競合調査の目的
■自社のWeb広告戦略の答え合わせとトレンドチェック
皆さんはWebサイトのプロモーションを行う際に、パーチェスファネルやカスタマージャーニーマップなどを元に、どの層のユーザーにはどのような広告を活用するかなどの戦略を立てていると思います。
また「今までリターゲティングといえば●●だったのに、最近では■■が主流だ。」というようにWeb広告は手法の移り変わりが激しいのも特徴です。
そこで競合調査によって、自社の戦略が正しかったのか、また活用しようとしていた広告で良いのか?などのチェックができます。とある広告をライバルが継続的に行っているならば、広告費用を上回るメリットがあるはずで、また同じ条件なら自社も再現できると推定できるからです。
上述で触れたカスタマージャーニーマップについては下記の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
マーケティングでは競合他社との比較を行った「競合調査」を元に、市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握し、対策となる差別化戦略を立てるのに活用します。 この記事では競合調査の目的と進め方、3C分析・4P分析・SWOT分析など分析の方法論などの基本をご紹介します。
■成功企業の手法を参考にする
プロモーションの担当者の中では未経験で配属されたという方もいらっしゃると思います。その場合、競合サイトが行っているWeb広告を調査すれば、自社が取るべき施策の参考にできます。また自社でA/Bテストなどの検証・改善をできる体制がない場合、有力企業の設定を取り入れる方法も有効です。
競合となるWebサイトの探し方
競合を探すポイントは、リスティング広告の出稿時に重視すると考えられるキーワードを数パターン組み合わせて検索し、実際に出稿しているサイトをチェックします。
ここで出てきたサイトの中から、
1.サービス内容や販売価格帯が近いサイトを5つ
2.サービス内容は近いが販売価格帯が異なるサイトを2つ
それぞれ選出し、これらを競合サイトとします。なお、具体的な数字を出しましたが、これはあくまでも目安です。
このほかにも、代替品になりうる商品やサービスを扱っているサイト(企業)に関してもいくつかピックアップしましょう。ここでの代替品の定義は、自社の商品やサービスと同じニーズを満たすものです。
代替品をチェックすると、他社との差別化のポイントを見つけられる可能性が高まるので、できるだけ代替品を扱うサイトに関しても競合サイトに含めましょう。
競合調査の手法とツールの紹介
ディスプレイ広告とPPC(クリック課金)、アフィリエイト広告の調査方法とツールについて紹介します。
■タグから広告を調査する
ディスプレイ広告やPPC広告の調査をするには対象のWebサイトにどのようなタグが設置されているかを調査することでGoogleやYahoo!などの広告サービス名まで特定することが可能です。
調べ方はとても簡単でWebブラウザに「Ghostery」という拡張機能をインストールして、対象サイトを開くだけでどのような広告のタグが設置されているか一覧で表示してくれます。
■アフィリエイトサイトの調査方法
アフィリエイトの調査には2通りのアプローチがあります。今回は自社が中古車査定を展開し、競合サイトが「安心車.jp」であると見立ててて調査してみます。
1.競合他社を紹介しているサイトを調査
Googleなどの検索エンジンで「安心車 評判」などと検索するとアフィリエイトサイトが複数検索結果に出てきます。そのサイトの中で「公式サイトはこちら」というようにリンクが貼ってある箇所にマウスのカーソルを重ねると、ブラウザ右下にリンク先のURLが出てきます。
そこのURLがASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)のリンクになっていたらアフィリエイトを実施していることがわかります。
2.ASPの管理画面で案件を検索
主要なASPは下記に挙げるサービスになります。
・レントラックス
・A8.net
・afb
・JANet
・バリューコマース
・TCSアフィリエイト
これらのASPの管理画面サイトにアクセスして例えば「中古車査定」で案件検索をするとアフィリエイト広告を実施している広告主がヒットします。案件詳細ではバナー素材や成果地点、成果報酬金額まで見ることが可能です。
■他社サイトの流入元や広告手法がわかるツール「Dockpit」
ここでおすすめしたいツール「Dockpit(ドックピット)」は、限られた時間で多くの情報を必要とするマーケターのためにヴァリューズが開発した、ダッシュボード型のマーケティングツールです。
ヴァリューズが独自保有する国内250万人規模の消費者パネルの活用によって、国内の主要サイトのユーザー数やPV数、訪問者属性、流入元やその検索ワード、よく見られているコンテンツなどをすぐに調査できるのが特色です。
競合調査、分析においての活用方法として、競合の類似商品ごとのユーザー比較をしたいという場合は、商品ページ(ディレクトリ指定も可)でのURL比較を実行することで、類似商品のユーザー数や属性情報を、横並びのグラフなどで可視化、比較を行えます。
また、競合がどのように集客しているのかを知りたい場合は、競合他社サイトにおける、ユーザー属性と広告メニューを確認できます。そして、その結果を元に、メインターゲットユーザーにあった訴求軸の把握も可能になります。
こうした競合の調査のほか、マーケティング戦略の立案に関しても「Dockpit(ドックピット)」の活用で効率的に行えます。データ分析からマーケティング戦略の立案の方法に関しては、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
「Dockpit」を活用したマーケティング戦略立案に直結するデータ分析手法とは|Marke Media Daysセミナーレポート
https://manamina.valuesccg.com/articles/1372自社で事業を推進する時、広告代理店がクライアントに状況を説明する時など、頻繁に実施される3C分析。しかし、いざ着手しようとすると、市場や顧客の分析ツール、競合や自社の分析ツールをそれぞれ閲覧しながらデータをまとめる煩雑な作業が伴うなど、思いがけず時間と労力がかかってしまうのが実情です。そこで、5月25日に行われた「Marke Media Days」では、1つのツールで3C分析を実施できる「Dockpit」の有効な活用方法をご紹介。効率が良くスマートな3C分析の方法を解説しました。※詳細なセミナー資料は無料でダウンロードできます。記事末尾のフォームよりお申し込みください。
さらに、競合調査の具体的な事例としておすすめしたいのがこちらの記事です。
競合調査を3時間から20分に短縮!Dockpit導入で変わった制作提案のプロセスとは
https://manamina.valuesccg.com/articles/1755名古屋・東京を拠点にさまざまなWebサイト制作を手がけるGrowGroup株式会社。同社では、ヴァリューズのWeb行動ログツール「Dockpit」を導入し、制作提案における競合調査時間の短縮や売上の向上に成功しています。代表取締役の畑中孝仁さんに、導入の背景や成功の秘訣を聞きました。
実際にDockpitを用いて出店先として注力するECを分析した事例、他社の集客施策をもとに自社の集客施策を検討した事例、集客力アップのためのSEO対策活用事例をまとめたレポートも用意しています。全17の事例レポートを無料でダウンロードできますので、こちらもあわせてご確認ください。
マーケターのためのリサーチエンジン「Dockpit」の活用事例集・17選
https://manamina.valuesccg.com/articles/1446マーケティング活動において重要な3C(自社・競合・市場)のデータを1つのツールで誰でも簡単に分析できる「Dockpit(ドックピット)」。化粧品、保険、メディア、EC、広告代理店など様々な業界から厳選したDockpitの活用事例17選をまとめました。 ※事例集は記事内のフォームから無料でダウンロード頂けます。
その他のWeb広告の競合Webサイト調査におすすめのツール
Web広告から競合するWebサイトを調査する、という点に関してならば、以下のツールもおすすめできます。
■Facebookの「広告ライブラリ」
Facebookを運営するMeta社が公式提供しているツールで、FacebookのほかにもInstagram、Audience Network、Messengerに出稿されているすべての広告を無料でチェックできます。
広告以外にも出稿している広告主のFacebookページの内容(ID、名前、業界、いいね!数、フォロワー数など)を確認できます。肝心の出稿した広告については、掲載日、バナーなどのクリエイティブ、出稿先のプラットホーム(Facebook、Instagram、Audience Network、Messenger)、広告のタイプ、リンク先を確認できます。
なお、リンク先についてはLPの場合でも分析できるのが特徴です。なお、出稿が終了した広告についてはライブラリで確認できないため、要注意です。
■Google広告の「Google広告オークション分析」
「Google広告オークション分析」では、Google検索広告やショッピング広告の競合出稿状況を確認できます。出稿状況とともに、インプレッションシェア、自社との重複率、競合が上位掲載されている率を分析できます。この分析から自社に適した戦略を立てるようにします。
ちなみに、Google広告オークション分析は、Google AdWordsの管理画面上の「キャンペーン」→「広告グループ」→「オークション分析」の順で確認できます。
まとめ
競合のWebサイトが広告出稿している場合、その広告は第三者から見ることができます。例えばどのASPにアフィリエイト案件を出稿していて、どのような成果報酬かは隠せないことが多いのです。
Web広告を解析すれば、競合サイトの広告戦略や損益分岐点、予算など大まかに類推可能です。その戦略が自社でも取り入れられるなら有効に活用しましょう。
「Dockpit」では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
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