ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、中古商品の売買を行う「リユースショップサイト」について調査・分析しました。
分析概要
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、リユース業界数社の運営サイトについて、ユーザー推移、属性などを調査しました。
※対象期間:2018年2月~2019年1月
※ユーザー数やセッション数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
考察サマリ
■リユースショップ、直近1年のユーザー数1位は「ゲオ」
「メルカリ」や「ヤクオフ」、「ラクマ」といったCtoCフリマアプリが急激な成長を遂げ注目を集めたリユース業界。一方、中古商品を仕入れて販売する従来の形態のBtoCリユース企業も、実は売上を伸ばしていると言われています。一体なぜでしょうか。
そこで、リユース企業が運営するショップサイトを分析し、各社の取り組みを調査しました。
まず、リユースショップサイトの直近1年間の訪問者数トップ10はどうなっているのでしょうか【図1】。
1位は「GEO ONLINE」で、他サイトと差をつけており、年間で1300万人弱のユーザーを集めています。2位は古本販売の「BOOK-OFF」で、年間約930万人。3位には「2nd STREET」がランクインしていますが、これは「GEO ONLINE」と同じ株式会社ゲオホールディングスが運営しています。4位にはリアル店舗を持たずにネット販売のみを行う「ReRe」(リリ)、5位は総合リサイクルショップの「トレジャーファクトリー」と続いていました。
このトップ10のうちランキング上位5サイトについて詳しく分析していきます。まず、各サイトの月間ユーザー数推移を見てみましょう【図2】。
1位の「GEO ONLINE」は2018年1月からやや減少傾向にありましたが、12月には訪問者数が増加しています。これは12月のクリスマス商戦の影響でしょう。
2位の「BOOK-OFF」はほぼ横ばいですが、2019年1月には月間約100万人を集客。
3位の「2nd STREET」は波があるものの、やや減少傾向にあるようです。
また、4位の「ReRe」は着実にユーザー数を伸ばしています。同サイトを運営する株式会社マーケットエンタープライズは、ふるさと納税とのコラボ(2018年9月)やau HOMEとの連携など、短期間で複数の施策を行い、リアル店舗をもたないリユースショップとして独自のポジションを確立しています。
5位の「トレジャーファクトリー」はほぼ横ばいに推移していました。
■リユースサイト利用者は男性が多く、「ReRe」は20代割合が最も多い
では、それぞれどのようなユーザーがリユースショップサイトを利用しているのでしょうか。「eMark+」の「Site Analyzer」を用いてユーザー属性を比較してみます。まずは男女比を見てみました【図3】。
ランキング上位5サイトのすべてで男性比率が半数以上となり、リユースショップを利用するのは男性がやや多いことがうかがえます。その中で最も女性比率が高かったのは、洋服・バッグがメインの「2nd STREET」でした。
次に年代別で5サイトを比較しました【図4】。
20代ユーザーがもっとも多かったのは、ネットのみのリユースショップ「ReRe」。また、家具の取り扱いが多い「トレジャーファクトリー」は30代、40代が多いことがわかりました。ただ全体的に年代のばらつきは少なく、いずれもバランスよくユーザーを獲得しているようです。
■大手リユースサイトは指名検索で流入、「ReRe」はオウンドメディアから流入
リユースショップサイトはどのようにユーザーにサイトを認知させ、集客を行っているのでしょうか。この点を調査するため、各サイトの流入元を比較してみましょう【図5】。
リユースショップサイトの主な集客経路は自然検索でした。その上で各サイトごとに特徴がみられます。
まず、株式会社ゲオホールディングスが運営する「GEO ONLINE」と「2nd STREET」は一般広告からの流入が他社に比べて多く、「2nd STREET」ではリスティング広告に注力していることがわかりました。
また、自然検索でユーザーがどのようなワードを入れているかについて「eMark+」の「Site Analyzer」を用いて調べたところ、「ReRe」以外の各サイトはブランド名やサイト名、社名といった指名検索がほとんどを占めていました。このことから、これらのサイトでは既に存在を知っているユーザーの来訪が多いことがうかがえます。
一方で「ReRe」のみ“商品名+おすすめ”といった検索から流入を獲得していました。それらのLPは「ReRe」が運営する「ビギナーズ」というオウンドメディアとなっており、コンテンツマーケティングを実践して顕在層にサービス認知を図っていると言えるでしょう。
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