いま、スポーツマーケティングが熱い!| 第4回 エンタメ化でファン獲得 フェンシング編(2)

いま、スポーツマーケティングが熱い!| 第4回 エンタメ化でファン獲得 フェンシング編(2)

競技ごとにスポーツマーケティングの動向をとりあげます。フェンシング編(2)では、もう少し詳しく日本フェンシング協会公式サイトのユーザー像を分析してみます。


日本フェンシング協会の公式サイト(以下、公式サイト)が、太田会長就任後にユーザーやページビューを増やしていることを前回お伝えしました。セグメント別にはどうでしょうか? ネット行動ログ分析ツールeMark+を用いて調べてみました。

女性はイベントに反応

男女別に公式サイトユーザー推移を見てみると、女性ほど試合に反応しやすい傾向です。中国で世界選手権が行われた2018年7月や、グランプリ大会女子フルーレで宮脇花綸選手が日本勢過去最高の2位を獲得した5月に女性ユーザーが増えました。

男性は全日本選手権開催の12月が2017年、2018年とも多い傾向。2018年は年明け1月、2月にユーザーが減りましたが、2019年は2月も12月と同程度のユーザー数を維持していて、関心が定着しつつあるといえそうです。

日本フェンシング協会サイトの男女別利用状況推移(2017年4月-2019年3月 PC+SP)

直近半年で20代ユーザー急増

2018年12月に本格稼働した「エンターテインメント化」は若いファン獲得に奏功したようで、直近半年間では20代ユーザーが急増しています。

一般にスポーツファンは若年層ほどSNSを通じて試合結果やハイライトを知る傾向が強いので、2019年5月現在約4,500人のFacebookフォロワー、約2,400人のTwitterフォロワーを誘導できているかが気になりますが、ログ上はこれらチャネルの往来に明らかな傾向がみられませんでした。

逆に60才以上は2018年4月-9月のみユーザーが急増していて、前後の期間はあまり反応がなかったようです。年齢が高い方が、エンターテインメントとしてのゲームよりも、メダルなどのトピックに影響されやすいのかもしれません。

日本フェンシング協会サイトの半年ごとの年代別利用状況推移(2017年4月-2019年3月 PC+SP)

公式サイトとは別のファン層が..? 太田会長の発信力に工夫を

ちなみに太田会長のフォロワーは、2019年5月現在「太田雄貴オフィシャルブログ「Allez」Powered by Ameba」(以下、個人ブログ)が約1,900人、Facebook約8,000人、Twitter約78,000人で、SNSフォロワー数は公式サイトを上回っています。

太田会長の個人ブログは公式サイトと違ったアクセス傾向を示していて、公式サイトに比べて波が大きいようです。女性比率が非常に高く、別のファン層が存在しそうです。

太田雄貴オフィシャルブログ「Allez」の男女別利用状況推移(2017年4月-2019年3月 PC+SP)

2019年5月時点では、個人ブログと公式サイト、SNSとの導線があまり充実していないので、サイト設計で「取りこぼし」がないように、ソーシャルボタン設置やSNSからのリンク強化といった工夫を期待したいところです。

公益社団法人 日本フェンシング協会 公式サイト

http://fencing-jpn.jp/

日本フェンシング協会の公式ウェブサイトへようこそ! 当協会は、我が国におけるフェンシング競技を統括する唯一の団体として、フェンシング競技を通して国民の心身の健全な発達に寄与することを目的にしています。 何卒よろしくお願い申し上げます。

太田雄貴オフィシャルブログ「Allez」Powered by Ameba

https://ameblo.jp/1125-yukiota/

太田雄貴さんのブログです。最近の記事は「役員について」です。

この記事のライター

法政大学院イノベーション・マネジメント専攻MBA、WACA上級ウェブ解析士。
CRMソフトのマーケティングや公共機関向けコンサルタント等を経て、現在は「データ流通市場の歩き方」やオープンデータ関連の活動を通じデータ流通の基盤整備、活性化を目指している。

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