開

「デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編」をデータ分析のヴァリューズが公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から4回目を迎える「デジタル・トレンド白書2024」は、Z世代トレンド・SNS動向編、ライフスタイル・消費トレンド編の2部構成になっています。(「Z世代トレンド・SNS動向編」ページ数|140P)


Z世代で継続的にトレンドの「BeReal.」が総合1位!「Mrs. GREEN APPLE」や「アサイーボウル」がTOP10入り【LINEリサーチ調査】

Z世代で継続的にトレンドの「BeReal.」が総合1位!「Mrs. GREEN APPLE」や「アサイーボウル」がTOP10入り【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチは、全国の15~24歳の男女を対象に四半期毎に実施している「最近の流行」調査の2024年9月調査結果を公開しました。


最新の投稿


SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

SEO対策、企業の40%が重要視も実施率は25%未満【メディアリーチ調査】

株式会社メディアリーチは、企業のマーケティング課題を解明するための定期的な調査として、2024年11月に実施した『経営者・役員対象:SEO対策意識調査 2024・2025年』の結果を公開しました。


Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

Z世代の6割以上は「SNS」が認知のきっかけに!特に「衣類・ファッション」はSNSで比較・検討を行う割合が高い【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、全国のZ世代/Y世代/X世代を対象に、商品カテゴリー別のカスタマージャーニーに関する調査を実施し、結果を公開しました。


ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

ポッドキャスト、マーケターの約8割が認知も活用は約1割!活用における課題は「制作ノウハウがない」が最多【オトバンク調査】

株式会社オトバンクは、企業のマーケティング担当者を対象に「ポッドキャストに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

スイート&スパイシー「Swicy(スワイシー)」味の商品が続々と登場!アメリカで人気の背景とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年11月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、アメリカの食品業界で新たなトレンドワードとして注目されている「Swicy(スワイシー)」とその流行の背景について取り上げます。


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ