フードデリバリーの主要6サービスを比較

フードデリバリーの主要6サービスを比較

ユーザー数では「dデリバリー」・「出前館」が2強


ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、「フードデリバリーサービス」について調査・分析しました。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、2017年10月~2018年9月におけるユーザーの行動を分析しました。
※サイト訪問者数やユーザー数はPC・スマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※サイト分類のカテゴリはヴァリューズが独自に定義。

考察サマリ

日本でも広がりを見せるフードデリバリーサービス

 「Uber Eats」などの、アプリやサイトから手軽に注文・決済ができるフードデリバリーサービスが日本でも広がりを見せています。国内の主要フードデリバリーサービスのユーザー数推移や属性を中心に調査しました。

 まず2018年9月のグルメ関連メディアにおける、スマートフォン(SP)でのサイトランキングを調べました。上位20位以内に4つのフードデリバリーサービスサイトがランクインしており、注目度の高さがうかがえます【図1】。

 ドコモが運営する「dデリバリー」、17,000店以上の提携店舗数を誇る「出前館」、楽天が提供している「楽天デリバリー」、LINEアプリから注文ができる「LINE デリマ」がランクインしていました。

ユーザー数トップ3は「dデリバリー」「出前館」「楽天デリバリー」

 次に主要フードデリバリーサービス6つをピックアップし、2017年10月~2018年9月におけるユーザー数推移についてアプリのデータも加え、詳しく調べてみました【図2】。「dデリバリー」と「出前館」が他サービスを引き離して多くのユーザー数を獲得していることがわかります。また、2017年12月までは「LINEデリマ」が3位の位置につけていましたが、2018年以降は「楽天デリバリー」が「LINEデリマ」を上回るユーザー数を獲得し、3位となっています。さらに、「Uber Eats」のユーザー数が2018年7月以降順調な伸びを見せていることも見て取れます。元々「Uber」は配車アプリを展開していましたが、そのコンセプトをフードデリバリーサービスに活用し、ヴァリューズの調査では、2018年9月、配車アプリ「Uber」の利用者数は約19万人ですが、「Uber Eats」アプリは約30万人で、国内のアプリ利用者数は本家の「Uber」を超えています。

「LINEデリマ」は女性、「Uber Eats」は若年層に人気

 続いて、主要フードデリバリーサービスのユーザーの属性を詳しく見ていきました。まずサービスごとの男女比を調べてみると、男性比率が高かったのが「楽天デリバリー」「出前館」「Uber Eats」でした。反対に、女性比率が高かったのが「ごちクル」「LINEデリマ」ということがわかりました【図3】。特に「LINEデリマ」は女性ユーザーが6割を超えており、女性人気を獲得していると考えられます。

 年代別に見てみると、20代、30代の若年層が半数以上を占めていたのは「Uber Eats」のみでした。その他5つのサービスは40代~60才以上の中高年層が半数以上を占めています【図4】。

 また、未既婚別で見てみると、「Uber Eats」以外の5つのフードデリバリーサービスでは未婚ユーザーより既婚ユーザーの割合が高いことがわかりました【図5】。

 共働き世帯の増加や高齢化社会が進む日本では、若年層だけでなく中高年層や共働きの既婚ユーザーからの需要が高い可能性が十分に考えられます。今後もフードデリバリーサービスのニーズはさらに高まりを見せそうです。

本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてくださいね。

dockpit 無料版の登録はこちら

関連記事

新型コロナの影響は食生活にも?「Uber Eats」などフードデリバリーアプリの利用が急増中

https://manamina.valuesccg.com/articles/835

2019年10月からの消費増税で盛り上がりを見せたフードデリバリー市場。現在は新型コロナウイルスの影響で自宅で食事を取る機会が急増していることもあり、フードデリバリー市場にさらなる勢いが見られます。今回は既に定着しつつあるフードデリバリーアプリの利用状況を「eMark+」を用いて比較・調査しました。

ステイホームを「お取り寄せグルメ」で乗り切る人が急増!話題のお取り寄せサイト分析

https://manamina.valuesccg.com/articles/855

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、全国的にステイホームが奨励されています。飲食店も臨時休業している店舗があり、外食もままならない状況。「巣ごもり消費」という新たなトレンドも生まれる中、じわじわ盛り上がってきたのがお取り寄せグルメ市場。今回はステイホーム期間中のお取り寄せグルメ市場の動向についてまとめます。

外食産業のサイト・アプリランキング

https://manamina.valuesccg.com/articles/138

PCはスタバ、スマートフォンはマクドナルドが1位!

食品ロス解決アプリのMAUは1年で約1.9倍。SDGsで追い風が吹くフードシェア系サービスを比較調査

https://manamina.valuesccg.com/articles/817

食品ロスを減らすための法律「食品ロス削減推進法」が2019年10月に施行され、SDGsの目標のひとつとしても掲げられている食品ロス問題。自治体主体の取り組みが広がる一方、食品ロス削減に役立つサービスも増えてきています。それらのサービスは、どこまで浸透し、どのような層に利用されているのでしょうか?本稿では「食品ロス削減」サービスを調査しました。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


市場調査 「外食」市場調査

関連する投稿


人気デリバリーアプリ「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」のポジション分析 | コロナ初期からの変化は?【2024年最新版】

人気デリバリーアプリ「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」のポジション分析 | コロナ初期からの変化は?【2024年最新版】

ここ数年で需要が高まったデリバリーアプリ。コロナ禍に利用し始めた人も多いのではないでしょうか。デリバリーサービスが注目され始めて数年が経った今、需要はどう変化したのか、また各社アプリを今利用しているのはどのような人たちなのか、人気デリバリーアプリの「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」を比較しながら分析します。


Z世代の集客に挑む!ドリンクに特化したマクドナルドの新店舗『CosMc’s』とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年1月)

Z世代の集客に挑む!ドリンクに特化したマクドナルドの新店舗『CosMc’s』とは | 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年1月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、アメリカ出身の著者が、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、マクドナルドの新スピンオフブランドとして話題の「CosMc’s」を紹介します。


人気デリバリーアプリ「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」のポジション分析|コロナ初期からの変化は?

人気デリバリーアプリ「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」のポジション分析|コロナ初期からの変化は?

人気出前アプリの「Uber Eats」「出前館」「menu」「Wolt」。コロナウイルスの蔓延も影響してここ数年で急激にニーズが高まった出前アプリですが、アフターコロナに向かいつつある現在はどのような利用実態になっているのでしょうか? 今回は人気出前アプリ4社を比較し、その動向やアプリごとのユーザー像を分析。また、コロナ初期と今でのシェアの違いについても調査します。


2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

2022年観光関連サイト推計閲覧者数ランキング ー 都道府県別の公式観光サイトでは、全国旅行支援・県民割等の影響が顕著

公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:山西 健一郎)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2022年の観光関連Webサイトの年間推計閲覧者数を調査しました。


エリアによって人気の飲食店ジャンルが異なる?食べログの閲覧状況から分析してみた【新宿エリア】

エリアによって人気の飲食店ジャンルが異なる?食べログの閲覧状況から分析してみた【新宿エリア】

特定のエリアについて情報を集める際に、一般的には国勢調査等が活用されます。しかし、性年代にとどまらず、もう少しその地域を詳しく知りたいことはありませんか?そんな時に、行動ログデータを活用することで、そのエリアに関連した人々のWeb上での動きを分析することができます。本分析では、飲食店を題材に、消費者の行動ログデータを分析し、新宿エリアの閲覧ユーザーや人気飲食店ジャンルの特徴を推察します。


最新の投稿


DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

DB型サイトでSEO施策を実行して対策ページが上位化するまでにかかった期間は"6か月"が最多【eclore調査】

株式会社ecloreは、同社が運営する「ランクエスト」にて、データベース型サイト運営者を対象に、SEOの実施状況やその効果について調査を実施し、結果を公開しました。


SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

SEOに積極的に取り組んでいるサイトの9割以上が表示速度の重要性を認識!改善に取り組む目的は「顧客体験の向上」と「リピート率の改善」が上位【Repro調査】

Repro株式会社は、Webサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施し、結果を公開しました。


感性について ~ マーケティングとハプティクス

感性について ~ マーケティングとハプティクス

人には5感が備わっています。さらに突き詰めれば第6感という感覚も。それら人の持つ感性や感覚を補うべくあらゆる技術も日々進歩していますが、人のそれらの代替となるような技術はまだ未完の途上です。それほどに他に取って代われない私たちの感性・感覚。本稿では、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長、一般社団法人マーケティング共創協会理事・研究フェローを務めている渡部数俊氏が、広告やマーケティングを通して人の感性の深さを説き、ハプティクス(Haptics)を用いて人の感覚の重要性を解説します。


イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

イードとガイエ、リアルとデジタルの融合でアニメファンの推し活を支援する広告パッケージを提供開始

株式会社イードと株式会社ガイエは、全国のファミリーマート、ローソン(※一部店舗を除く)に設置されているマルチコピー機で展開するコンテンツサービス「エンタメプリント」を活用した広告パッケージ「Anime Touch Ad」を共同開発し、販売開始することを発表しました。


ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

ネオマーケティング、ボーダーリンクとの協業で在日外国人リサーチサービスを提供開始

株式会社ネオマーケティングは、株式会社ボーダーリンクと協業し、在日外国人リサーチサービスを提供開始したことを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ