8つのステップで学ぶカスタマージャーニーの作り方

8つのステップで学ぶカスタマージャーニーの作り方

顧客が消費・サービスを認知してから購入にいたるまでの購買行動を「旅」にたとえるカスタマージャーニー。「マナミナ」では、カスタマージャーニーの事例や使い方について触れてきましたが、実際にカスタマージャーニーを作ろうとすると、細かいところで作り方がわからないポイントがあるのではないでしょうか。カスタマージャーニーの作り方をステップ毎に解説します。


B to Cのカスタマージャーニー作成の流れ

B to BとB to Cで異なりますが、本記事ではB to Cのカスタマージャーニー作成を8つのステップに従って説明します。

1.テーマを決める
2.ペルソナを作成する
3.ペルソナの行動を洗い出す
4.行動をステージに分ける
5.顧客接点を明確にする
6.感情の起伏を想像する
7.対応策を考える
8.視点を変えてアイデアを追加する

1.テーマを決める

取り上げる「商品・サービス」「スタートとゴール」「ジャーニー期間」を決めます。つまり、分析の対象と範囲を決めます。

商品・サービスの決め方
分析対象とする商品・サービスを決めます。既存の商品・サービスだけでなく、開発中の商品・サービスも対象にできます。その場合、完成した場合のカスタマージャーニーを想定し、リリース前に顧客体験の課題を解消するのに役立ちます。

スタートとゴールの決め方
一般にカスタマージャーニーは商品・サービスの認知から購買までと説明されることが多いですが、改善の対象とする期間だけ対象にしてもOKです。

スタートは「商品・サービスを知らない状態」の場合もあれば「会員登録したが一回も購入していない状態」からでも良いでしょう。

ゴールは「会員登録させる」「初回購入する」「購入単価を10%上げる」など色々考えられます。

スタートとゴールはできるだけ数値で測れる状態を定義するのがポイントです。

ジャーニー期間の決め方
ゴールはできるだけ数値で測れる状態を、という話をしました。ジャーニーの期間を決めると、ゴールの状態を計測するタイミングが決まります。長すぎず状態変化するのに十分な余裕を持った期間が適切でしょう。

2.ペルソナを作成する

既存の商品・サービスであれば大まかなターゲットは絞れていることが多いと思いますが、カスタマージャーニーではターゲットを代表する典型的なユーザー像を「ペルソナ」として設定します。

ペルソナを履歴書レベルに細かく設定し趣味趣向、さらに仮想の名前や顔のイラストを用意する場合もあります。ペルソナが具体的になればなるほど、ある場面で顧客がどちらを選ぶかのイメージが湧きやすくなります。

ペルソナの作り方を事例と本から学ぶ

https://manamina.valuesccg.com/articles/554

マーケティングに役立つペルソナの活用方法を、具体的な事例と作り方に役立つ本を通じて学びます。ターゲットを代表する典型的なユーザー像を「ペルソナ」として設定すると、顧客視点のマーケティングになると共に関係者間でターゲット像を共通認識できるメリットがあります。

定量的なデータに基づくペルソナの作り方

https://manamina.valuesccg.com/articles/98

マーケティングで使われる「ペルソナ」の意味と作り方を解説します。詳細で具体的なユーザー像を設定すれば、商品・サービスが顧客目線でどうか?を見るのに役立ちます。ペルソナを作るには定量的な属性データに、定性データを加えて一人の人物像としてまとめます。

ペルソナには基本属性と行動属性がある
「基本属性」は名前・居住地・性別・年齢・職業・年収・家族構成・居住エリアなどを指します。

「行動属性」は趣味・休日の過ごし方・好きなブランド・よく利用するWebサイトやアプリ・SNS利用度・情報収集の行動パターンなどを指します。

経歴や嗜好や行動パターンなども有効
基本属性と行動属性の項目は穴埋めしていけますが、自由記入欄を用意して経歴や嗜好などを設定すると、リアリティが増します。

ペルソナマーケティングの成功例と言われる「Soup Stock Tokyo」のペルソナでは”プールでは平泳ぎではなく豪快にクロールで泳ぐ”などが設定されています。

Soup Stock Tokyoが「スープのことを言わない」デザインをする理由 “らしさ”を生み出すクリエイティブの考え方

https://logmi.jp/business/articles/320563

2018年8月28日、株式会社スマイルズにて「クリエイティブの密談 vol.6 ~"Soup Stock Tokyoらしさ"を創るデザイン~」が開催されました。「Soup Stock Tokyo」「giraffe」「PASS THE BATON」「100本のスプーン」といった幅広い業態を運営する株式会社スマイルズで、クリエイティブおよびブランディングを担うクリエイティブ本部。そこではどんな人たちが働いているのか、またどうやって仕事を進めているか。それを解剖して見えてきた、クリエイティブのあるべき姿を参加者の方とともに探るのがこのイベント「クリエイティブの密談」です。第6回目の開催となる今回登場したのは、同社のデザインチーム。本記事では、Soup Stock Tokyoのブランド創りに携わってきた上村貴之氏によるプレゼンの模様をお送りします。

3.ペルソナの行動を洗い出す

ペルソナの行動を思いつく限り書き出します。まずスタートとゴールの行動を洗い出し、その間の行動を埋めていくとスムーズです。

なお、行動を洗い出してからステージに分ける方法と、ステージに対する行動を洗い出す方法がありますが、後者の場合発想がステージに規定されてしまう弊害があります。

また、行動の洗い出しが進まない場合は、顧客に対する理解が不足している可能性があります。過去のアンケートデータやWebの行動履歴など、実データを見直して現状把握し直しましょう。

VALUESが提供する「eMark+」では、自社サイトに加え競合や他社Webサイトの集客構造、行動履歴を明らかにできます。

4.行動をステージに分ける

顧客の購買行動には、その製品を認知し(Attention)、興味・関心を持ち(Interest)、欲しくなり(Desire)、記憶し(Memory)、購入に至る(Action)AIDMAなどの購買プロセスがあります。

基礎から学ぶ代表的なマーケティング理論(3C・4P・カスタマージャーニー・AIDMA/AISAS・パーセプションフロー)

https://manamina.valuesccg.com/articles/608

マーケティングで使われる理論は略語や似た用語が多く混乱しがちです。代表的な「3C分析」「4P分析」「カスタマージャーニー」「AIDMA / AISAS」「パーセプションフロー」について用語の定義と役立つ場面について説明します。

顧客行動をステージにグルーピングする
似た行動をグルーピングして各ステージにまとめます。ステージが切り替わるということは、顧客の態度が「変容」したことを表します。例えば「商品を知っている」ステージから、興味を持てば「ネットで口コミを調べる」ステージに移行します。

欠けている行動やステージを見つける
あるステージの行動が極端に少ない、あるいは態度変容に急なギャップがある場合、欠けている行動やステージがあると想定されます。

自社顧客独特のステージを見つける
一般にはカスタマージャーニーはAIDMAやAISASなどの購買プロセスのステージに集約されますが、必ずしもこれらに限られるわけではありません。必要に応じて、自社独自のステージを付け加えましょう。

5.顧客接点を明確にする

顧客が利用する「接点」は「接触ポイント(タッチポイント)」とも呼ばれます。TV CMやWebサイト、店舗、SNSの口コミなどリアルからデジタルまで様々な接点があります。

顧客が利用する接点は自社が提供するものだけではない
顧客行動から洗い出す接点は、自社が提供するものに限定されません。顧客視点で設定を洗い出しましょう。

洗い出しにあたっては営業マンに電話やメルマガ、スマホにPC、バナー広告に動画広告など、リアルからデジタルまでよくあるマーケティング手段を予めカードとして用意しておく方法もあります。

接点から対策が必要なギャップが見つかる
自社で認知していなかった接点や、既知の接点の新しい使い方が見つかるはずです。その場合自社で認識していなかった改善の余地があるかもしれません。

6.感情の起伏を想像する

接点での顧客の行動の変化がどんな感情に起因するか、ポジティブなのかネガティブなのか洗い出します。感情は対応策を検討する手助けになります。例えば入力フォームが不便だと思われているなら改善ポイントです。

7.対応策を考える

今までは顧客目線でしたが、対応策の検討では自社が今までに洗い出された課題をどう改善するかを考えます。

課題の種類にはステージごとの縦の課題と、ステージ間の横の課題があります。縦の課題では、接点での行動がポジティブな感情に基づいているか見ます。横の課題ではステージ間の移行がスムーズか確認します。

8.視点を変えてアイデアを追加する

一般的なカスタマージャーニーは1番から7番までで完成ですが、自社の商品・サービスの話で、現状分析が予定調和的になりがちです。

そこで「世界一のシェアにするには?」「マーケティング予算が倍あったら?」など前提を大きく変える質問を投げかけてみましょう。新しい視点での発想が生まれるかもしれません。

実践的なカスタマージャーニー作成方法を学ぶには?

カスタマージャーニーの3つの具体的な使い方

https://manamina.valuesccg.com/articles/626

カスタマージャーニーは、近年様々な企業において顧客の分析に活用されています。多様化した顧客の購買行動を可視化して、それぞれの接触ポイントごとに改善施策を実施することで、コンバージョンを改善します。今回はカスタマージャーニーの具体的な使い方を3つに絞り込んでご紹介します。

本記事で紹介してきたカスタマージャーニーの作成方法を詳しく学びたい場合は、書籍「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ」がおすすめです。

本書は国内1000社、2000名が体験したワークショップを元にまとめたもので、カスタマージャーニー作成のステップに加え、ワークショップを成功せるファシリテーションなど実践的な内容が含まれています。

はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ(MarkeZine BOOKS) 「顧客視点」で考えるビジネスの課題と可能性

¥ 2,200

マナミナのカスタマージャーニー関連記事

犬を飼う人のカスタマージャーニーとは?アンケートとWeb行動ログのビッグデータで分かること

https://manamina.valuesccg.com/articles/522

マーケティングにおいて、ユーザーとのコミュニケーション施策を決めるために必要なのがカスタマージャーニー。カスタマーの心情理解のための調査としてはアンケートを用いることが多いですが、インターネット上の検討行動は分かりません。これを明らかにするのがWeb行動ログデータです。犬を飼育し始めた人の、飼育前と飼育後のカスタマージャーニーを例にセミナーが行われました。

カスタマージャーニーとは?意味とマップの作り方を3分で学ぼう

https://manamina.valuesccg.com/articles/555

今回は、マーケティング用語の「カスタマージャーニー」の意味と作り方についてです。カスタマージャーニーでは、顧客が商品を知ってから購入するまでの接点や心理、行動を「カスタマージャーニーマップ」として図式化します。カスタマージャーニーの接点やアクションに対する施策を打つことで、顧客目線のマーケティングを実現できるメリットがあります。

カスタマージャーニーマップの事例と無料テンプレートまとめ

https://manamina.valuesccg.com/articles/599

マーケティングでカスタマージャーニーに取り組む際、最終的に「カスタマージャーニーマップ」としてまとめます。作り慣れていないとカスタマージャーニーマップのフォーマットやまとめるべき内容に迷いが出ることもあるはずです。この記事では豊富な事例と無料のテンプレートでカスタマージャーニーマップ作りを支援します。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


クラスタ分析×Webログから導くペルソナ設計の活用法とは|デジタルマーケターズサミット2020夏 セミナーレポート

クラスタ分析×Webログから導くペルソナ設計の活用法とは|デジタルマーケターズサミット2020夏 セミナーレポート

ウィズコロナ時代を迎えて生まれた新しい価値観や消費者の行動変化。それらをいかに適切に捉えてデジタルマーケティングやデジタルメディア戦略に活かしていくのか。 8月末に行われた、株式会社インプレス主催「デジタルマーケターズサミット2020 Summer」において、従来のクラスタ分析にWeb行動ログを掛け合わせた新しいペルソナ設計手法と、導き出した新しいターゲットクラスタへのメディアプロモーション施策を、株式会社ヴァリューズの岩村大輝が解説しました。<br><b><font color="#c2a503">※</font>セミナー資料は無料でダウンロードできます。記事下部にあるフォームからお申込みください</b>


【アーカイブ視聴】ファクトデータで作成するカスタマージャーニーマップの重要性

【アーカイブ視聴】ファクトデータで作成するカスタマージャーニーマップの重要性

本セミナーでは、個々の施策やソリューションに繋げることが可能なカスタマージャーニーの活用方法と、カスタマージャーニーマップ作成の際に仮説の裏付けとなる顧客データの取得方法や活用方法についてご紹介します。


「カスタマージャーニーマップ」を作るワークショップを通じて、顧客理解を深めよう

「カスタマージャーニーマップ」を作るワークショップを通じて、顧客理解を深めよう

顧客の購買プロセスを旅にたとえて図式化するカスタマージャーニーマップは、チームメンバーや関係部署間でのカスタマーエクスペリエンスの共通理解を促進できるメリットがあります。このメリットを活かすのにおすすめなのが、カスタマージャーニーマップのワークショップによる作成です。ワークショップ開催にあたってどのようなメンバーを集めるのが最適か、また、ワークショップの円滑化のための施策を紹介します。


「タッチポイント」を明確にしてカスタマージャーニーマップの精度を上げる方法

「タッチポイント」を明確にしてカスタマージャーニーマップの精度を上げる方法

顧客の購買行動を「旅」にたとえるカスタマージャーニーと、それを図式化したカスタマージャーニーマップ。カスタマージャーニーでは「認知・注意」「興味・関心」などの購買ステージごとに顧客とのタッチポイント(顧客接点)と、その際の顧客の行動や感情・思考を洗い出し、そのタッチポイントにおける課題と改善施策を検討します。


BtoBカスタマージャーニーの特徴と事例

BtoBカスタマージャーニーの特徴と事例

BtoCとBtoBでは購買プロセスが異なるので、カスタマージャーニーの作り方も変わってきます。BtoBでは検討期間が長く関係者が多い特徴があります。カスタマージャーニーを作るにあたっては、キーパーソンをペルソナに設定し、社内を説得できる材料を提供しましょう。BtoBのカスタマージャーニー事例もご紹介します。


最新の投稿


【アーカイブ視聴】ウィズコロナ時代のウェブサイト大全|ヴァリューズ×イノーバ×Kaizen Platform共催ウェビナー

【アーカイブ視聴】ウィズコロナ時代のウェブサイト大全|ヴァリューズ×イノーバ×Kaizen Platform共催ウェビナー

行動分析、コンテンツマーケティング、UI改善までウェブの専門家が大集合。 <br><br>※本セミナーは2020年9月15日に開催されましたが、動画にて視聴頂けます。ご興味を持っていただけましたら、記事下部のフォームよりお申し込みください。お申し込み後、視聴URL(YouTube)をお送りいたします。


副業やクラウドソーシングが伸びている実態とは?大手2サイトのユーザー層の最新トレンドを探る

副業やクラウドソーシングが伸びている実態とは?大手2サイトのユーザー層の最新トレンドを探る

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、企業や個人の経済活動にとって大きな変革の年となりました。その中でも関心と需要の高まりを見せている「クラウドソーシング」の分野について、国内の2サイトを分析対象として、利用ユーザーの動向をデータから紐解いていきます。


急上昇ワードに“渋滞情報”など...「週間」検索キーワードランキング(2020/9/20~2020/9/26)

急上昇ワードに“渋滞情報”など...「週間」検索キーワードランキング(2020/9/20~2020/9/26)

2020年9月20日~9月26日週の検索急上昇ワードでは、4連休のシルバーウィークだったため「渋滞情報」の検索が久しぶりに急増。今年一番の人出となった観光地も全国各地でみられたようです。全国の30万人規模のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用し、検索キーワードランキングを作成しました。


ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を比較してみた

ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を比較してみた

日本国内においての検索エンジンと言えば、GoogleとYahoo!。さらに、この2トップで国内の検索エンジンシェアの9割を超えているとも言われています。普段の検索にGoogleをよく使う人とYahoo!をよく使う人、特徴の違いはあるのでしょうか?今回はGoogleとYahoo!の検索ユーザーについて調査・分析してみました。


AIのビジネス活用がBtoBで加速の実態とは?DXにも通じる「レシートOCR」「外食×AI」の2つの事例を解説

AIのビジネス活用がBtoBで加速の実態とは?DXにも通じる「レシートOCR」「外食×AI」の2つの事例を解説

画像やテキストなどの非構造データのデータ解析やデータビジネスプロジェクト構築などを行っているFVIの荻原さんに、AIをマーケティングに活かす事例についてお伺いしました。DXを行うにはAIの活用ができているかが大きなポイントになってきているそう。「データの『タグ付け』で営業やマーケティングが大きく変化する」とはどういうことでしょうか。本稿ではそのインタビュー内容をお伝えします。


自社と競合サイトのユーザー層の違いや急上昇サイトがすぐにわかる!他社サイトのユーザーが見える市場調査ツール eMark+無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング