2021年 中国の春節から見た新たな消費 ~ EC購入品|中国トレンド調査

2021年 中国の春節から見た新たな消費 ~ EC購入品|中国トレンド調査

2月は、中国で最も大切で伝統的な祝日である春節(旧正月)がありました。しかし、今年の春節は、今までとは異なる過ごし方をした人がたくさんいました。新型コロナウイルスの再拡大への警戒から政府が「居住地で春節を迎えて」と帰省自粛を呼びかけており、家族と一緒に春節を過ごすことができないため、ECを利用して実家にいる両親にプレゼントを贈る人が増えていました。また、中国人は、春節(旧正月)の長い休みに際し、何らかの手土産を持って目上の人へ挨拶に伺う「拝年」という習慣があるため、今年はインターネットを活用してこの習慣を続ける人も多くいました。ここでは、春節のECショッピングブームの中でよく買われたもの、流行ったものについて紹介したいと思います。


1. 春節でよく売られたもの

ロボット系商品

掃除ロボット、ロボット型スピーカー、窓ふきロボット、自動床面洗浄機など、ロボット系商品が春節の人気プレゼントと言われています。中国では急速に高齢化が進んでおり、人材不足に人件費の高騰も重なり、ロボットを活用した業務へのニーズが極めて高まっています。

この商機を掴んだ有名IoT家電メーカー小米(シャオミ)が、春節期間中、ライブ配信KOL罗永浩と連携をとり、一日のライブ配信で3153万元(約5億2千万円)の売上を獲得できました。

掃除ロボット

春節限定コスメ

ネット通販大手の拼多多(ピンドゥオドゥオ)で大人気な中国コスメランドcolorkeyは、「春節限定リップ」を発売しました。その他に、春節限定パッケージを発売した海外ブランドもたくさんありました。エスティ ローダーの美容液、ランコムのアイクリーム、SK-IIの化粧水が挙げられます。

また、「丑年」というテーマに合わせ、韓国のコスメブランドAEKYUNG LUNAが「丑年BBカバークッション」を発表し、1日平均の売上高を300%増加させました。今年のバレンタインデーは春節期間中に重なり、ECを利用して恋人のためのプレゼントとしてコスメを購入するブームも起こりました。

SK-IIの限定パッケージ化粧水

食品

中国最大のECサイトT-mallで山西省産の高級りんご、四川省産のオレンジ、山東省の海鮮、広東省の潮州牛肉丸(牛肉の肉団子)がそれぞれ売上30%以上増加し、春節をまさに「爆食い」の休暇として楽しむ人が増えました。

一方で、持ち運びのしやすさを重視したミニサイズのオレオとコーラ、ドリップパックコーヒーなども人気商品にランクインされ、「爆食い」ブームの裏には「食べ切れない、もったない」という潜在的な気持ちをもつ消費者がいると考えられます。

スーパーマーケットで販売している赤いリンゴ

資格・検定・受験に関連する書籍

資格・検定に関連する書籍も大人気。居住地で春節を迎える人の中で、春節休暇を資格試験の準備時間として活用する人の増加を垣間見ることができます。

また、受験生向けの演習教材、参考書などの売上増加からも、「勉強に忙しい春節」を過ごした学生がたくさんいることがわかりました。

2. 春節の流行り

赤マスク

春節と言えば、赤い袋に入れるお年玉、赤色の爆竹が象徴的でしたが、今年はネット通販で2000種類近くの商品があるにもかかわらず、「赤マスク」が人気を集めています。

ティックトックの動画で春節お祝い

帰省自粛で家族と会えない寂しさを紛らすため、ティックトックの動画を撮ることで春節お祝いし、過ごし方を紹介するティックトッカーが増えてきました。「一人で春節を過ごした記録」、「春節料理の作り方」などは人気なテーマです。家族と離れても、様々な動画をシェアすることで春節を一緒に過ごしているような雰囲気を作りました。

今年の春節は、「異例の連休」と言われていますが、IoTのおかげで、家族との繋がりをもっと大切にするべきだという思いがある人が増えてきました。

ティックトックの春節お祝い動画

地方政府の「春節アプローチ」

居住地で春節を迎える人向けに、各地方政府から通信データの給付、無料の健康診断サービス、無料で利用できる図書館とジムなど、様々な措置が発表されました。

また、「デジタル」を主役に、住民すべての健康と行動管理を行うため、「健康コード」と呼ばれるQRグリーンコードが開発されました。大型ショッピングモールの入場から空港の保安検査まで「健康コード」を提示する必要があります。このQRグリーンコードが人々にコロナ感染拡大防止と精神的安全感をもたらしました。

まとめ

春節は中華圏で最も重要とされる祝祭日であり、例年の春節より今年は少し寂しい気持ちを持つ人が多かったようですが、実家にいる親への贈り物や帰省できない娘と息子に用意した贈り物を買う、このような温かい気持ちをもつ消費者の存在でネットショッピングのブームが拡大しました。

春節の消費動向から、人々の新しい価値観やライフスタイルへの覚醒が反映されています。このような消費動向に合わせた巧みな広告戦略や、幅広い世代に対応したブランド展開が必要だと考えます。ECプラットフォームやテクノロジーを駆使しながら「次の春節はどうなるか」、「家族と会えるか」と不安を感じている生活者に向き合うことが今後の重要な課題と言えます。

参考文献

「中国で春節に赤マスクが流行 」
https://www.afpbb.com/articles/-/3333264

「小米公布罗永浩年货节专场战报:销售金额3153万元」
http://finance.eastmoney.com/a/202101181779645578.html

「2021春节的变与不变——京东年货节消费大数据报告」
https://www.163.com/dy/article/G1U8E4VU0514R9KE.html

「原地过节的消费者 都在买什么?」
https://www.sohu.com/a/450273673_118622

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この記事のライター

中国出身の留学生。慶應義塾大学に在学中。

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