マーケティング戦略の重要性をあらためて確認
ピーター・ドラッガーは、マーケティング戦略を「企業が顧客の趣味趣向からニーズを把握して戦略を立てること」とし、マーケティングとイノベーションの2つがビジネスにおいて価値を生み出す活動、と定義しています。「良い商品・サービスを作れば売れる」という考え方もありますが、対象とする顧客やマーケット内のポジションを予め明確にして商品・サービス開発すれば、開発と販促がスムーズに連携できます。
そのほか、マーケティング戦略の重要性を認識する上で欠かせないのが、インターネットやSNSの普及です。企業と顧客の接点が増え、顧客接点ごとの施策を立案・実施するには、マーケティング戦略が必要となってきます。
これ以外にも顧客のニーズが多様化している現状もあり、こうした状況下においてマーケティング自体の考え方、概念が変化しているという点も意識しておく必要があります。
■マーケティング戦略のメリット
どのような企業であっても、経営リソース(人、金、モノ)は有限です。限られたリソースを有効に使えるようにするのがマーケティング戦略であり、またマーケティング戦略を実行するメリットになります。
ほかにもマーケティング戦略の立案~実行のプロセスにおいて、たとえそれが失敗に終わってしまったとしても、そこで得たデータを活用して新たなマーケティング戦略に取り組めます。つまり、失敗を成功につなげるための土台作りを行いやすくする……これもマーケティング戦略のメリットとして挙げられます。
自社の商品・サービスを市場に普及させるには、一貫したマーケティング戦略が必要です。企業のマーケティング戦略立案に使われる3C分析・STP分析・4P分析などのフレームワークや、有名企業のマーケティング戦略事例をご紹介します。
マーケティング戦略立案に欠かせない3つのポイント
■誰に向けて訴求するのか?
マーケティング戦略立案の第一歩として、「誰に」自社の商品、サービスを訴求するのかを明らかにします。
そのために必要となるのが「セグメンテーション」と「ターゲティング」です。
セグメンテーションとは、一般的に「分割する」「区分けする」を意味するワードで、マーケティング戦略においては、対象とする市場を細分化したものを指します。市場を細分化する意義は、一定のニーズを持つ層へ自社の商品・サービスのアピールを効率的に行える点にあります。
セグメンテーションにあたっては、以下のような「変数」が用いられます。
地理的変数(ジオグラフィック変数)
国、地域市町村、気候などの分類
人口動態変数(デモグラフィック変数)
年齢、性別、職業、所得、学歴、ライフステージ等の客観的な基準による分類
社会的心理的変数(サイコグラフィック変数)
ライフスタイルやパーソナリティ、志向や価値観などによる分類
行動変数
商品に対する反応(購買状況、ベネフィット、ロイヤルテイ)などによる分類
続いて、ターゲティングとは、どの顧客層をターゲットにするか、そして数ある市場の中から自社の商品・サービスを売り込むかの決定を指します。
セグメンテーションによって細分化した市場で、どの顧客層に狙いを絞るのかというターゲティングを行う際には以下のような指針(6R)が利用されます。
市場規模(Realistic Scale)
その市場は売上や利益をあげられる規模があるかどうかを確認します。基本的に利益は市場の大きさと比例する可能性が高まりますが、大きければいいというものでもありません。別の言い方をするならば、採算が合わなければその市場は魅力的ではない、というわけです。
市場の成長性(Rate of Growth)
将来的に成長する可能性のある市場か?現在小さい規模であっても将来成長する見込みがあれば焦点を当てる対象になるかもしれません。
顧客の優先順位と波及効果(Rank & Ripple Effect)
優先順位を見極め、ターゲティングを行っているかがポイントとなります。自社の強みをより活かせる市場や、広告や口コミの波及が大きい市場は優先順位が高くなります。
到達可能性(Reach)
実際に商品やサービスを提供したり広告を届けられるかを再確認します。どんなに良い商品やサービスでも、物理的な理由などで提供できなければ現実的ではありません。
競合状況(Rival)
競合他社がどの程度存在するのか、競合他社に対して差別化できるかどうかがポイントです。
測定可能性(Response)
効果測定できるかどうかを確認します。効果測定できなければビジネスの目標達成の成否がわからないだけでなく、スタッフの評価基準も明確にできません。
多様化するニーズと目まぐるしく変化する市場に対しては、なるべく少ないリソースで最大限の効果を得られるマーケティング戦略が求められます。その基本として顧客の「セグメンテーション」と「ターゲティング」の設定が挙げられます。場合によっては近しい意味になり、混同しがちな「セグメンテーション」と「ターゲティング」を整理して解説します。
セグメンテーションやターゲティングを行うと、自社にとって優位なマーケティング戦略を練るうえで欠かせないフレームワーク「STP分析」にもつなげられます。
自社にとって優位なマーケティング戦略を練るうえで欠かせないフレームワークSTP分析。今回STPのうちのS=セグメンテーションについて、市場を細分化する具体的な方法やポイント、事例をご紹介します
STP分析はマーケティングのフレームワークで、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字を取ったもの。新規参入にあたって、市場全体の中でどの分野を狙い、自社が競争優位なポジショニングはどこかを決めるのに役立ちます。
■顧客に与えられる価値は?
数多くの商品やサービスを手に入れやすい今、自社のものを手にしてもらえるきっかけは?
ライバルよりも優れている点がなければ、正しい訴求ができたとしても売上の向上にはつなげられません。
そして、
(1)自社の商品、サービスを手にしたら顧客が満足できる点
(2)顧客が求める商品やサービス
(3)自社の優位性
を明確にします。これら(1)~(3)を自社の「価値」とします。企業サイドの思惑と顧客側が感じる価値に差があっては無意味になってしまいます。したがって、商品やサービスの価値は顧客にどのように取られるのかを細かく分析する必要があります。
■価値をどのように差別化するか?
自社の商品やサービスを顧客に対して価値あるものと認識してもらうためには、まず競合他社について考える必要があります(競合他社がいないというケースは考えづらいため)。っそして、その競合他社よりも優位な点を明確にするのが第一です。
価格面でのメリット、デザイン性の良さ、機能的にすぐれている、素材へのこだわりなど、最大限に顧客にアピールでき、なおかつ「刺さる」差別化のポイントを考慮・決定します。
マーケティング戦略立案にあたってのフレームワーク
■4P分析
4P分析は、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取ったフレームワークです。売上拡大のためにニーズを満たした製品を、適切な価格で適切な流通させるという、効率の良い販促を目指すためのものです。以下の4つの「P」の概要を説明します。
■製品(Product):コア機能(機能・価値)、形態(品質・ブランド・パッケージ)、付随機能(アフターサービス)など。
■価格(Price):利益・高級か庶民向けか・値引き有無など。
■流通(Place):チャネル構造・在庫など。
■販促(Promotion):広告媒体、イベントなど。
4P分析は企業が販売戦略を決める際に使わるフレームワークでProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の頭文字を取った用語です。ニーズを満たした製品を、適切な価格で適切な流通で効率よく販促できれば、売上拡大につながります。
■3C分析
Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの要素の頭文字「C」を取ったものが3C分析です。自社だけでなく、外部の環境も調査する必要があります。以下、3つの「C」が示す範囲を紹介します。
■Customer(市場・顧客):顧客にどれほど購買意思があるのか、また能力などを分析していきます。市場の大きさや成長性、購買に至る過程などがあります。
■Company(自社):自社の経営状況や強みについて調べておきます。市場が変化にするにつれて、変化に対応することや、自社の比較を行います。
■Competitor(競合):競合他社について、また競争の状況を調べます。自社のオリジナリティを探していくのに必要なポイントです。
3C分析の概要とフレームワークの重要性とは?目的とやり方を解説
https://manamina.valuesccg.com/articles/512自社の製品・サービスをマーケティングするには、自社が置かれた市場環境や強み・弱みなどを理解してマーケティング戦略を立案し、施策を実行していきます。マーケティング戦略立案にあたり、顧客・競合・自社の3つの要素から分析する3C分析という方法があります。この記事では、3C分析の意味や実際の手順、事例を元に3C分析活用の注意点を解説します。
■SWOT分析
SWOT分析とは、「内部環境か外部環境か」と「事業にとってプラス要因かマイナス要因か」の2×2軸で4つに分類することで、事業を取り巻く要因を整理するフレームワークです。
2×2軸の4つの象限の頭文字が「SWOT」になります。
・Strength(強み)=内部環境xプラス要因
・Weakness(弱み)=内部環境xマイナス要因
・Opportunity(機会)=外部環境xプラス要因
・Threat(脅威)=外部環境xマイナス要因
「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」は自社の強み・弱みとも言い換えられます。また例えば市場が成長しているなら外部環境xプラス要因で「Opportunity(機会)」になります。
競合調査の代表的フレームワーク3種(3C分析・4P分析・SWOT分析)
https://manamina.valuesccg.com/articles/589市場における自社の強み・弱みや他社の戦略を把握するために行う「競合調査」。ビジネスの競合調査でよく使わているフレームワークが3C分析・4P分析・SWOT分析です。本稿では、各フレームワークの概要と分析方法、使い分けをご紹介します。
■PEST分析
PEST分析とは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)、以上4つの観点の頭文字を取った、外部環境(マクロ環境)を分析する方法です。
PEST、それぞれに関する自社にまつわる情報を収集していく必要がありますが、以下のような情報を集めていきます。情報のソースは新聞などのマスメディア、調査内容に関係する業界誌や講演会などに絞っておくと効率的です。
■Politics(政治):法律、法改正、税制、裁判制度、政権、政治団体
■Economy(経済):為替、株価、経済成長率、景気動向、消費動向、物価指数
■Society(社会):人口動態、流行、世論、宗教、教育、社会情勢
■Technology(技術):IT、インフラ、特許、技術開発投資、イノベーション
ブランディングのための戦略=ブランド戦略。戦略立案のためにはいくつかのステップを踏む必要があります。その際にフレームワークを利用すると効率が上がります。ここではブランド戦略立案に便利なフレームワーク「3C分析」「SWOT分析」「PEST分析」をご紹介します。
フレームワークを使った分析事例
STP分析、3C分析、4P分析を企業ではどのように行っているのか、各社の事例を紹介します。
■ディズニーのSTP分析
ディズニーでは12歳以下の子どもの親に対してサポートするマーケティング戦略を開発しました。その理由は、12歳以下の子どもに関する意思決定をするのは、親だからというSTP分析によるものです。
STP分析はマーケティングのフレームワークで、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字を取ったもの。新規参入にあたって、市場全体の中でどの分野を狙い、自社が競争優位なポジショニングはどこかを決めるのに役立ちます。
■花王の4P分析
2003年に「ヘルシア緑茶」で飲料市場へ参入した花王。ヘルシア緑茶は以下のような4P分析を行いました。
Product(製品):特定保健用食品(トクホ)を受けた健康飲料、脂肪燃焼効果がある
Price(価格):180円という緑茶飲料としては高値
Place(流通):多忙なビジネスパーソンをターゲットにしコンビニのみで流通
Promotion(プロモーション):積極的なTVCM展開
これらの戦略により、飲料市場への初参入にも関わらず、約10ヶ月でおよそ200億円の売上を達成するに至りました。
■スターバックスとドトールを3C分析
どちらのカフェも知名度が高く人気がありますが、それぞれのブランドイメージは全く異ります。それぞれの3C分析を紹介します。
顧客(Customer)
スターバックス
1996年日本に参入したスターバックスは、ファッションに敏感な若い女性層をターゲットにしました。当時日本のコーヒーを飲む場所の主流は喫茶店で、女性が一人では行きづらいものでした。そこでスターバックスは、「おしゃれなお店に行きたい」「美味しいコーヒーやラテが飲みたい」という女性のニーズを取り込むことを目指しました。
ドトール
1980年に展開されたセルフ式コーヒーショップの先駆けであるドトールは、当初のコーヒーの価格はなんと1杯150円。立地は都心の駅チカをメインに展開しました。リーズナブルに、手軽に、効率的に美味しいコーヒーや休息を求めるビジネスマン層をターゲットにしました。
競合会社(Competitor)
スターバックス、ドトールがそれぞれの競合会社ですが、他にコーヒーチェーンでのメインの競合会社は次の2社です。
・エクセシオール
・タリーズ
2社ともスターバックスと同じ、お洒落でファッショナブルなイメージの戦略です。
また、コーヒーチェーン以外にも、間接的競合として、コンビニ、ファーストフード店も挙げられます。
自社(Company)
スターバックス
・良質の深煎コーヒー。女性向けにラテや季節に合わせた新しいメニューを展開。
・「第三の空間」(Third Place)。センスの良いインテリアと心地より音楽。
・日常のちょっとした贅沢。
・総合的に「お洒落で高級感のある」イメージ。
ドトール
・ドリップコーヒー中心。
・内装もコーヒーカップもシンプル。
・総合的に「庶民的」なイメージ。
スターバックスもドトールもそれぞれ3C分析にもとづいた戦略を練り、競争優位性を発揮してきました。
■AppleのSWOT分析
iPhoneやiPad、そしてMac……抜群の知名度を誇るAppleは、以下のようなSWOT分析ができます。
Strength(強み)
・高いブランド力
・iPhoneというスマホの先駆者
・iPhoneからパソコンまでさまざまなガジェットの開発・生産
Weakness(弱み)
・他社よりも高い価格帯
・トレンドであるテクノロジーであるスマートスピーカー事業の不振
・iPadがタブレット市場で苦戦
Opportunity(機会)
・自動運転技術の開発
・日本国内でのiPhoneシェアの高さ
・iPhoneアプリの発展
Threat(脅威)
・新興スマホメーカーの存在
・スマホ市場の伸び悩み
■ライフネット生命のPEST分析例
生命保険会社・ライフネット生命では、同性パートナーを生命保険の受取人に指定できるように保険契約を改定しました。これはPEST分析にて「Politics(政治)」や「Social(社会・文化・ライフスタイル)」の変化を察知し、いち早く死亡保険金受取人の範囲を拡大した事例になります。
マーケティング施策に役立つ理論や用語
市場を細分化し、自社が差別化できるポジションを見つけた後は、商品をどのようにアピールするのかを検討します。その際に役立つ理論や用語をまとめて紹介します。
■ペルソナ・カスタマージャーニー・タッチポイント
ペルソナとは、商品やサービスが想定する「架空の」顧客像のことを指します。架空ではありますが、好みや行動パターンなどさまざまな要素を加味し、実在の人物であるかのように設定します。
ペルソナを重視すべき理由は、商品やサービスの提供にあたり、より効果的なターゲットの絞り込み、施策の企画・実行ができるためです。
改めておさらい!ペルソナの意味やメリット、作り方から事例までまとめ
https://manamina.valuesccg.com/articles/733商品・サービスが想定する架空の顧客像を「ペルソナ」として設定し、マーケティングに活用する事例が増えています。購買行動が多様化しペルソナが必要になった背景や利用するメリット、ペルソナの作り方からカスタマージャーニーマップで活用する方法、活用事例をまとめました。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入にいたるまでの一連の行動を「旅」に例え、時系列ごとに顧客との接点や心理、行動を分析する手法です。その流れを図式化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。
顧客ニーズの多様化や購入プロセスの複雑化という背景があり、カスタマージャーニーの必要度が高まっています。
企業のマーケティングに活用される「カスタマージャーニー」。顧客の購買行動を「旅」にたとえ、顧客との接点や課題を洗い出します。カスタマージャーニーの基本概念から作り方、B2B・B2C事例まで、まとめて紹介します。
タッチポイントとは、マーケティングのなかで、サービスやコンテンツがユーザーと触れる場所のことです。
インターネット普及前の情報ソースは、テレビや新聞といったマスメディアに限られていましたが、現代ではデジタルを中心にタッチポイントが増加しています。それに伴って、顧客がいつどの媒体を通して商品やサービス、そして企業と触れ合うのかを把握し、接点ごとに施策を実施する重要性が増しています。
“タッチポイント”を重視すべき理由、設定方法、成功事例を紹介
https://manamina.valuesccg.com/articles/967企業と顧客の接点である「タッチポイント」。タッチポイントの例としては、チラシや看板など物理的なものとCMやWeb広告などデジタルな接点があります。多様なタッチポイントが出てきている中で、ペルソナごとに適切な接点を設け、ユーザーの心理・行動変容につながる施策を実施できるかが大事です。タッチポイントの基本や種類、改善して成果を上げた事例を紹介します。
■行動経済学
「行動経済学」は経済行動に心理学を交えて分析する経済学で、人がどのように考え、どのように行動するかの実験を繰り返しながら探り、ひとつの方向を見極めようとするものです。
マーケティング文脈で行動経済学が注目されるようになった理由は、どの業界も成熟が進み他社との差別化を図りづらい状況のなか、「経済的な報酬や罰則などの手段を用いるのではなく、人が意思決定する際の環境をデザインし、自発的な行動変容を促す」という行動経済学の理論が役立つと期待されているからです。
経済学や経済行動に心理学を交えて分析する「行動経済学」。サンクコストや現状維持バイアスなど有名な理論も含まれ、2017年にリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞し、さらに注目を集めるようになりました。今回は、行動経済学と経済学の違いから行動経済学をビジネスやマーケティングにどのように落とし込んで実践するかを解説します。
■イノベーター理論・キャズム理論
イノベーター理論とは、消費者を5つの層に分類し、商品やサービスがこれらの層にどう広まるか(=市場に普及する)を分析する理論で、マーケティング戦略や市場のライフサイクルを検討する材料として活用されています。
イノベーター理論における「イノベーター」から「アーリーアダプター」までに普及させられるかが、新しい商品やサービスを市場に浸透させられるかの鍵になります。
新しいモノやサービスが市場に普及する過程を分析する際に、「アーリーアダプター」「キャズム」などの用語は聞いたことがあるはず。これらは消費者を5つのグループに分類して分析した「イノベーター理論」の一部です。5つのグループや普及の分岐点など、イノベーター理論について解説します。
キャズム理論とは、イノベーター理論における「アーリーアダプター」から「アーリーマジョリティ」に普及が広まるには大きな溝(キャズム)があるとし、キャズムを超えなければ商品やサービスは普及しない、というものです。
この「キャズム」に対する対策方法としては、「段階に応じてアピールする内容を変える」「インフルエンサーやアンバサダーを利用する」「ニッチ市場を狙う」があります。
商品やサービス普及のターニングポイント「キャズム理論」とは?
https://manamina.valuesccg.com/articles/1223新商品、サービスが市場に普及するまでの段階を示す「イノベーター理論」に対して、アーリーアダプターからアーリーマジョリティに到達するには大きな溝(キャズム)があるとする「キャズム理論」も有名です。キャズムを超え、アーリーマジョリティに普及させるにはどうしたらよいでしょうか?
■データマーケティング
データマーケティングとは、データ分析を顧客へのアプローチに活かすマーケティング手法で、分析するデータとしては、性別・年代・職業など顧客の情報だけでなく、購買履歴などがあります。
マーケティング施策の実施フェーズでも行動ログなどのデータを収集し、データを分析・活用することが大きな特徴で、根拠となるデータを収集し、データを見える化することで、分析しやすくするのがデータマーケティングの目的となります。
データマーケティングとは何?効果的な分析で成果を上げる方法とは?
https://manamina.valuesccg.com/articles/513顧客のデータを元にして、マーケティングをするデータマーケティング(データドリブンマーケティング)。マーケティング施策として一般的に活用されている手法です。しかしデータマーケティングが何を指すのか、また本当の必要性は理解できていないという方もおられます。そこでこの記事では、データマーケティングの詳細やメリットを詳しく解説します。
■マーケティングオートメーション
顧客ごとに施策を最適化するOne To Oneマーケティングを実行したり、成約まで時間がかかるB to Bで適切なタイミングで顧客にメッセージを届け、顧客ごとの購入意欲を評価するには、複雑かつ大量の処理が必要で、人力ではなかなか困難です。
マーケティングオートメーションとは、企業がマーケティングを行う際に単純で繰り返し行う必要がある作業や、自動化できる作業を、ツールなどを使って自動化することを指します。
マーケティングオートメーションでは専用のツールが用意されており、メールやWebサイトの訪問者を分析し、レポート作成したりします。マーケティングから営業活動に至るまでの多くのステップを自動化することで、質の良い見込み客を見つけることができ、営業活動の効率化、コスト削減に役立ちます。
マーケティングオートメーションとは何?導入すべきメリットは?
https://manamina.valuesccg.com/articles/493マーケティングには当然、コストや時間がかかります。そこで、複雑な作業や大量の作業を自動化するために、マーケティングオートメーションというものを利用します。こうしたツールでビジネスの効率化を目指すのです。では、マーケティングオートメーションとはどのようなものを指すのか、メリットやデメリットは何でしょうか?この記事で詳しく解説します。
■KPI・KGI・KSF
事業の目標達成にあたって重要なKPI・KGI・KSFという3つの用語、それぞれの概要は以下のとおりです。
KPI
KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語に訳すと「重要業績評価指標」となります。設定した目標をクリアするため、どのような過程を踏めば達成できるかを洗い出すほか、目標とする業績の達成状況を数値で計測する指標を指します。
具体的な指標の一例として、マーケティングの場合は資料請求数、問い合わせフォームへのアクセス数、SEO施策によってはサイト訪問者数などがあります。
KGI
KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語にすると「重要目標達成指標」となり、最終目標の達成を計測するための指標で、マーケティングでよく使用されます。
KGIの指標として売上高、営業利益、市場シェアなどがあり、最終目標達成の度合いを客観的に判断できるよう、2021年度の売上目標を前年比〇〇%アップさせるという形で設定します。KGIのほうがKPIより粒度の大きな指標となります。
KSF
KSFは「Key Success Factor」の略で、日本語に訳すと「重要成功要因」となります。事業を成功させる(=目標達成)ために必要な要因を、外部要因と内部要因に分類します。
外部要因とは、市場の動向、競合の市場参入もしくは撤退といったような、自社の外部にある要因を指します。一方の内部要因は、KGI達成に必要な要素のほか、自社の強みといった自社内の要因となります。
事業の目標達成にあたって重要なKPI・KGI・KSFという3つの用語。似た略称で区別しづらいので、曖昧な理解になっていませんか?KPI・KGI・KSFの定義とそれぞれの違い、使い分けを説明します。KGIで設定した目標・ゴールに向けてその達成に必要な要素を洗い出し(KSF)、各要素の達成具合を定量的に見る(KPI)という関係があります。
まとめ
マーケティング戦略は市場でのポジションを確立するために、事業内容や規模を問わず企業に求められるものとなっています。初めから成功する戦略を立案するのは難しいですが、今後を見据えて、今回紹介したポイント、フレームワークそして理論をもとに、マーケティング戦略の立案~実行を行いましょう。
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マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
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