B to Cのカスタマージャーニー作成の流れ
B to BとB to Cで異なりますが、本記事ではB to Cのカスタマージャーニー作成を8つのステップに従って説明します。
1.テーマを決める
2.ペルソナを作成する
3.ペルソナの行動を洗い出す
4.行動をステージに分ける
5.顧客接点を明確にする
6.感情の起伏を想像する
7.対応策を考える
8.視点を変えてアイデアを追加する
■1.テーマを決める
取り上げる「商品・サービス」「スタートとゴール」「ジャーニー期間」を決めます。つまり、分析の対象と範囲を決めます。
商品・サービスの決め方
分析対象とする商品・サービスを決めます。既存の商品・サービスだけでなく、開発中の商品・サービスも対象にできます。その場合、完成した場合のカスタマージャーニーを想定し、リリース前に顧客体験の課題を解消するのに役立ちます。
スタートとゴールの決め方
一般にカスタマージャーニーは商品・サービスの認知から購買までと説明されることが多いですが、改善の対象とする期間だけ対象にしてもOKです。
スタートは「商品・サービスを知らない状態」の場合もあれば「会員登録したが一回も購入していない状態」からでも良いでしょう。
ゴールは「会員登録させる」「初回購入する」「購入単価を10%上げる」など色々考えられます。
スタートとゴールはできるだけ数値で測れる状態を定義するのがポイントです。
ジャーニー期間の決め方
ゴールはできるだけ数値で測れる状態を、という話をしました。ジャーニーの期間を決めると、ゴールの状態を計測するタイミングが決まります。長すぎず状態変化するのに十分な余裕を持った期間が適切でしょう。
■2.ペルソナを作成する
既存の商品・サービスであれば大まかなターゲットは絞れていることが多いと思いますが、カスタマージャーニーではターゲットを代表する典型的なユーザー像を「ペルソナ」として設定します。
ペルソナを履歴書レベルに細かく設定し趣味趣向、さらに仮想の名前や顔のイラストを用意する場合もあります。ペルソナが具体的になればなるほど、ある場面で顧客がどちらを選ぶかのイメージが湧きやすくなります。
改めておさらい!ペルソナの意味やメリット、作り方から事例までまとめ
https://manamina.valuesccg.com/articles/733商品・サービスが想定する架空の顧客像を「ペルソナ」として設定し、マーケティングに活用する事例が増えています。購買行動が多様化しペルソナが必要になった背景や利用するメリット、ペルソナの作り方からカスタマージャーニーマップで活用する方法、活用事例をまとめました。
マーケティングに役立つペルソナの活用方法を、具体的な事例と作り方に役立つ本を通じて学びます。ターゲットを代表する典型的なユーザー像を「ペルソナ」として設定すると、顧客視点のマーケティングになると共に関係者間でターゲット像を共通認識できるメリットがあります。
マーケティングで使われる「ペルソナ」の意味と作り方を解説します。詳細で具体的なユーザー像を設定すれば、商品・サービスが顧客目線でどうか?を見るのに役立ちます。ペルソナを作るには定量的な属性データに、定性データを加えて一人の人物像としてまとめます。
ペルソナには基本属性と行動属性がある
「基本属性」は名前・居住地・性別・年齢・職業・年収・家族構成・居住エリアなどを指します。
「行動属性」は趣味・休日の過ごし方・好きなブランド・よく利用するWebサイトやアプリ・SNS利用度・情報収集の行動パターンなどを指します。
経歴や嗜好や行動パターンなども有効
基本属性と行動属性の項目は穴埋めしていけますが、自由記入欄を用意して経歴や嗜好などを設定すると、リアリティが増します。
ペルソナマーケティングの成功例と言われる「Soup Stock Tokyo」のペルソナでは”プールでは平泳ぎではなく豪快にクロールで泳ぐ”などが設定されています。
Soup Stock Tokyoが「スープのことを言わない」デザインをする理由 “らしさ”を生み出すクリエイティブの考え方
https://logmi.jp/business/articles/3205632018年8月28日、株式会社スマイルズにて「クリエイティブの密談 vol.6 ~"Soup Stock Tokyoらしさ"を創るデザイン~」が開催されました。「Soup Stock Tokyo」「giraffe」「PASS THE BATON」「100本のスプーン」といった幅広い業態を運営する株式会社スマイルズで、クリエイティブおよびブランディングを担うクリエイティブ本部。そこではどんな人たちが働いているのか、またどうやって仕事を進めているか。それを解剖して見えてきた、クリエイティブのあるべき姿を参加者の方とともに探るのがこのイベント「クリエイティブの密談」です。第6回目の開催となる今回登場したのは、同社のデザインチーム。本記事では、Soup Stock Tokyoのブランド創りに携わってきた上村貴之氏によるプレゼンの模様をお送りします。
■3.ペルソナの行動を洗い出す
ペルソナの行動を思いつく限り書き出します。まずスタートとゴールの行動を洗い出し、その間の行動を埋めていくとスムーズです。
なお、行動を洗い出してからステージに分ける方法と、ステージに対する行動を洗い出す方法がありますが、後者の場合発想がステージに規定されてしまう弊害があります。
また、行動の洗い出しが進まない場合は、顧客に対する理解が不足している可能性があります。過去のアンケートデータやWebの行動履歴など、実データを見直して現状把握し直しましょう。
VALUESが提供する「eMark+」では、自社サイトに加え競合や他社Webサイトの集客構造、行動履歴を明らかにできます。
■4.行動をステージに分ける
顧客の購買行動には、その製品を認知し(Attention)、興味・関心を持ち(Interest)、欲しくなり(Desire)、記憶し(Memory)、購入に至る(Action)AIDMAなどの購買プロセスがあります。
基礎から学ぶ代表的なマーケティング理論(3C・4P・カスタマージャーニー・AIDMA/AISAS・パーセプションフロー)
https://manamina.valuesccg.com/articles/608マーケティングで使われる理論は略語や似た用語が多く混乱しがちです。代表的な「3C分析」「4P分析」「カスタマージャーニー」「AIDMA / AISAS」「パーセプションフロー」について用語の定義と役立つ場面について説明します。
顧客行動をステージにグルーピングする
似た行動をグルーピングして各ステージにまとめます。ステージが切り替わるということは、顧客の態度が「変容」したことを表します。例えば「商品を知っている」ステージから、興味を持てば「ネットで口コミを調べる」ステージに移行します。
欠けている行動やステージを見つける
あるステージの行動が極端に少ない、あるいは態度変容に急なギャップがある場合、欠けている行動やステージがあると想定されます。
自社顧客独特のステージを見つける
一般にはカスタマージャーニーはAIDMAやAISASなどの購買プロセスのステージに集約されますが、必ずしもこれらに限られるわけではありません。必要に応じて、自社独自のステージを付け加えましょう。
■5.顧客接点を明確にする
顧客が利用する「接点」は「接触ポイント(タッチポイント)」とも呼ばれます。TV CMやWebサイト、店舗、SNSの口コミなどリアルからデジタルまで様々な接点があります。
顧客が利用する接点は自社が提供するものだけではない
顧客行動から洗い出す接点は、自社が提供するものに限定されません。顧客視点で設定を洗い出しましょう。
洗い出しにあたっては営業マンに電話やメルマガ、スマホにPC、バナー広告に動画広告など、リアルからデジタルまでよくあるマーケティング手段を予めカードとして用意しておく方法もあります。
接点から対策が必要なギャップが見つかる
自社で認知していなかった接点や、既知の接点の新しい使い方が見つかるはずです。その場合自社で認識していなかった改善の余地があるかもしれません。
■6.感情の起伏を想像する
接点での顧客の行動の変化がどんな感情に起因するか、ポジティブなのかネガティブなのか洗い出します。感情は対応策を検討する手助けになります。例えば入力フォームが不便だと思われているなら改善ポイントです。
■7.対応策を考える
今までは顧客目線でしたが、対応策の検討では自社が今までに洗い出された課題をどう改善するかを考えます。
課題の種類にはステージごとの縦の課題と、ステージ間の横の課題があります。縦の課題では、接点での行動がポジティブな感情に基づいているか見ます。横の課題ではステージ間の移行がスムーズか確認します。
■8.視点を変えてアイデアを追加する
一般的なカスタマージャーニーは1番から7番までで完成ですが、自社の商品・サービスの話で、現状分析が予定調和的になりがちです。
そこで「世界一のシェアにするには?」「マーケティング予算が倍あったら?」など前提を大きく変える質問を投げかけてみましょう。新しい視点での発想が生まれるかもしれません。
実践的なカスタマージャーニー作成方法を学ぶには?
カスタマージャーニーは、近年様々な企業において顧客の分析に活用されています。多様化した顧客の購買行動を可視化して、それぞれの接触ポイントごとに改善施策を実施することで、コンバージョンを改善します。今回はカスタマージャーニーの具体的な使い方を3つに絞り込んでご紹介します。
本記事で紹介してきたカスタマージャーニーの作成方法を詳しく学びたい場合は、書籍「はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ」がおすすめです。
本書は国内1000社、2000名が体験したワークショップを元にまとめたもので、カスタマージャーニー作成のステップに加え、ワークショップを成功せるファシリテーションなど実践的な内容が含まれています。
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マーケティングでカスタマージャーニーに取り組む際、最終的に「カスタマージャーニーマップ」としてまとめます。作り慣れていないとカスタマージャーニーマップのフォーマットやまとめるべき内容に迷いが出ることもあるはずです。この記事では豊富な事例と無料のテンプレートでカスタマージャーニーマップ作りを支援します。
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