カスタマーサクセスのKPIに使う指標とは?チャーンレート・LTVなど

カスタマーサクセスのKPIに使う指標とは?チャーンレート・LTVなど

顧客の成功を支援するカスタマーサクセスですが、その結果として契約更新を目指すだけが目的ではありません。カスタマーサクセスのKPIとしては顧客生涯価値を最大化するLTV、解約率を見るチャーンレート、オンボーディング完了率、アップセル/クロスセル率などの指標を使います。


カスタマーサクセスのKPIで使う成果指標

カスタマーサクセスはサブスクリプション型ビジネスで設置される、継続率やLTVを最大化させるための組織・役職のこと。顧客が成功することで継続率が上がり、アップセルやクロルセルも織り交ぜて、最終的にLTV(顧客生涯価値)の最大化を目指す考え方です。

そのためのKPIとして使われる主な成果指標には以下のものがあります。
・解約率(チャーンレート)、継続率
・LTV(顧客生涯価値)
・オンボーディング完了率
・アップセル率
・クロスセル率

カスタマーサクセスとは?注目されている理由【CSの新しい考え方】

https://manamina.valuesccg.com/articles/311

日本においてはカスタマーサポートを中心に考えられてきていましたが、海外では「カスタマーサクセス」という概念が浸透し、日本でも取り入れられてきています。 なぜ今日本でもカスタマーサクセスが注目されているのでしょうか? 顧客を成功に導くためのカスタマーサクセスとは、どういった考え方でありどんな役割を担っているのか解説していきます。

指標「LTV(顧客生涯価値)」の考え方と計算方法

サブスクリプションとは月額課金等の定額でサービスを提供し、必要があればオプションや関連サービスも利用してもらうビジネスモデルです。

サブスクリプションは買い切りではないため、顧客がサービス内容に満足して契約を更新して継続利用してくれるかが大事です。そこでサブスクリプションのビジネスモデルでは顧客生涯価値の最大化を目指します。顧客生涯価値では、ある顧客が取引を始めてから終わるまでのライフルサクル(生涯)で、どれだけの売上をもたらすかを算出します。

売上を伸ばすには新規顧客を獲得する方法もありますが、一般的には「1:5の法則」と言われるように新規顧客獲得には既存顧客に販売する5倍の費用がかかるので、既存顧客に継続してもらう努力をした方が効率的です。

顧客生涯価値(Life Time Value=LTV)は次の式で計算できます。

LTVの計算式=購買単価×購買頻度×継続期間

LTVを最大化するためには「購買単価」「購買頻度」「継続期間」の3つの要素を最大化すればよいので、それぞれに対応する管理指標があります。

・初めて利用する→「オンボーディング完了率」
・購買単価を上げる→「アップセル/クロスセル率」
・解約を防ぎ継続してもらう→「解約率(チャーンレート)」

以下、それぞれの指標の考え方について説明していきます。

指標「オンボーディング完了率」の考え方

LTVで使う「オンボーディング」は、もともと新しい従業員が組織に馴染むよう手ほどきしたりして慣れて貰う研修プロセスから派生した考え方です。人事的な「オンボーディング」では新人の離脱率低下や、中途採用した人材がより早くパフォーマンスを発揮できるようにすることを目指します。

オンボーディングの考え方をサブスクプションのビジネスモデルに当てはめると、サービスを利用開始したばかりの顧客は操作に不慣れだったり、満足度を感じるまで使いこなしていないため、この段階に留まると解約率が上がることが知られています。

そこでいち早く操作に慣れて満足度を感じ、継続してくれる状態にもっていくため「オンボーディング完了率」という指標が活用されます。

オンボーディングには「チュートリアル」や「ウォークスルー」などの施策があります。

・顧客に操作してもらいながら使用方法に慣れてもらう「チュートリアル」
・一通り主要機能を紙芝居する「ウォークスルー」
・活用が進むアクションを示す「チェックリスト」

ユーザー定着率向上の鍵! GitHubのオンボーディング戦略 | Workship MAGAZINE(ワークシップマガジン)

https://goworkship.com/magazine/git-hub-onbord/

o世界中のソフトウェア開発に利用されているGitHub。ユーザー数は、2017年までに2,600万人へと成長し、世界最大のソースコードホストになりました。 Githubは大口のクライアントを多数抱える一方、新規ユーザーに対するオンボーディングも忘れません。 オンボーディングとは、ユーザーを定着させるためにデザインや言葉の力で誘導すること。 ここでは、Githubがどのようなオンボーディング戦略で多様なユーザーを定着させているのかを考察。自社製品やサービスの定着率向上に活用できる、普遍的なオンボーディング戦略を見つけましょう。

B to Bの場合、訪問して導入支援したり、契約ユーザー向けのセミナーやユーザー会を運営するオンボーディング方法があります。

プロジェクトマネジメントのツール「Backlog」はプロジェクト管理や利用ノウハウを共有するユーザー互助会「JBUG」を持ち、活発なコミュニティ活動が知られています。

JBUG(Japan Backlog User Group)

https://jbug.connpass.com/

# JBUG(ジェイバグ)とは JBUG(ジェイバグ:Japan Backlog User Group)は、Backlogユーザーによるコミュニティです。プロジェクト管理は、全ての業種/職種において必須のスキルである一方、そのノウハウが学べる場はあまり多くありません。Backlogは国内最大級のプロジェクト管理ツールであり、すでに100万人を超えるユーザーがいることから、「プロジェクト管理」「仕事のうまい進め方」に関する知識やテクニック、ノウハウを学び合うことをねらいとして、JBUGが発足されました。 実体験から学んだ知見やノウハウのシェアを通し、より「働くを楽しくする」を実現したい...

指標「アップセル/クロスセル率」の考え方

アップセルやクロスセルは購買単価を上げるために使われる販売手法です。

アップセルは「より高いものを購入してもらうこと」、クロスセルは「ある商品・サービスの購入を検討している顧客に別の商品も購入してもらうこと」を指します。

■アップセルの例
・エントリープランより機能が多い上位プランへの移行
・オプションとのセットでの割引提示
・複数個での割引提示
・長期間割引の提示
・上位プラン購入で次回使えるクーポンの提示

■クロスセルの例
・Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」表示
・Webメディアの関連記事を表示するレコメンドエンジン
・ハンバーガーショップの「ドリンクやポテトはいかがですか」という声かけ

アップセルするにしてもクロスセルするにしても、カスタマーサクセスを通じて顧客が満足していなければ、押し売りになり受け入れられない点に注意しましょう。

指標「解約率(チャーンレート)」の考え方

ビジネスモデルがサブスクリプションの場合、顧客の継続契約が重要です。

カスタマーサクセスの働きかけによって顧客に中長期的にサービスを使用してもらうには、チャーンレート(解約率)を下げなくてはいけません。

チャーンレートには2種類があり、算出方法が異なります。

カスタマーチャーン

カスタマーチャーンでは、名前の通り顧客を中心に考えた指標です。
全体の顧客数に対して、どれくらいの解約率になるのかを算出できます。

計算式:解約数÷契約顧客数=カスタマーチャーン

レベニューチャーン

レベニューチャーンはカスタマーチャーンとは違い、収益を中心として考える指標です。
売上に対して解約によるインパクトがどれだけあるのかを算出でき、サブスクリプションモデルの場合にはこちらを用います。

計算式:(サービス単価×解約数)÷売上=レベニューチャーン

チャーン防止に必要な指標「NPS」

上述したチャーン(解約)を防止するためには、NPSという指標を測る必要があります。

NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客ロイヤリティを測る指標です。

数値化することが難しいとされる商品やサービスへの愛着や信頼感を数値化し、顧客体験の改善に生かすことができるのが特徴です。

NPSを測るには、2つの質問を行います。
・「あなたはこの商品(サービスやブランド)を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」(0~10点評価)
・「点数の理由は何ですか?」

0~10点で評価してもらった点数の内、9・10点評価は「推奨者」とし、7・8点評価は「中立者」、0~6点を「批判者」として割合を出します。

推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSとなり、批判者が少ないほどスコアが高くなります。

また、点数の理由を聞くことで改善点が見えるため、顧客の成功へと近づくことができます。

カスタマーサクセスでも指標による数値管理は大切

カスタマーサクセスでも、営業やマーケティングといった他の部署と同様に指標による数値管理を行うことが大切です。そうすることで、商品やサービスの改善点や問題点を見つけることができます。

指標によって、顧客の問題点に応じたフォローやサービスも可能となれば、顧客満足度も高まって結果収益へと繋がります。

顧客の成功にコミットできるようにカスタマーサクセスの指標を理解して、数値を管理していきましょう。

カスタマーサクセスの成功事例をご紹介【顧客の成功に徹底的にこだわる】

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カスタマーサクセスは、現代のビジネスでは欠かせないマーケティング手法です。サブスクリプションモデルのビジネスが普及するにつれて、カスタマーサクセスの重要性が高まっています。この記事では、カスタマーサクセスがどのようなものか、また成功事例からカスタマーサクセスに不可欠なポイントを解説していきましょう。

カスタマーサクセスおすすめ本4選【読書でCSを勉強しよう】

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「カスタマーサクセス(CS)」は、日本ではまだ完全には浸透していない顧客との関係性であり、新しいビジネスモデルです。しかし、サブスクリプション型のビジネスにおいては欠かすことができませんし、カスタマーサクセスは注目されていることからも理解しておきたいと考える人も多いでしょう。 そこで今回は、カスタマーサクセスを理解することができるおすすめの本を紹介していきます。

インサイドセールスの目標設計方法は?【KPI設計を上手く組み立てよう】

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インサイドセールスが海外では広がりを見せ、日本国内の企業でも新しい営業手法として今後どんどん取り入れられていくことが予想されています。 インサイドセールスを導入した際には、どのようなKPI設計が必要なのでしょうか? 目標設計の設定こそがインサイドセールスを構築するにあたって重要なポイントとなります。 インサイドセールスの目標設計方法について解説していきます。

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