マーケティング戦略とは?基本から立案までを解説

マーケティング戦略とは?基本から立案までを解説

自社の商品やサービスを消費者に、どのように差別化して届ける(購入してもらう)かを考え、そこで出た結論を実行に移すのがマーケティング戦略の基本です。マーケティングの「戦略」を立案し実行するには具体的にどうしたらよいでしょうか。


なぜマーケティング戦略が重要なのか?

ピーター・ドラッガーは、マーケティング戦略を「企業が顧客の趣味趣向からニーズを把握して戦略を立てること」とし、マーケティングイノベーションの2つがビジネスにおいて価値を生み出す活動、と定義しています。「良い商品・サービスを作れば売れる」という考え方もありますが、対象とする顧客やマーケット内のポジションを予め明確にして商品・サービス開発すれば、開発と販促がスムーズに連携できます。

そのほか、マーケティング戦略の重要性を認識する上で欠かせないのが、インターネットやSNSの普及です。企業と顧客の接点が増え、顧客接点ごとの施策を立案・実施するには、マーケティング戦略が必要となってきます。

これ以外にも顧客のニーズが多様化している現状もあり、こうした状況下においてマーケティング自体の考え方、概念が変化しているという点も意識しておく必要があります。

マーケティング戦略立案に欠かせない3つのポイント

誰に向けて訴求するのか?

マーケティング戦略立案の第一歩として、誰に自社の商品、サービスを訴求するのかを明らかにします。

そのために必要となるのが「セグメンテーション」です。これは、自社商品、サービスはどのような属性の顧客に支持されるのか、を念頭に市場でのニーズや商品、サービスの価値を単体もしくはグループで細分化(セグメント化)する方法です。

セグメンテーションに続いて必要になるのが「ターゲティング」です。これは、セグメント化した市場で強みを活かせるところはどこか、ターゲット絞ることを指します。ターゲットは価格、競合の多寡、などが挙げられます。

セグメンテーションの上でターゲティングを決めれば、おのずと誰に向けて訴求すべきかを明確にしやすくなります。

STP分析でセグメンテーションする具体的な方法と事例

https://manamina.valuesccg.com/articles/695

自社にとって優位なマーケティング戦略を練るうえで欠かせないフレームワークSTP分析。今回STPのうちのS=セグメンテーションについて、市場を細分化する具体的な方法やポイント、事例をご紹介します

顧客に与えられる価値は?

数多くの商品やサービスを手に入れやすい今、自社のものを手にしてもらえるきっかけは?
ライバルよりも優れている点がなければ、正しい訴求ができたとしても売上向上にはつなげられません。

自社の商品、サービスを手にしたら顧客が満足できる点はなにかを明確にします。ただし、企業サイドの思惑と顧客側が感じる価値に差があっては無意味です。したがって、商品やサービスの価値は顧客にどのように取られるのかを細かく分析する必要があります。

価値をどのように差別化するか?

自社の商品やサービスを顧客に対して価値あるものと認識してもらうためには、競合よりも優位な点を明確にするのが第一です。

価格面でのメリット、デザイン性の良さ、機能的にすぐれている、素材へのこだわりなど、最大限に顧客にアピールし、なおかつ「刺さる」差別化のポイントを決定します。

マーケティング戦略立案にあたってのフレームワーク

上記の3項目を踏まえた市場調査を行った上で、マーケティング戦略を立てるわけですが、この際に
・STP分析
・4P分析

というフレームワークを利用すると効率がアップします。

STP分析

STP分析は、Segmentation・Targeting・Positioning(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)の頭文字を取ったもので、3C分析などと並ぶマーケティングの基礎的なフレームワークです。これは、市場で自社が有利なポジションを確立するのに役立ちます。

セグメンテーンション(Segmentation)の代表例としては以下の4つの要素があります。
・地理的変数:国・地方・都市・市区町村など。
・人口動態変数:年齢・性別・職業・所得・学歴・家族構成など。
・心理的変数:価値観・ライフスタイル・性格・好みなど。
・行動変数:曜日・時間帯・経路・頻度など。

ターゲティング(targeting)の選定指標として以下の6つの「R」が用いられます。
・市場規模(Realistic Scale)
・市場の成長性(Rate of Growth)
・顧客の優先順位と波及効果(Rank & Ripple Effect)
・到達可能性(Reach)
・競合状況(Rival)
・測定可能性(Response)

ポジショニング(positioning)については、対象市場の中で、同業他社に対して自社が優位なポジショニングを確立するための要素を考えます。優位に立つには、価格や品質などが必要です。

STP分析でターゲティングする具体的な方法と事例

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自社にとって優位なマーケティング戦略を練るうえで欠かせないフレームワークSTP分析。今回STPのうちのT=ターゲティングについて、ターゲットとする市場や顧客を選定する具体的な方法やポイント、事例をご紹介します。

4P分析

4P分析は、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取ったフレームワークです。売上拡大のためにニーズを満たした製品を、適切な価格で適切な流通させるという、効率の良い販促を目指すためのものです。以下の4つの「P」の概要を説明します。

・製品(Product):コア機能(機能・価値)、形態(品質・ブランド・パッケージ)、付随機能(アフターサービス)など。

・価格(Price):利益・高級か庶民向けか・値引き有無など。
・流通(Place):チャネル構造・在庫など。
・販促(Promotion):広告媒体、イベントなど。

4P分析とは?マーケティングミックスに活用

https://manamina.valuesccg.com/articles/623

4P分析は企業が販売戦略を決める際に使わるフレームワークでProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取った用語です。ニーズを満たした製品を、適切な価格で適切な流通で効率よく販促できれば、売上拡大につながります。

各フレームワークの具体的な事例

STP、4P分析を企業ではどのように行っているのか、各社の事例を紹介します。

コカ・コーラ

世界最大のソフトドリンクメーカーであるコカ・コーラ社からは、同じ茶系飲料でもセグメンテーションに合わせて緑茶・烏龍茶・紅茶・トクホ製品の出し分け、ペプシというわかりやすい競合に対して差別化できる要素、といったポジショニングを学べます。

ユニクロ

日本を代表するアパレルメーカーであるユニクロでは、ほかのファストファッションとユニクロを分ける違いは、顧客を絞り込むのではなく、心理的変数で商品を絞り込むセグメンテーションになっています。

ディズニー

ディズニーでは12歳以下の子どもの親に対してサポートするマーケティング戦略を開発しました。その理由は、12歳以下の子どもに関する意思決定をするのは、親だからという点からです。

マーケティングの基礎!STP分析を使った市場参入

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STP分析はマーケティングのフレームワークで、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字を取ったもの。新規参入にあたって、市場全体の中でどの分野を狙い、自社が競争優位なポジショニングはどこかを決めるのに役立ちます。

花王

2003年に「ヘルシア緑茶」で飲料市場へ参入した花王。ヘルシア緑茶は以下のような4P分析を行いました。

Product(製品):特定保健用食品(トクホ)を受けた健康飲料、脂肪燃焼効果がある
Price(価格):180円という緑茶飲料としては高値
Place(流通):多忙なビジネスパーソンをターゲットにしコンビニのみで流通
Promotion(プロモーション):積極的なTVCM展開

これらの戦略により、飲料市場への初参入にも関わらず、約10ヶ月でおよそ200億円の売上を達成するに至りました。

まとめ

マーケティング戦略は市場でのポジションを確立するために、事業内容や規模を問わず、企業に求められるものとなっています。初めから成功する戦略を立案するのは難しいですが、今後を見据えて着実に進めていく必要があります。

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