大手ホームセンター5社のECサイトのユーザー数を比較
分析対象とした大手ホームセンターは
・カインズ
・コーナン
・DCMホールディングス
・コメリ
・ナフコ
の5社です。それぞれの売上規模や店舗数などを以下の表にまとめました。年間売上トップはカインズ。オンラインショップのユーザー数は2位のコーナンを大きく突き放しており、同社の売上を支えていると考えられます。
ホームセンター5社比較
年間売上高は各社IR情報より(2020年8月時点)。千万以下切り捨て。
カインズ:www.cainz.com/shop/
コーナン:www.kohnan-eshop.com/shop/
DCM:www.dcm-ekurashi.com
コメリ:www.komeri.com/top/
ナフコ:nafco-online.com
ホームセンター通販のカインズ
コーナン公式サイト
ホームセンター通販 DCMオンライン
ホームセンター通販コメリドットコム
ホームセンターナフコの公式オンラインストア
■カインズオンラインショップ、新型コロナ影響で急増
次に各社のオンラインショップに訪れたユーザー数の年間推移を確認します。各社、新型コロナウイルスの影響でユーザー数が増加していることがわかります(赤枠が新型コロナ影響)。
特にカインズのオンラインショップは2020年3月以降ユーザー数が急増。もともとオンラインでは他社の追随を許さない圧倒的なユーザー数を維持していましたが、コロナ禍がさらなる追い風となりました。
オンラインショップ訪問ユーザー数推移
期間:2019年8月〜2020年7月
デバイス:PC&スマートフォン
■スマホ利用率がオンライン成長の鍵⁈
次に、ユーザー属性を比較します。下のグラフのとおり、男女比はいずれも男性比率が高い中、カインズの女性比率は47.7%と他社と比較して高いことがわかります。
年代は40代がボリュームゾーン、コメリは50代、60代が多くみられました。
また、オンラインショップの使用デバイスを比較すると、カインズのみスマートフォン比率が高いことがわかりました。
オンラインショップ訪問ユーザー属性
期間:2019年8月〜2020年7月
デバイス:PC&スマートフォン
使用デバイス比較
期間:2019年8月〜2020年7月
同時検索は「営業時間」よりも「通販」「オンライン」
続いて、ホームセンターの各社名と合わせて検索されているキーワードから、ユーザーのニーズを探ります。
※期間は新型コロナ影響を受けた2020年3月〜7月に設定。
※カインズのみスマートフォンユーザーが多いためデバイスをスマートフォンに指定。
各社とも、社名と共に「オンラインショップ」「通販」、実店舗の「営業時間」が多く検索されていました。すべてのホームセンターで、実店舗の営業時間よりもオンラインショップが検索されていることからも、オンライン好調の流れがみえてきます。
■カインズは「マスク」など感染予防関連キーワードが人気
それぞれの検索キーワードを詳しくみていきます。
カインズ:
「マスク」が同時検索キーワードの上位に。マスクを含む品薄商品の抽選販売も話題になりました。そのほかには「ゴミ箱」「自転車」などの商品も検索されました。これらもウイルス対策に関連していると考えられるでしょう。
コーナン:
オンラインサイト名「コーナンEショップ」が多く検索され、同サイトが認知されていることがわかります。商品で検索されたのは「防炎レース」「すだれ」でした。
DCM:
DCMブランドが上位を占めました。商品名で検索されたのは「寝具3点セット」でした。
コメリ:
オンラインサイト名「コメリドットコム」が多く検索され、同サイトが認知されていることがわかります。商品で検索されたのは「合い鍵」関連でした。
ナフコ:
商品名で検索されたのは「ソファ」「オフィスチェア」などの家具が多くみられました。「巣ごもり」やリモートワークによる需要が伸びたと考えられます。
カインズは「マスク」や「ゴミ箱」など具体的な商品名で検索された回数が多いようですが、他社は「オンラインショップ」「営業時間」が多く検索されています。
ホームセンター各社同時検索キーワード
期間:2020年3月〜7月
デバイス:PC(カインズのみスマートフォン)
まとめ
新型コロナウイルス禍でホームセンター業界が好調です。オンラインショップの利用者を増やしていることが要因の一つと考えられます。
主要ホームセンター5社のオンラインショップを分析すると、他社に先んじてユーザーの囲い込みに成功していたカインズが、新型コロナ影響で大幅にユーザーを獲得。マスクやゴミ箱、自転車など、ウイルス感染対策グッズが多く検索されました。
また、すべてのホームセンターで、実店舗の営業時間よりもオンラインショップが検索されていることからも、オンラインシフトの波は確実にきていると考えられるでしょう。
■分析概要
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+(イーマークプラス)」を使用し、2019年8月~2020年7月におけるユーザーの行動を分析しました。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニター(20代以上男女)での出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
本記事ではeMark+を用いて調査を行いましたが、eMark+の機能がパワーアップした新ツール「Dockpit(ドックピット)」が2020年10月にリリースされました。サイトに訪れるユーザー数や属性など、無料でお使いいただける機能もあります。まずは無料版に登録して、実際にDockpitを体験してみてくださいね。
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フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。