検索が急上昇したキーワードから2019年を振り返る。そして、2020年ヒットの兆しは…?

検索が急上昇したキーワードから2019年を振り返る。そして、2020年ヒットの兆しは…?

令和元年、2019年も残すところ、あと1ヶ月。今年はどんなトピックやサービスが注目を集めたのでしょうか。マナミナ編集部では、インターネット行動データから2019年1月~10月で検索者数が増加している検索ワードの平均上昇率を算出し、今年話題となったキーワードをランキング化。検索データから2019年を振り返り、2020年に向けたヒットの兆しを探ります。


スマホ決済アプリ元年となった2019年。「ペイペイ」が大躍進!

検索キーワードの上昇率ランキング2019年版、まずは1位~10位を見てみましょう。

検索キーワードの上昇率ランキング【2019年】1位~10位

検索キーワードの上昇率ランキング【2019年】1位~10位

※集計期間:2019年1月~10月

トップ10に「ペイペイ」「PAYPAY キャンペーン」「PAYPAYとは」と、3つのキーワードがランクインしたスマホ決済アプリの「PayPay」。まさに2019年はスマホ決済アプリ元年といっても過言ではないでしょう。

特に、消費税増税がスタートした10月からは、政府が打ち出したキャッシュレス決済時におけるポイント還元事業も始まり、各社のキャッシュレス決済サービスに大きな注目が集まりました。検索上昇率1位の「ペイペイ」の検索者数の月別推移を見ると、9月、10月で大きく伸びていることがわかります。

「ペイペイ」の検索者数推移

「ペイペイ」の検索者数推移

PayPay - QRコード・バーコードで支払うスマホ決済アプリ

同じくキャッシュレス決済では「メルペイ」「SUICA ポイント」などのキーワードもランクイン。メルカリが始めたスマホ決済サービス「メルペイ」は2019年2月にサービス提供を開始し、最近では、きゃりーぱみゅぱみゅや有名YouTuberを起用したTVCMもよく見かけます。

今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた「〇〇ペイ」。日常利用や幅広い世代で普及が進み、2020年もその動向から目が離せません。

その他、トップ10では、2位に「即位礼正殿の儀」が入りました。令和元年が始まった5月1日以降、様々な皇室行事への関心が高まる中で、10月22日に宮中で行われた「即位の礼」の日は2019年限定の国民の祝日となり、大きな関心を集めました。

日本中が“ワンチーム”に盛り上がった「ラグビーワールドカップ」

11位~20位を見てみると、15位「ラグビーワールドカップ チケット」、18位「スコットランド」など、ラグビーW杯関連のキーワードが。9位に入っていた「東京スタジアム」もラグビー日本代表が4強をかけて南アフリカと戦った舞台ですが、「スコットランド」など対戦相手国にも注目が高まった今大会。日本はホスト国として2020年東京五輪への学びも多く得たのではないでしょうか。

検索キーワードの上昇率ランキング【2019年】11位~20位

検索キーワードの上昇率ランキング【2019年】11位~20位

※集計期間:2019年1月~10月

タピオカブーム再来の2019年。巷で“タピる”人が続出

若い女性を中心に、爆発的な流行を見せた「タピオカミルクティー」で注目を集めた、「タピオカ」も19位にランクインしました。

検索数の推移では、2019年6月がピークとなっており、本格的なブームとなった夏を迎える前に「タピオカ」自体をネットで調べた人が急増したものと考えられます。

「タピオカ」の検索者数推移

「タピオカ」の検索者数推移

マナミナでは、2019年7月下旬に「タピオカミルクティー」の認知度や、実際に飲んだことがあるかをアンケートで調査。認知度では男性の約50%に対し女性は73%、20%もの開きがあり、女性のうち、およそ4人に1人は「飲んだことがある」と回答しました。

タピオカミルクティーの認知度をアンケート調査!20代女性の8割が認知、4人に1人の女性は「飲んだことがある」

https://manamina.valuesccg.com/articles/564

株式会社ヴァリューズのアンケート調査の結果と、「タピオカ」をネット上で検索したモニターのインターネット行動ログから、関心を寄せるキーワードを自然言語処理のWord2Vecを用いて分析しインサイトを探ってみました。タピオカミルクティーの認知度は若い女性を中心に高く、飲んだことのある人の割合も高いことが見えてきました。

専門店だけではなく、コンビニや家庭での手作りなど、一気に裾野が拡がったタピオカブーム。冬はホットタピオカにしたり、わらび餅などアレンジも楽しめるため、2020年は食材としてより定着するかもしれません。また、ポストタピオカとなる次の食トレンドにも注目です。

2020年の本丸「東京オリンピック」をはじめ、車や高速道路の定額制サブスクも登場

最後に、トップ100までにランクインしたキーワードのうち、2020年もヒットが予想される「兆しトピック」を、ダイジェストで見ていきましょう。

24位「TOKYO 2020」、28位「オリンピック チケット」

いよいよ2020年7月24日から開催される東京オリンピック・パラリンピック。2019年はチケットの抽選販売が行われ、大きな盛り上がりをみせました。2020年春からは聖火リレーも始まり、夏に向けて注目度は最高潮に達すると見込まれます。

53位「KINTO」

「KINTO」は2019年7月にトヨタ自動車が提供開始した、頭金なし、任意保険・自動車税もコミコミで、月々定額で車を所有できるサブスクリプションサービス。若者には乗り始めやすさ、高齢者も契約期間中に免許返納する場合は解約金がいらないなど、気軽さがポイントです。

【KINTO】愛車サブスクリプション -トヨタの新サービス -

63位「ドラ割」

NEXCO東日本が始めた高速道路のお得な定額プランが「ドラ割」。期間限定・事前申込み・ETC利用が条件となりますが、対象エリア内は定額で乗り降り自由、レジャー施設や宿泊施設での割引サービスも付くそうです。北海道や東北周遊などのフリーパスがあり、今年、台風被害を受けた千葉県も観光促進を目的に『南房総観光応援フリーパス』が発売されています。

ドラ割 | ドラぷら

今回は、検索者数が伸びたキーワードから2019年を振り返りました。ネット上では本格的なブームが到来する前に、言葉の意味を検索して調べるような行動も見られるため、ヒットの兆しを掴みやすいといえるでしょう。

2020年はどのようなキーワードが人々の関心を集めるのでしょうか。マナミナ編集部では、検索ログやWeb行動ログ、アンケート調査などのデータをもとに、トレンドを予測していきます。お楽しみに!

関連記事

2019年に注目を集めた広告キャンペーンは? PayPayやコカコーラなどの事例まとめ

https://manamina.valuesccg.com/articles/691

2019年に集客に成功した広告キャンペーンをまとめました。サイト分析ツール「eMark+」を使い、訪問ユーザー数が前月比で急上昇したものをピックアップしています。広告キャンペーン設計に活かしてみてください。

盛り上がるラグビーW杯、検索キーワードも急上昇!

https://manamina.valuesccg.com/articles/609

9月20日に開幕したラグビーワールドカップ一次リーグで快進撃を見せる、ラグビー日本代表。5日の対サモア戦は日本テレビが生中継し、瞬間最高視聴率が46・1%という驚異的な数字をマークするなど、列島の興奮度が高まっています。ラグビー関連でどのようなキーワードが検索されているのか、どのようなコンテンツが人気なのか、性年代別の傾向と合わせて調査してみました。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


Dockpitで見つける潜在ニーズ。山星屋が実現する市場予測と説得力ある販売戦略

Dockpitで見つける潜在ニーズ。山星屋が実現する市場予測と説得力ある販売戦略

近年、企業はかつてないほど膨大なデータにアクセスできるようになっています。しかし、真に価値あるインサイトを得ることに依然として課題を感じているマーケターも少なくないのではないでしょうか。創業115年を誇る菓子専門商社の株式会社山星屋は、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」を活用し、従来の販売データでは捉えきれなかった消費者の潜在ニーズを可視化。さらに、1年後、3年後の市場動向を予測し、商品開発や販売戦略の立案につなげています。今回は同社の鈴木美和氏に活用事例とDockpitだからこそ得られる価値を伺いました。


「ダイエット」検索者は過去2年で減少傾向に? 新型コロナ収束やニーズの多様化が背景か

「ダイエット」検索者は過去2年で減少傾向に? 新型コロナ収束やニーズの多様化が背景か

誰もが一度は考えたことがあるはずのダイエット。特にコロナ禍で外出が制限されていた時期は興味をもつ人が多い状況でした。しかし、最近になって状況は少し変わってきているようです。この記事では、現在もダイエットに関心を持つ人々について分析し、彼らが何に興味を持っているのかを見ていきます。


後払い(BNPL)やプリペイド決済は誰がどう使っている? 特化型決済アプリユーザーを比較調査

後払い(BNPL)やプリペイド決済は誰がどう使っている? 特化型決済アプリユーザーを比較調査

ここ数年、非接触型のキャッシュレス決済を中心に多様な決済手段が発展してきました。その中で、ユーザーはどのようにして決済方法を選択しているのでしょうか? 本稿では後払い(BNPL=Buy Now Pay Later)に特化したアプリ(Paidy、Smart Pay)と、プリペイドに特化したアプリ(Ultra pay、バンドルカード)を比較し、それぞれのユーザーの興味を分析します。


現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!早くも「夏」の準備開始?「母の日」プレゼント選びも(2024年5月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

現役Z世代が検索ワードからトレンドを考察!早くも「夏」の準備開始?「母の日」プレゼント選びも(2024年5月)【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第19弾となる今回は、Z世代とミレニアル世代の検索キーワードランキングから、「夏」「母の日」の2テーマを取り上げてZ世代のトレンドをお送りします。Z世代の準備・楽しみ方が気になる「夏」、「母の日」のプレゼント選びの悩み など、データとリアルな声を掛け合わせ、Z世代のニーズを読み解きます。


Analyzing dramas, anime, and games is getting popular among young people! Why is it trending?

Analyzing dramas, anime, and games is getting popular among young people! Why is it trending?

In recent years, there have been lots of “analysis” content, especially popular among young people. They cover a range of subjects, and platforms for expressing insights and “analysis” in writing is gaining popularity. Let's look at data to understand its popularity, different from that of “spoilers” or “synopsis”!


最新の投稿


博報堂研究デザインセンター、生活者発想技研からメタバース生活者たちと共にメタバースの未来を考える 「メタバース生活者ラボ™」を設立

博報堂研究デザインセンター、生活者発想技研からメタバース生活者たちと共にメタバースの未来を考える 「メタバース生活者ラボ™」を設立

株式会社博報堂は、メタバース空間における新しい生活者価値の創出と、イノベーションを生み出すことを目指し、研究員全員がメタバース生活者当事者によって構成されたコミュニティ型プロジェクト「メタバース生活者ラボ™」を設立したことを発表しました。


【2024年12月2日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2024年12月2日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


SEOの失敗から学んだ教訓、「技術的な最適化の重要性」「キーワード選定の重要性」「コンテンツの質が検索順位に与える影響」が上位に【eclore調査】

SEOの失敗から学んだ教訓、「技術的な最適化の重要性」「キーワード選定の重要性」「コンテンツの質が検索順位に与える影響」が上位に【eclore調査】

株式会社ecloreは同社が運営する「ランクエスト」にて、SEO対策で実際に失敗を経験した担当者に対し、その原因や対策についてアンケートを実施し、結果を公開しました。


ゴンドラ、CXデザイン・カスタマーサクセスの最新トレンドと顧客エンゲージメントに関する調査結果を発表

ゴンドラ、CXデザイン・カスタマーサクセスの最新トレンドと顧客エンゲージメントに関する調査結果を発表

株式会社ゴンドラは、カスタマーサクセス、CRM、CXデザイン業務経験者を対象に、顧客エンゲージメントに関するアンケート調査を実施しました。


SEOにおける動画コンテンツの活用目的は検索順位・ブランド認知度向上!約8割がSEO効果を実感している結果に【eclore調査】

SEOにおける動画コンテンツの活用目的は検索順位・ブランド認知度向上!約8割がSEO効果を実感している結果に【eclore調査】

株式会社ecloreは同社が提供する「ランクエスト」にて、動画コンテンツ活用者を対象に、SEO対策としての動画の有効性について調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ