カスタマージャーニーとは
顧客が商品・サービスを認知してから、購入にいたるまでの一連の行動を「旅」にたとえる「カスタマージャーニー」と、それを図式化した「カスタマージャーニーマップ」。
カスタマージャーニーは、顧客の購買行動や接点が多様化する中、関係者間で共通認識を持ち、顧客目線でのマーケティングを行うの役立ちます。
企業のマーケティングに活用される「カスタマージャーニー」。顧客の購買行動を「旅」にたとえ、顧客との接点や課題を洗い出します。カスタマージャーニーの基本概念から作り方、B2B・B2C事例まで、まとめて紹介します。
カスタマージャーニーという用語は有名ですが、いざ自社のマーケティングに活用しようとすると作り方や背景、具体的な活用方法に悩む担当者も多いはず。実践経験が少ないときは、手元に書籍を置いて都度参考にすると良いでしょう。
これから紹介するカスタマージャーニー作成を支援するツールには、前段のデータ収集や分析部分で使えるツールと、マップ作成まで一通りできるツールに分かれます。
マップ作成機能を持つSalesforceの「Marketing Cloud」
Saleseforceの「Marketing Cloud」は、消費者とのOne to Oneコミュニケーションを実現させるための統合プラットフォーム。
「Marketing Cloud」はメールマーケティングの「Email Studio」、B2Bマーケティングオートメーションの「Pardot」、SMSやプッシュ通知などモバイルでのやり取りをパーソナライズする「Mobile Studio」など複数のマーケティングツール組み込まれています。
その一つに顧客ライフサイクルのすべての段階で、パーソナライズされたクロスチャネル体験を提供する「Journey Builder」を持ち、視覚的にカスタマージャーニーをマッピングできます。
Journey Builderを使うと、さまざまなチャネルやデバイスを通して、顧客をOne to Oneジャーニーへ導くことが可能に。適切なデジタルマーケティングソリューションを、最適なチャネルで提供できます。
海外製ツールの「ExperienceFellow」
「ExperienceFellow」はWebやアプリを通じてユーザー体験を記録していくことで、カスタマージャーニーマップにまとめます。14日の無料トライアルを含む有料ツールです。
ExperienceFellowがユニークなのは、実際の顧客にアプリを配布し、購買行動を記録してもらうことで、リアルな顧客体験を文書化できる点にあります。購買行動はテキスト、写真、ビデオ、GPSデータで記録されます。
無料体験の後の有料プランは月額制で、一番小さな規模の管理者が一人、参加者が3人のパターンでは9€と試験的な導入にも手頃な値段ですが、日本語には対応していないのがネックになりそうです。
Research customer experience of the entire customer journey in real-time – across all online and offline channels, through diary studies with mobile ethnography.
クロスチャンネルの施策を一人ひとりにまとめる「KARTE(カルテ)」
CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE(カルテ)」はCanonやJCB、KIRINにZOZOTOWNなど、大企業の導入実績が豊富なマーケティングツールです。
KARTEでは来訪者のあらゆるデータとあわせて情報を解釈し、サイトに訪問中の「いまこの瞬間」の状況をリアルタイムに可視化します。
カスタマージャーニーを理解した次は、自由にセグメントしたユーザーに対して、多様なテンプレートを使い、時間・感情・行動・体験・場に合わせた最適なタイミングでWeb接客などのアクションする機能も持っています。
CX(顧客体験)プラットフォーム KARTE(カルテ)は、ウェブサイトやスマートフォンアプリの顧客行動や経験、感情の変化をリアルタイムに解析・可視化し、顧客の目線から顧客中心の体験を創るサービスです。
小売・アパレル業界での活用方法のイメージとして用意されているページでは、KARTEを使った具体的な施策の例を見られます。
1. クーポンを使えば売上は上がるが、常にクーポンを出せばコスト負担が大きい場合に、購入経験は少ないが一定ページ数見ているなど購入意欲が高まっている顧客に限定してクーポンを表示する施策
2. アンケートで取得した身長データを元に、身長が近いスタッフによるコーディネートやレコメンドを表示してコンバージョンアップする施策
3. カーソルの動きで離脱を察知し、レコメンド商品を表示する施策
4. 買い物かごに商品を入れたまま離脱した顧客にLINEでリマインドする施策
5. お気に入り商品が値下がりしたタイミングでアプリプッシュ通知を配信し、購入を促す施策
CX(顧客体験)プラットフォーム KARTE(カルテ)では、小売・アパレル業界など様々な業界で一人ひとりの顧客に合わせた体験を提供します。
顧客の購買行動を理解して、具体的な施策まで総合的にサポートできるのが「KARTE(カルテ)」の魅力です。
大規模モニターからユーザー行動ログを分析できる「eMark+(イーマークプラス)」
Webマーケティングで顧客行動を理解するには、大量のアクセスログを分析するツールが必要です。
VALUESが提供する「eMark+(イーマークプラス)」は、国内の大規模なモニター会員のデータを元に、競合他社を含むあらゆるサイトのユーザー行動を分析できるツールです。
「eMark+」(イーマークプラス)は30万人規模のモニター会員の協力により、自社だけでなく競合サイトのアクセス解析もできる、株式会社ヴァリューズの行動ログ分析サービスです。
以下には、eMark+を活用したサイト改善や、ターゲット分析によるコンテンツマーケティングの事例がまとめられています。
競合分析、サイト改善に市場調査ツール『eMark+(イーマークプラス)』を活用した事例7選
https://manamina.valuesccg.com/articles/597市場調査や競合サイト分析ができるツール『eMark+(イーマークプラス)』を使って、競合分析やコンテンツ、サイト改善を実践した事例をご紹介します。花王のスキンケアシリーズ「キュレル」や日本ハムの運営サイト「BBQ GO!」でのeMark+活用法とは...?
まとめ
顧客の購買行動を「旅」にたとえるカスタマージャーニーは、多様化する顧客の購買行動を理解するのに役立ちます。一方でカスタマージャーニーの作成にも労力がかかるので、既存のツールを活用して効率よく作業を進めましょう。
ツールの導入には、ITに詳しくない社員でもデータを扱えたり、手元で試行錯誤してPDCAを回しやすくなるなどのメリットもあります。
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